国内初のブラインドサッカー専用コート開設で「涙が出るほど嬉しかった」日本代表・高田敏志監督

「新行市佳のパラスポヒーロー列伝」
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます

この連載では大変ご無沙汰しています。新型コロナウイルスの世界的大流行により、東京オリンピック・パラリンピックが来年(2021年)に延期となりました。

パラスポーツ界では、感染予防を盛り込んだ競技活動に関するガイドラインが各団体で発表されていますが、緊急事態宣言が出されていた期間、選手達は自宅でのトレーニングや競技を知ってもらおうと、SNSでの発信に力を入れていました。

この「パラスポヒーロー列伝」でも、ブレることなくパラスポーツに関するニュースや魅力を、今後もお届けして行く所存です。

新型コロナウイルスの影響で、延期や中止となってしまった大会が沢山ありました。その1つが、3月16日〜21日まで天王洲公園で開催予定だった「IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2020」。

東京パラリンピックに出場する海外チームも参加する大会で、本番の前哨戦として注目が高まっていました。先日6月19日にオンラインで行われた、「ブラインドサッカー男子日本代表活動説明会」の様子をお伝えします。

高田敏志監督(提供:日本ブラインドサッカー協会)

ブラインドサッカー男子日本代表オンライン説明会の模様をレポート!

自粛期間中、トレーニング面においてはオンライントレーニング週3回、1回1時間程度のフィジカルトレーニングや、ボールフィーリングを中心に行いました。

オンライントレーニングでは、「右足でボールのどこを触って」など、トレーニング内容をしっかり言語化して伝えるようにしているそうです。

また、以前から使っていた選手のコンディションを管理・分析するソフト「ONE TAP SPORTS」で選手の調子を把握(睡眠時間や体温、身体の筋肉の張り具合など)。メンタルコーチが1年延期になった東京パラリンピックに対するモチベーションの変化などを聞き出して、再開したときにどう動き出して行くかを、選手と一緒に考えてサポート。

食事面においては、食事制限をするのではなく食べたいものを食べた上で、想定の範囲内での増減になるように、管理栄養士のスタッフが選手にアドバイスしました。

6月10日からは、1部のメンバーでトレーニングを再開。ソーシャルディスタンスを保つため、1対1やゲームなどのトレーニングは行わず、ボールを足元で扱う技術のトレーニングや、離れた距離からのパス交換など、選手・スタッフも含めて、一定の距離を保つことを意識してトレーニングを構成しています。今後は週2回のトレーニングと、月に1〜2回の合宿を検討している状況だそうです。

6月10日に練習を再開した場所は、新しくできた国内初のブラインドサッカー専用コート「MARUI ブラサカ!パーク」でした。株式会社丸井グループが、ブラインドサッカー日本代表選手の活躍と次世代選手の育成を目的として、東京都小平市花小金井の丸井研修センター内に作りました。

「MARUI ブラサカ!パーク」は、2面設置されており、それぞれ芝の長さが異なるため、出場する大会に合わせて練習を行うことができる施設になっています。

コートの両側にはフェンスが常設されており、丸井グループの研修センター内に設営されているために、電車や車の音が聞こえて来ることもありません。ブラインドサッカーはボールの音、チームメイトの声などを聴いて空間認知をして行う競技なので、音の情報は極めて重要です。

これまで、飛行機の飛行音のために試合が一時中断されるという場面もありましたが、この施設ではそういった心配はいらないということですね。

「涙が出るほど嬉しかった。足を踏み入れた瞬間を一生忘れない」と、ピッチに立った感想を、ブラインドサッカー男子日本代表の高田敏志監督は語りました

オンラインで行われた男子日本代表の活動説明会(提供:日本ブラインドサッカー協会)

新型コロナウイルスの影響で、各競技団体におけるスポンサー企業の撤退や、協賛金の減額が懸念されているとの報道もありますが、ブラインドサッカー協会の松崎英吾事務局長は、スポンサー企業の撤退や協賛金の減額はいまのところはないと説明しました。

今後は安全性に考慮しながら、段階的にメディアの取材対応にも応じるそうです。スポーツ現場における取材の在り方も、今回のオンライン記者会見のように「新しい様式」へと変化しています。

プロ野球は無観客で開幕し、さまざまな工夫がされ、「新しい楽しみ方」が生まれて来ていますよね。元通りというのは現状難しいかも知れませんが、また別の可能性を探ったり……新たな気づきがあるかも知れません。

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