前園真聖〜日本がブラジルに勝って「マイアミの奇跡」を起こせた理由

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、元サッカー日本代表・サッカー解説者の前園真聖が出演。アトランタオリンピックで日本がブラジルに勝った試合について語った。

アトランタ五輪 サッカー 日本-ブラジル ブラジルからの大金星に喜ぶ日本イレブン=1996年7月21日 写真提供:産経新聞社

黒木)今週のゲストは元サッカー日本代表・サッカー解説者の前園真聖さんです。アトランタオリンピックで、ブラジルに勝利したときの勝因は何だったと思いますか?

前園)当時、ブラジルに勝つなんて誰も思っていなくて。

黒木)失礼な話ですけれども、やはりサッカー大国ですからね。

前園)28年ぶりにオリンピックへ出場した日本代表が勝てるなんて、誰も信じていなかったと思いますし、僕らも力の差は感じていました。でも少ないチャンスがあるだろうとは思っていました。そこで、チャンスをものにしようとチームが1つになった結果、相手のミスを誘う形になり、1-0で勝つことができました。シュート数は28本対4本だったのですよ。それくらい押されていたということなのですが、その4本のうちの1本が、相手のミスを誘ってゴールしたのです。いまの日本代表には組織内で当たり前に分析の方やスカウトの方がいらっしゃいますが、当時は確立されていなかったのですね。昨年(2018年)のワールドカップのときの西野監督がこのときの監督だったのですが、自らコーチと一緒に出向いて行って、山のなかから偵察したり、映像を分析してみんなで共有して、2週間くらいずっと見させられました。相手がかなり強いので、欠点がなかなかないのですけれども、相手の少しのスキを全員で共有しました。このときの分析が、あの1点に非常に役立ったのだと思います。

黒木)実際にプレーしていて、「いまだ!」とか「これだ!」と感じる瞬間があったのですか?

前園)シュート数を見ても、自分たちが守備に回る時間が多くあったので、相手のキーパーの前にスペースができる瞬間がありました。そこを早いタイミングで狙って行こうという作戦が功を奏して、得点につながったのだと思います。スタジアムもブラジルの応援だけだったのですよ。日本からも100名くらい来ていたのですけれど、皆さんブラジルのスター選手を見たくて来ているので。けれど前半0-0で折り返したときに、日本が頑張っているな、というようにスタジアムの雰囲気が一気に変わりました。「日本頑張れ」という応援に変わったときに、逆にブラジルの選手たちには焦りが出て来て、その表情がピッチのなかでわかったのですよ。「こんなはずではない」という。前半で3点くらいとって、余裕で進めて行こうというのがブラジルのシナリオだったと思うのですが、逆に焦りが出て来たので、それを続けるということがチームのなかで共有できていました。その通りに試合を運べたのです。

黒木)少しのミスをチャンスに変えようということで、チームワークもよかったのでしょうし、監督もよかったのでしょうね。

前園)そのときに、自分が世界に出たいという気持ちになりました。ピッチでブラジルのトップレベルの選手と初めて対峙したとき、相手のオーラやスピード、技術が、「これが世界レベルなのだな」ということを実際に感じたのです。普段から練習して、一緒に切磋琢磨していないと世界に近づけないし、自分は上達しないということをそのときに感じました。それから、オリンピックが終わった後に、世界に出たいという思いになりました。


前園真聖/元サッカー日本代表・サッカー解説者

■1973年、鹿児島県出身。
■小学校に入る前からサッカーをはじめ、高校では強豪校・鹿児島実業に入学。
■高校選手権に3年連続で出場し、2年生の大会では準優勝を果たした。
■1992年にJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。
■1996年、キャプテンとして出場したアトランタオリンピックで、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こし、日本を代表する選手として広く注目を集める。
■その後は、ブラジルや韓国の海外クラブでのプレーも経験。2005年5月19日に現役引退を表明した。
■引退後は、サッカー解説者・スポーツキャスターなど様々なメディアで活躍。またZONOサッカースクールを中心に子供たちにサッカーの楽しさを伝える。
■私生活では2017年に結婚。ペットはミニブタのセブンと、ペキニーズ&マルチーズのミックス犬・アンジェロ。

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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