議論を呼ぶ貴景勝の大関“お預け” 致し方ない面もあるのでは?

議論を呼ぶ貴景勝の大関“お預け” 致し方ない面もあるのでは?

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 今月1日配信記事の中で、次期大関候補として名前を挙げさせてもらった貴景勝。9月場所で「9勝6敗」、11月場所で「13勝2敗」(初優勝)をマークした気鋭の22歳は、新関脇として迎えた今場所「11勝4敗」。2場所連続優勝とはならなかったが、最後まで優勝争いを盛り上げた。

 これにより、「三役で直近3場所33勝」という大関昇進目安を、ちょうどクリアする星勘定となった貴景勝の3場所。ただ、昇進を預かる審判部が場所後の昇進に“待った”をかけたことで、ネット上には疑問を呈する声が数多く寄せられている。

 場所後の新大関誕生を期待していたファンが、今回の判断に異を唱えたくなるのも理解はできる。しかし、筆者個人としては、昇進“お預け”には致し方ない面もあるのでは、という思いもある。

 今回の登場人物である貴景勝は、冒頭の通り今場所で初めて関脇となった力士である。これ以前は2018年1月、9月、11月の3場所で小結を務め、11月場所では賜杯を手にしてもいるが、その三役経験はまだまだ乏しい。焦って昇進させるよりは、じっくりとその力量を見極めた方が、今後のためにもなるだろう。

 初めての番付で残した「11勝4敗」は、もちろん素晴らしい成績ではある。ただ、対戦のあった豪栄道(千秋楽)、高安(10日目)の2大関には共に敗れており、対高安に関してはこれで3連敗。2大関が決して好調ではなかったことを考えると、どうしても印象が悪くなってしまうのは否めない。現に審判部は今回の判断の理由として、千秋楽の敗戦を挙げてもいる。

 そもそも、先に書いた昇進目安はあくまで“目安”であり、協会や審判部が公式に設ける“基準”ではない。今回の判断も数字だけでなく、以上に記したような内容も含めた総合的な判断であることは疑いようがないだろう。

 ただ、審判部は見送りの判断と共に、「来場所は大関獲りの場所」と明言してもいる。求められる成績は恐らく2ケタの白星だが、悔しさをバネにした貴景勝ならきっとやってくれるはずだ。

文 / 柴田雅人

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