宇野昌磨がYouTube始めた理由を語る「自分も貢献したい」

宇野昌磨がYouTube始めた理由を語る「自分も貢献したい」

スポーツ界のトップとeスポーツ界のトップが座談会(画像はYouTubeより)

 フィギュアスケート平昌五輪銀メダリスト・宇野昌磨は、実は自他ともに認める大の「ゲーム好き」だ。シーズン入り直前の今年8月には、多くのプロゲーマーとオンライン上で任天堂の大人気格闘ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL(以下スマブラ)』で対戦してプロ顔負けの腕前を見せたり、ゲームについての熱い思いをトーク企画で語ったりした。

 今回、宇野のゲームに対する熱い思いや知られざる私生活を語ってもらうべく、彼が「最も好きなプレイヤー」として名を挙げたスマブラプレイヤー・しょーぐん氏との対談を企画。『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』の著者でウェルプレイド所属プロゲーマー・すいのこ氏が話を聞いた。

 * * *
すいのこ:始めまして、ウェルプレイド所属のすいのこです。

しょーぐん:スマブラプレイヤーのしょーぐんです。現在はフリーエージェントですが、昨年までGameWithに所属して活動していました。

宇野昌磨:フィギュアスケーター……ですが、今日は“スマブラプレイヤー“の宇野昌磨です。よろしくお願いします。

すいのこ:いやいや、大抵の方よりも相当熱心なスマブラプレイヤーですよね (笑)。今回の対談企画の経緯ですが、6月にYouTubeで生放送された『ケプトの定時退社』を皮切りに、様々なスマブラプレイヤーと共演していまして、私も宇野さんと企画でご一緒させていただいたのをきっかけに対談をやろうという話になりました。せっかくだから、宇野さんが喋ってみたいプレイヤーを呼ぼうということで、宇野さんが一番好きなプレイヤーと語ったしょーぐんさんを今回お呼びしました。

しょーぐん:ありがたいですね。改めてよろしくお願いします。元々スポーツ観戦が好きで、フィギュアスケートも観ていました。羽生結弦選手に続く新たな若手が台頭してきているって形で宇野さんがテレビで紹介されているのを見て知りました。

すいのこ:僕もそんな感じかも。宇野さんはどういうきっかけでしょーぐんさんを知ったんですか?

宇野:『スマブラハウス』というYouTubeチャンネルにしょーぐんさんがゲストで出演された時に、しょーぐんさんが使用するスネークというファイターについて解説する回の動画を観たのがきっかけでした。

 そこから色々な動画を見はじめて、たくさんのプレイヤーのことを知っていく中で、気付いたら一番応援したいと思えるようになったのがしょーぐんさんでした。雰囲気とか言葉の使いまわし、物事の考え方が面白いし好きだなって思いました。

すいのこ:どこか感性で似ている部分があるのかもしれないですね。

スケートを「やりたくなった瞬間」

しょーぐん:宇野さんが最近開設されたYouTubeチャンネル(宇野昌磨アップロードチャンネル)で、ご自身の練習動画を見直すって動画を投稿していたじゃないですか。その中でもちょっとしたボケをしていましたが、ふざけてるのか真面目なのか絶妙に分かりづらいボケをするのは自分とちょっと似てるなって感じました。

宇野:確かに結構そういうの好きでやりますね(笑)。

すいのこ:今話題に上がった宇野さんのYouTubeチャンネルについて、今年の7月に開設したわけですが、どういった経緯で開設に至ったんでしょう?

宇野:本来この時期にはアイスショーなどがある予定だったんですが、今年はそういったイベントが何も無かった。他に何か出来ることはないかと考えた時に、僕はTwitterなどのSNSをまったくやっていなくて、僕から発信する媒体が無かったんですね。そこで皆さんに発信できることはないかと考えた結果がYouTubeでした。

すいのこ:今まで情報を発信することをしなかった宇野さんがYouTubeという情報発信をするようになったきっかけって何でしょうか?

宇野:最近、自分のフィギュアスケートに対する原動力について考えることがあって。子供の頃からインタビューで「将来の目標は?」って聞かれていて、最初は「ないです、考えてないです」って答えていたんですけど、そのうち「『オリンピック』って答えなさい」って言われるがまま答えていました。

 ただ大きくなったある日、自分の本当の目標って何だろうって考える機会があったんです。こう言うと失礼にあたるかもしれないんですが、周りの人はオリンピックで結果を残すことだったりしたんですが、自分の場合はオリンピックが最終目標ではないなと思いました。

 僕にとっては今日が全て。明日のことも昨日のこともあまり深く考えていなくて、だからこそオリンピックに対して特別に意識はしていないんですよね。一日一日、目の前のことを精一杯やって、成長する自分を実感していったその先に、オリンピックがあるんだと考えています。

 そうやって今まではモチベーションの源泉を自分に見出していたのですが、最近、何か皆さんにできることがあるんじゃないかって考えるようになりました。正直、今まで僕から皆さんのために何かをしたいって思ったことがなかったんですが、昨シーズンの不振を通じて自分を振り返った時に、僕は沢山の人に支えられているんだって実感して、自分も何か貢献したいなって思い始めたのも理由の一つです。

 そう思い始めてから、段々と「やらなきゃ」と思って取り組んでいたスケートが「やりたい」とまた感じられるようになりました。これも原動力と言えるかもしれないです。

すいのこ:自分のためだけでなく、周りの人のためにも滑ろうと思えるようになった?

宇野:こういうことを口にするのが得意ではないんですが、それでも本心からそう思ったので最近発言するようにしています。

すいのこ:今後どういう動画を作っていきたいとか考えていますか?

宇野:僕が本当に面白いって思うものを作りたいですね。僕は面白くないものを面白いって言うのは苦手なので、数字を取りたいってよりも、今まで面白いと思いつつもやってこれなかったことをやっていきたいと思っています。

※YouTubeチャンネル「すいのこチャンネル」にて2020年8月25日に配信された内容より再構成。

◆聞き手/すいのこ・1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。本名・桑元康平。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド株式会社のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。近著に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』。

関連記事(外部サイト)