飲酒中に正気に戻り「急に怖くなる」 〜スキージャンプ選手の複雑なメンタル

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」に国際スポーツジャーナリストの岩瀬よしふみが出演。スキー選手のメンタルについて語った。

【第49回HTBカップスキージャンプ競技大会ラージヒル】 3位の葛西紀明の1本目。143メートルの大会の最長不倒を記録した=札幌市中央区の大倉山ジャンプ競技場 撮影日:2022年01月15日 写真提供:産経新聞社

【第49回HTBカップスキージャンプ競技大会ラージヒル】 3位の葛西紀明の1本目。143メートルの大会の最長不倒を記録した=札幌市中央区の大倉山ジャンプ競技場 撮影日:2022年01月15日 写真提供:産経新聞社

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月10日(月)〜1月14日(金)のゲストは国際スポーツジャーナリストの岩瀬よしふみ。1日目は、スキー選手のメンタルについて—

黒木)岩瀬さんはスキーに関するスポーツジャーナリストの第一人者でいらして、冬季オリンピック、スキー競技の世界選手権など、国内外で長年取材をやってらっしゃいます。まずはオリンピックで行われるスキーのジャンプ競技について教えてください。

岩瀬)スキーのジャンプ競技に関しては、ラージヒルという大きなジャンプ台と若干小さめのノーマルヒルがあります。飛距離にして約120メートルを飛べるものと、90メートルくらい飛べる2つのクラスがあります。個人戦では、女子がノーマルヒル、男子はほとんどがラージヒルです。団体戦もあります。男子、女子それぞれ4人ずつが出場します。

黒木)皆さん、子どものときからやってらっしゃるのですか?

岩瀬)葛西紀明選手の出身地の北海道下川町では、ジャンプ少年団があります。そこには小さな子どものための小さいジャンプ台があるのです。10メートル、20メートル、40メートル、60メートルというように。年齢のよってジャンプ台を選べるのです。

黒木)よくテレビなどでジャンプを観ると、「フワッ」と斜めになるではないですか。スキー板から。あのような基本の練習はあるのですか?

岩瀬)前に1人コーチがいて、腰を持ってあげて、空を飛ぶ格好をします。夏場にもサマージャンプというものがあります。

黒木)サマージャンプ。

岩瀬)人工芝の毛先の長いのがあって、そこに水を撒いて飛べるようになるのです。

黒木)夏でも練習できるということですか?

岩瀬)そうですね。

黒木)選手たちには恐怖というのはあるのですか、ないのですか?

岩瀬)ありますけれども、トップ層の人たちは、もう恐怖は乗り越えています。

黒木)それは練習で乗り越えたということですか?

岩瀬)練習とメンタルですね。原田雅彦さんから、夜にすすき野でお酒を飲むと正気に戻るということを聞いたことがあります。

黒木)お酒を飲んでいらっしゃるのに?

岩瀬)私もその場にいたことがあります。一緒に楽しく飲んでいたのですけれども、急にみんなが黙ってしまうのですよ。「どうしたの」と聞いたら、「怖くなって来た」と言うのです。

黒木)そのような精神状態で皆さま競技をやっていらっしゃるのですね。

岩瀬)お酒飲むと急に「怖い」と言って、1人、2人と帰って行くわけです。そしてみんなが帰ってしまったということがありました。

岩瀬よしふみ

岩瀬よしふみ(いわせ・よしふみ)/国際スポーツジャーナリスト

■1959年生まれ。立正大学文学部地理学科卒業。
■スキー月刊誌・編集長を経て、スポーツジャーナリストとして活躍。
■1998年・長野五輪ではフィランドチームの公式プレスコーディネーター、2007年・札幌世界選手権でフォトコーディネーターを務めた。
■冬季五輪や世界選手権で何度も海外取材。スキーにおけるスポーツジャーナリストとして活躍する日本の第一人者。
■また夏場には大学野球と高校野球、ラグビーやアメリカンフットボールなどの取材活動も行っている。

 

関連記事(外部サイト)