ファンも一安心?“背水の陣”に臨む横綱稀勢の里が白星スタート

ファンも一安心?“背水の陣”に臨む横綱稀勢の里が白星スタート

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 この日一番の大歓声を集めたのは、やはりこの男だった。

 9日に初日を迎えた大相撲9月場所。満員の観客が見つめる中、3横綱の先陣を切って土俵に上がったのは、この場所に自身の進退をかける横綱稀勢の里。過去15勝1敗と合口のよい勢を相手に、大事な初日の取組に臨んだ。

 立ち合い、当たり負けすることなく左を差した稀勢の里は、残る右手で勢を抱えながら一気に土俵際へ。苦し紛れの引きをものともせず、そのまま勢を土俵外へ寄り切った瞬間、客席からはまるで優勝が決まったかのような大歓声が沸き上がった。

 今年1月場所の2日目、北勝富士戦以来となる白星を掴んだ稀勢の里。幸先のいい形で“背水の陣”をスタートさせた横綱に対し、ネット上からは「おかえりなさい!稀勢の里!」、「まずはいいスタートが切れてよかった」、「とりあえずホッとした、明日からも頑張ってほしい」といった安堵の声が寄せられている。

 8場所連続休場中に出場した4場所で、いずれも初日に黒星を喫していた稀勢の里。不吉なジンクスを打ち破った今回の白星は、単なる1勝以上の価値をもたらしたことだろう。

 ただ、当然のことながら、稀勢の里の9月場所はまだまだ始まったばかりで、今後も連日厳しい取組が続いていく。輪をかけて厳しさが増す後半の横綱・大関戦のことも考えると、前半の内に白星を稼げるだけ稼いでおくのが吉といえる。

 また、今回の取組で勝負が決した後、稀勢の里は勢共々土俵下へ転落してもいる。相手の引きが原因なので仕方がないということは重々承知だが、こうした場面もできれば避けてもらいたいところ。いくら状態が上向きであっても、取組内で再び怪我をするようなことがあれば本末転倒だ。

 稀勢の里が2日目に相対するのは、西小結の貴景勝。過去1勝2敗と分が悪い難敵だが、その一方で“出場4場所の2日目は全て白星”という幸運のジンクスもある。その結果が果たしてどうなるか、本日も大いに注目が集まることは間違いない。

文 / 柴田雅人

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