カド番になった正代と朝乃山「コロナで延期しているドル箱の大関昇進パーティ」が風前の灯に

カド番になった正代と朝乃山「コロナで延期しているドル箱の大関昇進パーティ」が風前の灯に

土俵の沙汰もカネ次第(共同)

 11月場所は5日目から正代(29)が休場。初日から休んでいた白鵬(35)と鶴竜(35)の両横綱、右肩負傷で3日目から休場した大関・朝乃山(26)を含め、2横綱2大関が土俵から姿を消した。

 正代は来場所(初場所)をカド番で迎えることになった。「2場所連続負け越しで大関陥落」の現行制度が始まった69年7月場所以降、新大関がいきなりカド番を迎えたケースはこれまで、前の山、大受、増位山、曙、千代大海、武双山、雅山、栃ノ心、貴景勝の9人。そのうち、連続負け越しで陥落したのは武双山と貴景勝の2人だ。

 貴景勝は、昨年の3月場所で大関昇進を決めたものの、5月場所4日目に右膝を傷めて翌日から休場。その後8日目に再出場するも、3勝4敗8休に終わった。翌7月場所は無理に再出場させたことで批判を受けた千賀ノ浦親方が、「膝は完治していない。出場は無理」との理由で初日から休場させ、貴景勝は関脇に陥落した。武双山は2000年の5月場所(全休)と7月場所(4勝11敗)の連続負け越しで陥落した。だが、武双山も貴景勝も陥落直後の場所で10勝以上を挙げ、1場所で大関に復帰してみせた。

 次の場所でカド番を迎える正代にも同様の“試練”が待ち受けるが、当人以上に気が気でないのは所属する時津風部屋の関係者たちだという。

「横綱や大関への昇進は部屋の名誉であると同時に、集金のための大イベントです。2017年に横綱・稀勢の里と大関・高安が誕生した田子ノ浦部屋では、5月に稀勢の里、9月に高安の昇進パーティが行なわれ、それぞれ1500人、1000人がお祝いに駆けつけました。会費が1人3万円としても、それぞれ4500万円と3000万円。それに加えて太いタニマチ(後援者)からは100万円単位のご祝儀をもらえる。

 しかも時津風部屋は伝説の名横綱・双葉山の流れをくみ、理事長も輩出した角界の名門。後援会組織も屈指の大きさです。正代の昇進パーティはとんでもないドル箱行事になるはずですが……」(相撲協会関係者)

 ところが、今は新型コロナ禍で相撲協会が全協会員に無用な外出禁止を通達しているため、大規模なイベントなど開けない。状況が改善しないまま来場所で陥落してしまえば、昇進パーティ自体が「幻」になってしまう。

「引退相撲の祝儀は“退職金代わり”という意味合いがあるので本人の取り分が多いが、昇進パーチィは親方はじめ部屋の功績も祝う会なので、収入は“部屋と力士の折半”が角界の伝統。つまり、部屋にとっては一番おいしいイベントです。時津風部屋としては、何が何でも正代には大関に踏みとどまってもらいたいと祈っているでしょう」(若手親方)

 来場所にカド番を迎える朝乃山も正代と同じ状況にある。朝乃山が大関昇進を決めたのはコロナ「第1波」の真っ只中に無観客で行なわれた今年の3月場所だったため、やはり昇進パーティは“無期限延期”状態だ。

「朝乃山が所属する高砂部屋では、高砂親方(元大関・朝潮)が11月場所後に定年を迎える。参与として再雇用されて協会に残るものの、部屋を持つことはできなくなるため、高砂部屋は後継者に譲る。朝乃山の昇進パーティの恩恵にあずかれないばかりか、自身の定年パーティさえ開けないので高砂親方は泣きっ面に蜂ですよ」(同前)

 崖っぷちの両大関は、自分を育ててくれた親方の「カネの不安」を解消できるだろうか。

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