AIを活用して視覚障害の方をサポート……オーカムテクノロジーズの取り組み

「新行市佳のパラスポヒーロー列伝」
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます

左から北澤豪さん、日本ブラインドサッカー協会事務局長・松崎英吾さん、オーカムジャパン日本統括責任者の柳平大輔さん

今回はいつものパラスポヒーロー列伝から少し趣向を変えて、「AIを活用した障害者サポートの可能性」というテーマでオーカムテクノロジーズの取り組みについて紹介したいと思います。

9月10日、「OrCam Dream Team(オーカムドリームチーム)」プロジェクト発足の発表が行われ、取材に行って来ました。

このイベントのなかで、日本ブラインドサッカー協会事務局長・松崎英吾さん、元サッカー日本代表で日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪さん、ブラインドサッカー日本代表強化指定選手の加藤健人選手によるトークセッションが行われました。

オーカムテクノロジーズは、衝突回避システムのリーダーであり、無人運転のイノベーターである「モービル・アイ」の共同創業者アムノン・シャシュア教授とジブ・アビラム氏によって2010年に設立(本社はイスラエル・エルサレム)。2017年に「OrCam MyEye2(オーカムマイアイ2)」というAIを搭載した視覚支援デバイスが発売されました。

そして、テクノロジーを身近に感じてもらい、世界中の視覚障害の人々が直面している問題について、広く一般に知ってもらうことを目的として、今年(2020年)9月10日に「オーカムドリームチーム」プロジェクトが始まりました。

グローバルアンバサダーは、FCバルセロナ所属のカリスマ、サッカーをしている人なら誰もが憧れるリオネル・メッシ選手です。

加藤健人選手

このプロジェクト発足に先駆けて、2月に世界中から十数人の目の不自由な人を募り、スペイン・バルセロナでメッシ選手とのミーティングが行われ、「オーカムマイアイ2」をメッシ選手から手渡されました。

日本からは、ブラインドサッカー日本代表強化指定選手の加藤健人選手がこのプロジェクトに参画し、メッシ選手に会いました(今年5月にブラインドサッカー協会とソーシャルテクノロジーパートナーシップを締結)。

加藤選手は、メッシ選手に会う瞬間まで何が起こるか聞いていなかったそうで、「時間は短かったんですけど、自分自身にパワーが生まれた」と、そのときの感動を語っていました。

また、「練習やトレーニングに行くとき、ウェアを選ぼうとすると、同じような生地のものが多いんです。着たい色があるので、色の確認に使ったりしています。保育園のお迎えのときに自分の子供をなかなか認識できないので、オーカムに息子を登録して判断できるようになるといいなあ」と、「オーカムマイアイ2」の活用の仕方について紹介しました。

実際に体験

実際に私も「オーカムマイアイ2」を体験してみたのですが、自分の目の前に原稿を持って来て、指差しをすると……指した部分から読み上げてくれるのです。しかも、あらかじめ人物の顔と名前を登録しておくと、誰が自分の目の前にいるのかを教えてくれます。

スマートフォンやWi-Fiを必要としないため、個人情報の漏洩などのリスクもないそうです。親指くらいのサイズで眼鏡に装着するので、見た目もスタイリッシュで違和感がありませんでした。

オーカムジャパン日本統括責任者の柳平大輔さんは、「AIとコンピュータービジョンが強みなので、これを活用して障害者が直面する課題に協力したい」と語りました。

また、今後のオーカムテクノロジーズの展望として、「カメラで口の動きを把握して、それに合わせてその人の声だけを拾い、音声を大きくする」など、聴覚障害者のサポートができるデバイスの可能性についても言及しました。

近年、お店や駅などに行くと、AIを搭載したロボットを見かけることが増えて来ました。将来的には駅やお店の混雑の緩和や、仕事の効率化に役立つのではないかと言われていますよね。

AIを活用することで、視覚障害や聴覚障害の方のサポートも可能になって来るのだと、新たな発見がありました。

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