4横綱が「どうぞ、どうぞ」 ダチョウ倶楽部的休場ごっこの裏

【大相撲秋場所】稀勢の里、鶴竜、白鵬が休場 貴闘力以来の幕尻優勝の可能性も

記事まとめ

  • 大相撲秋場所は、稀勢の里、鶴竜、白鵬の3横綱が休場する事態となっている
  • 日馬富士が出場を決めたのは、結果を残し、生き残りを図りたいという思惑か
  • 幕内下位の力士が優勝戦線に絡む可能性が高いといい、貴闘力以来の幕尻優勝の可能性も

4横綱が「どうぞ、どうぞ」 ダチョウ倶楽部的休場ごっこの裏

4横綱が「どうぞ、どうぞ」 ダチョウ倶楽部的休場ごっこの裏

結局休場を選んだ横綱・白鵬(撮影:ヤナガワゴーッ!)

 9月10日に初日を迎えた大相撲秋場所は、稀勢の里鶴竜、そして白鵬の3横綱が休場する異常事態となった。3横綱の初日からの休場は昭和以降はじめてのことである。その裏ではコントのような駆け引きが繰り広げられていた──。

 唯一の日本人横綱・稀勢の里も今回は後がなかった。2場所連続途中休場のなか、「3度目の過ち」を犯せば、引退の2文字がチラつき始める。今回、稀勢の里には珍しく、稽古では積極的な姿勢が見られなかった。

「左上腕の状態は万全にはほど遠く、さすがに弱気になっていたようです。しかし協会としては稀勢の里と白鵬という2大人気横綱がどちらもいないのは困る。稀勢の里の責任感は人一倍ですから“もし白鵬が出ないなら自分が”と悲壮な決意をもっていたようです。だから最後まで出場するか悩んでいた。

 稀勢の里には同情を禁じ得ない部分もあるが、言ってしまえば4横綱がお互いの腹を探り合って“どうぞ、どうぞ”とやっている状態。まるでダチョウ倶楽部のネタですよ」(協会関係者)

◆17年ぶりに幕尻優勝!?

 一時は4横綱全員が休場という可能性もあったため、協会内部も揺れた。

「今の相撲人気を支える稀勢の里には無理をしてほしくないというのが協会の本音。一方、毎場所のように金星が乱れ飛ぶなか“横綱は4人もいらない”という空気も漂っている。

 稀勢の里は、“完全に休めば体がしぼみ、相撲勘も鈍る”という故・鳴戸親方の教えを守り、親方衆がいくら休場を勧めても、出場しようと必死にもがいている。協会内に擁護論も多い。“打算ばかりですぐ休む”といわれるモンゴル勢横綱に批判が集中するのは当然です。その空気は本人たちも敏感に察知している。

 他の横綱の満身創痍ぶりを横目に、日馬富士が“優勝に向けて千載一遇のチャンス”と出場を決めたのも、結果を残して生き残りを図りたいという思惑がある」(別の協会関係者)

 だが、万全でない横綱が簡単に優勝できるほど、秋場所は甘くはない。

 大関初優勝を目指す高安、カド番の2大関、豪栄道と照ノ富士も必死だ。今場所を大関取りの足がかりにしたい関脇・御嶽海や、最年長大関昇進を狙う35歳の嘉風も侮れない。場所前に結婚を発表した小結・栃煌山もやる気マンマンだ。

 相撲雑誌記者は「序盤に上位との対戦がない幕内下位の力士が優勝戦線に絡む可能性が高い。新入幕の朝乃山と豊山は同期のライバルでどちらも活きがいい。5年ぶりの平幕優勝どころか、2000年3月場所の貴闘力以来の幕尻優勝だってありえます」と分析する。

「どうぞ、どうぞ」で押し出されるように出場した横綱が金星献上を連発すれば協会は頭を抱えるだろうが、「史上屈指の波乱場所」はきっと面白くなる。

※週刊ポスト2017年9月22日号

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