プロ野球「これでいいのか」朝までナマ改革論(1)かなりの選手が出場機会を失う

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 令和元年のプロ野球シーズンは、ソフトバンクが3年連続日本一を果たして幕を閉じた。5年ぶりにリーグ制覇を成し遂げながら屈辱を味わった巨人軍の原監督は「セ・リーグDH導入論」をポロリ。このひと言に球界はザワつき始めた。ならばいっそ、アサ芸が球界大改革を提言しよう。

 屈辱の4連敗で幕を閉じた日本シリーズ終了後、巨人の原辰徳監督(61)は「(セ・リーグも)DH制は使うべきだろうね」と悔しさをにじませた。これに賛否の声が上がっている。全国紙運動部記者が発言の意図を解説する。

「オフシーズンの補強を匂わせる発言です。DH制を敷くことでレギュラーを1人増やせます。暗に打てる選手を補強したいと編成に訴えているのでしょう。オーナー報告の場での発言だったので、球団内外では『言い訳がましくて、みっともない』という声も上がっています。本人はもっともらしいコメントのつもりでしょうが、大敗した直後なので、負け犬の遠吠えにしか聞こえませんよね」

 巨人は今シーズン限りで引退ながらも打棒健在の阿部慎之助(40)を積極的にスタメンで起用し、敵地の第1戦で先制のホームランを放つなど、DHの恩恵を受けた。むしろソフトバンク投手陣が、巨人主催の3戦目以降、不慣れな打席に立って四苦八苦。同シリーズをあらためて振り返ると、決して巨人だけが割りを食ったわけではないだけに、原監督のDH制導入論は「正論」としても歯切れが悪い。

 とはいえ、そもそもセでのDH制導入は近年の交流戦、日本シリーズでパ・リーグがセを圧倒している「セ・パ格差」の現実に後押しされ、すでに方々で意見が出始めていた。9人の打者と対戦するパの投手のほうが鍛えられ、その投手と対戦する打者もまた成長しているという論理である。

 DH制導入による投手のメリットを、プロ野球解説者の江本孟紀氏が語る。

「私が南海ホークスに所属している時にDH制が採用されました。それに伴い、完投をするピッチャーが飛躍的に増えたんです。投球に専念できるので、おのずと先発投手の能力は上がり、勝ち星も増えました。打席に立つこともないので代打での交代はありませんし、そもそも当時は3点取られたくらいじゃ投手交代はしませんでしたよ。いずれにせよ、セ・パで公平性を保ちたいというのであれば、隔年で両リーグ交互にDH制を採用すればいいのではないですか」

 さらには、DH制導入によって10人目の選手がレギュラーとして出場機会を得ることになれば、選手育成にも影響を及ぼすのではないか。

 しかし、その考え方に、現役時代には日本ハムやヤクルトで活躍した野球解説者の野口寿浩氏は異を唱える。

「仮にセでDH制を敷いたとしても、育成に直結するとは言いがたい現実があります。1軍はシーズンで優勝することが至上命題です。DH制を採用しても、勝利優先で外国人起用が増えるだけでしょう。結果、日本人の若手の出場機会を減らすことになりかねません。選手の育成には勝敗を度外視しなくては成り立たない側面がある。36発の本塁打を放つなどしてブレイクした村上宗隆(19)の成長と引き換えに最下位に陥ったヤクルトがいい例です」

 実際にパでは、ロッテのレアード(32)やソフトバンクのデスパイネ(33)のような外国人強打者が各球団のDHに名を連ねているケースが多い。

 来季から古巣の日本ハムに復帰する小笠原道大ヘッドコーチも、セのDH制導入の弊害に同調する。

「本来は投手の打席で行っていた、代打専門のベテランや、試しに打たせたい若手の起用が難しくなりますね。DH制で起用されるのは、打撃に定評のある選手ばかりです。ケガなどのアクシデントがないかぎり、交代はしないでしょう。シーズン143試合で考えてみると、かなりの選手が出場機会を失うかもしれません」

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