パラトライアスロン 2020プレ大会を新行市佳が取材レポート!

ニッポン放送アナウンサーの新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見するための連載企画「パラスポヒーロー列伝」。
今回は、パラトライアスロンについて特集します。

「猛暑日」という言葉を聞く日が多かった8月ですが、まさしくその炎天下の中、8月15日〜18日にかけて来年2020年を見据えたトライアスロンのプレ大会がお台場海浜公園付近で行われました。
今回は8月17日(土)に開催されたパラトライアスロンのプレ大会「ITUパラトライアスロンワールドカップ」の模様をお伝えします。
日本からは車椅子のクラス(PTWC)に土田和歌子選手、木村潤平選手、視覚障害のクラス(PTVI)に円尾敦子選手、運動機能障害のクラスPTS2に秦由加子選手、中山健史朗選手、PTS4に谷真海選手、宇田秀生選手、PTS5に佐藤圭一選手、梶鉄輝選手が出場。
大会前日の16日の午後1時に実施された水質検査で、同日午前5時の検査では基準値内だった大腸菌のレベルが基準値を大幅に越え、ITU競技規則の水質基準でレベル4に上昇したことが分かりました。このことから、大会当日午前3時に開かれた危機管理会議でパラトライアスロンの競技がデュアスロンのフォーマットに変更。
本来のパラトライアスロンはスイム⇒バイク⇒ランなのですが、今回のデュアスロンはラン(2.5キロ)⇒バイク(20キロ)⇒ラン(5キロ)となりました。
デュアスロンになったことについて、木村潤平選手は「こういうことが起こるのがトライアスロンなので、そこに上手く対応するのが選手。」とレース後の囲み取材で語った一方で、自身はスイムから先行してのレース運びを得意としていたため難しいレース展開になったと話しました。
「バイク⇒ラン」だけではなく「ラン⇒バイク」のトランジションがデュアスロンでは必要となるため、早朝にトランジションの詰めの作業を行った選手もおり、当日の早朝に決まった変更点に合わせてそれぞれの選手が冷静にアジャストしていきました。
今大会当日の朝5時30分時点での水温は28.6度。日が昇るにつれて危険な暑さになることが予想されたため、レースのスタート時間を早め、ランコースの給水ステーションの数と競技前後に選手が使用できる空調を施すエリアを増やすなどの措置が取られました。
選手自身もレース直前までアイスベストを着たり、ウォーターローディングをするなど各自対策をして臨んでいたようです。
レースは、車椅子のクラス(PTWC)で土田和歌子選手が優勝、運動機能障害のクラスPTS4で谷真海選手が2位で表彰台に上がりました。
パラリンピック陸上競技に4回出場し、数々の素晴らしい成績とメダルに輝いてきた土田和歌子選手は、得意のランで先行。バイクで抜かれるも再びランで巻き返して粘りのあるレース展開を見せました。
土田選手は「今回スイムがあったら、この結果がどうだったのかなとクエスチョンな部分はあるので。」とレースを振り返り、スイムのさらなるスキル向上に意欲を示しました。
ランとバイクの義足を一本化しトランジションでのロスをなくす工夫をしていた谷真海選手ですが、バイクにフォーカスして強化することを決め、今大会ではその一本化を辞めて臨みました。プレ大会ということで、東京パラリンピックのリハーサルとしての意味合いも大きかったレースについて、「ちょうど1年前に同じコースを走れたのは、コースの確認も雰囲気も暑さも体験できたので有意義でした。」と語りました。
お台場のコースについては、宇田秀生選手「コーナーやターンが多いので、スキルも技術も必要になってくる。」、土田和歌子選手「起伏は激しくなく、フラットなコース。」との印象を受けたそうです。
沿道には沢山の人が集い、選手に声援を送る姿も。
来年を見据えたプレ大会は今後も数多く開催されますが、選手の皆さんや運営の方々が課題や問題を見つけて解決策を模索するだけでなく、私たちも応援のイメージを掴む絶好の機会なのかもしれません。

【新行市佳のパラスポヒーロー列伝 第21回】

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