プロ野球のジェット風船応援、“飛沫感染リスク”で消滅か

ゴム風船メーカー「マルサ斎藤ゴム」倒産 プロ野球のジェット風船が消滅危機か

記事まとめ

  • ゴム風船メーカー「マルサ斎藤ゴム」が東京都内の新型コロナウイルス関連倒産6社目に
  • ジェット風船はパ・リーグ6球団と阪神、広島、DeNAの9球団の公認応援グッズ
  • 開幕の見通しが立たず、飛沫感染を恐れる考えもあり全国のゴム風船メーカーが苦境に

プロ野球のジェット風船応援、“飛沫感染リスク”で消滅か

プロ野球のジェット風船応援、“飛沫感染リスク”で消滅か

風船の売り上げはけっこう大きいが…(時事通信フォト)

 東京商工リサーチによれば、東京都内の新型コロナウイルス関連での倒産6社目になったのは、玩具メーカーなどを通して、コンビニ、スーパー、大手量販店などに子供向け玩具用ゴム風船や宣伝用風船などを販売していた「マルサ斎藤ゴム」(東京・墨田区)だった。新型コロナウイルスの影響で、中国や東南アジアからの材料仕入れが困難となっていたうえ、国内でのイベント自粛の影響で、業況が悪化。4月6日に東京地裁に破産を申請した。負債総額は2億円だという。

 同様に、全国でゴム風船メーカーが苦境に立たされている。ジェット風船はプロ野球の定番応援グッズだが、新型コロナウイルスの感染拡大により、今季はまだ開幕日程の見通しが立たず、その影響を大きく受けている。

 日本のプロ野球ではラッキーセブン(7回)の攻防でジェット風船を飛ばすことが広く知られている。

「最初に飛ばしたのは広島ファンとされるが、応援として定着させたのは日本一になった1985年の阪神ファンです。2000年頃には他球団も飛ばすようになり、阪神以外でも球団の正式な応援グッズとしてジェット風船(阪神は4本220円)が販売されるようになった」(スポーツ紙デスク)

 現在、ジェット風船が球団の公認応援グッズとなっているのはパ・リーグの6球団と阪神、広島、DeNAの9球団。在京・在阪のゴム風船メーカーが製造に携わっている。

「一番の消費量となるのは甲子園での阪神タイガース戦。5万人のファンが両手に持って7回裏の攻撃で飛ばし、勝利すればゲームセットのあとにも飛ばすため、1試合で1000万円の売り上げが見込める計算になる」(広告代理店関係者)

 ところが、今季はいまだに開幕の見通しが立たず、2月に開催されたオープン戦や練習試合でもジェット風船を使った応援が禁止されていた。

「風船に含まれた唾液が頭上から降ってくるため“飛沫感染”の恐れがあるという考え方です。当然の策だと思いますが、そもそも甲子園球場のようにネット裏に記者席がある球場では7回のジェット風船が飛ばされる時間になると記者たちは飲み物を持って軒下に避難するのが恒例となっていた。新型コロナで改めて注目されたわけだが、これまでも不快に思っていたファンは少なくない。多くの人がウイルスに敏感になり、プロ野球が再開されても人の唾液を天高く飛ばして上空から振りまくジェット風船は、今シーズンはもちろんのこと、恒久的に使われなくなる可能性がある」(前出のスポーツ紙デスク)

 今後、どういった扱いになるかで、メーカーの命運が左右されるとともに、球場の風物詩がひとつ消えてしまうかもしれない状況なのである。

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