いつの日か8強の先へ、日本代表の終わりの始まり

いつの日か8強の先へ、日本代表の終わりの始まり

ラグビーワールドカップ2019準々決勝で南アフリカ代表に3-26で敗れた日本代表 (C)スエイシナオヨシ

9月20日・東京スタジアムで始まった日本ラグビー界の史上最大の挑戦は10月20日、同じく東京スタジアムで終わった。4戦全勝のプールA1位でベスト8という目標を達成した日本代表は、プールB2位で準々決勝に勝ち上がってきた南アフリカにまざまざと力の差を見せ付けられたのだった。

リザーブにFWを6名並べ、日本対策をしっかり打ってきた南アフリカに4年前の油断はない。それどころか、試合の入りからハイテンションで突入する。FLシヤ・コリシ主将が「コーチには前半で疲れたら代えると言われていた。とにかくエンジン全開でプレーし、疲れたら交代。チームにエゴのある選手はいらない」と語った通り、南アフリカのディフェンスの出足が早い。前半こそ何とか3-5で持ち堪えたものの、後半には南アのブレイクダウンでの寄せの速さと厳しさ、ラインアウトやスクラムでの圧力、そしてモールの推進力に飲み込まれていった。終わってみれば、3-26。日本が圧力に屈してペナルティをおかせばPGで3点を刻まれ、ふたつのトライも奪われた。

SH流大が「過去感じたことがない圧を感じた」と脱帽すれば、WTB松島幸太朗は「プレッシャーがすごくて、あとひとつというところでボールが出なかった。そのプレッシャーに対して、修正できなかった」、HO堀江翔太も「南アフリカが強くて敵わなかった」と認めるほかなかった。

まさに南ア強しと言うべき完勝劇だったのだが、完璧な試合運びと裏腹に“スプリングボクス”も追い詰められていたのだ。試合後、ラシー・エラスムスHCは「前半はとてもフラストレーションがたまった。ハーフタイムのロッカールームは静かだった。コミットメントが足りなければ厳しい言葉で叱咤するが、スキルのミスの場合は自信を取り戻させる言葉を言うべき。ただ、私は特に何かを言ったわけではない。選手たちが話し合っていた」と明かした。コリシ主将が言葉を引き取る。「モールとスクラムはうまくいっている。モールからトライを取ろう。ペナルティを取ったらPGで3点を取ろうとポジティブな声を掛けた」と続けた。

日本にとって『W杯』準々決勝という大舞台で南アフリカという強敵を相手にこのような経験が出来たのは大きい。日本はこれまで32年間プール戦しか知らなかった。今回初めて8強の戦いがいかにシビアでタフなものか知った。新たな歴史の扉を開いた日本代表だが、FLリーチ マイケル主将は「達成感はない」と言い切り、次期主将候補のNO.8姫野和樹は「ここで満足はしない。4年後に満足したい」とキッパリ。いつの日か、ベスト8のその先へ――10月20日は終わりの始まりでもあった。ラグビー日本代表の冒険はまだまだ終わらない。

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