パラリンピックのメダルは金・銀・銅、それぞれ違う音がする 〜パラ陸上伴走者・中田崇志

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(12月27日放送)にパラ陸上伴走者・パラスポーツメッセンジャーの中田崇志が出演。伴走ロープやパラリンピックのメダルについて語った。

【東京2020パラリンピックメダルを発表】左から銀メダル、金メダル、銅メダルの表面=東京都中央区 撮影日:2019年08月23日 写真提供:産経新聞社

【東京2020パラリンピックメダルを発表】左から銀メダル、金メダル、銅メダルの表面=東京都中央区 撮影日:2019年08月23日 写真提供:産経新聞社

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。12月27日(月)〜12月31日(金)のゲストはパラ陸上伴走者・パラスポーツメッセンジャーの中田崇志。1日目は、伴走ロープやパラリンピックのメダルについて—

黒木)中田さんは視覚障害のある陸上選手の伴走者として活躍されていらして、これまでに出場されたパラリンピックや世界選手権でいくつものメダルを獲得されている第一人者でいらっしゃいますけれども、伴走するときに使用されるロープをお持ちいただいています。これは何と言うのですか?

中田)私たちは「伴走ロープ」と呼んでいます。

黒木)伴走ロープ。長いものと短いものの2種類ありますが。

中田)マラソンのときは、長さが50センチくらいの長いロープを使います。それをお互い持って走ります。輪っかが2つあって、その間を1本の紐で結んだ形のものになっていて、それぞれが輪っかの部分を持って一緒に腕を振って走ります。

黒木)ご指導しながら走っていらっしゃるということですか?

中田)選手のリズムに合わせて一緒に腕を振って走ります。選手の腕の振りに合わせて、私は手を添えて行くような感じで走ります。

黒木)この、もう少し短めの伴走ロープは何用ですか?

中田)長さが30センチくらいありますが、陸上競技のトラックのなかで競技をするときには、短いのを使うルールになっています。

黒木)もう1つ、持って来ていただいたのは、アジア大会での銀メダル。和田伸也選手のときの銀メダルということなのですけれど、驚いたのは、音がするのですね。

中田)そうですね。金、銀、銅で、視覚障害の人でも「どのメダルか」というのがわかるように音が出るようになっています。金メダルが高い音、そして銅メダルになると少し重い音がなるようになっています。

黒木)これは銀メダルなので真ん中と。

中田)メダルには点字も打ってありまして、それを触ることで、どの大会で獲ったものなのかがわかるようになっています。

黒木)そうなのですね。知らないことがたくさんあるのですね。

中田)パラリンピックのメダルにはそのような工夫がされています。

中田崇志

中田崇志

黒木)2021年は東京パラリンピックが開催されました。中田さんは最初にやられた高橋勇市選手とトライアスロンに目指されたのですけれど、これが残念なことに出場ができなくなったということです。

中田)2004年にアテネのパラリンピックで一緒に金メダルを獲ったのですけれど、高橋選手が「パラリンピックのトライアスロンに挑戦する」というのを聞いて、私も高橋さんのサポートをしたいと思い、世界大会へも行きました。最終的には残念ながら、ランキングが届かなくて出場はならなかったのですけれど、とてもいいチャレンジができたと思っています。

黒木)トライアスロンというと大変なスポーツですよね。

中田)そうですね。1人で3種目すべてやらなくてはならないので、水泳も一緒に泳ぎます。自転車は2人乗りの自転車で、最後は得意のランニングということで、最後に2人で一緒に追いかけるというようなゲームになります。

黒木)泳ぐのときは、どのように伴走するのですか?

中田)足と足を紐で結びます。「伴泳ロープ」と呼んでいますが、泳ぎながらでは、もう実は声が届かないのです。選手は何回腕をかいたかということで、「ああ、いま半分泳ぎ終わったな、4分の3は泳ぎ終わったな」というのを自分で感じています。あとは曲がるタイミングも2人で決めごとがあって、「3回トントントンと私が叩いたら曲がりましょう」と決めています。

黒木)自転車はスピードが出ますよね。

中田)そうですね。

黒木)怖くないのですか?

中田)怖いです。下り坂になると、60キロ〜70キロくらいまで出るのです。

黒木)そんなに出るのですか?

中田)2人で一緒にペダルを漕ぐので、1人のときよりも最高速度が速い感じですね。

黒木)2人の絶対の信頼感のもと、一緒に競技をしているということなのですね

中田)見えないなかで、私の操作に命を預けているので、選手の方が怖いと思います。「無事に2人でゴールしたい」といつも思っています。

中田崇志

中田崇志(なかた・たかし)/ パラ陸上伴走者・パラスポーツメッセンジャー

■1979年・宮城県仙台市出身。
■中学時代に陸上競技を始め、大学時代には日本インカレ・3000m障害で7位入賞。
■東京学芸大学卒業後、NTTデータに勤務しながら、陸上競技を継続。
■2003年にパラ陸上長距離の伴走に取り組む。
■2004年、高橋勇市選手と共にアテネパラリンピックに出場。マラソンで優勝。
■2012年、ロンドンパラリンピックでは、和田伸也選手と共に出場。5000mで長距離立位初となる銅メダルを獲得した。
■2021年の東京パラリンピックでは、パラ陸上にかかわるきっかけとなった橋勇市とともにパラトライアスロンの伴走者として出場を目指した。
■パラ陸上における百戦錬磨の伴走者であり、パラ陸上のスペシャリストである。

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