原巨人「FA交渉全敗」の全内幕(1)スタッフの裏切りに監督が激高

原辰徳

 過去、FA補強で負け知らずだった盟主・巨人が意中の選手たちから連続でフラれ、苦汁を飲まされた。みずから交渉に出馬した若大将は赤っ恥をかかされたが、その背景には球団内のゴタゴタが見え隠れしている。

 11月15日、楽天の美馬学(33)がFA権を行使してのロッテ入りを発表した。

 美馬を巡っては、ロッテ、ヤクルト、巨人の3球団が獲得に名乗りを上げた。中でも、巨人の美馬への入れ込みようは、例年にも増してハンパなかったという。巨人球団関係者は話す。

「わざわざ4回も移籍交渉を行ったんです。しかも、4回目には原監督が直々に交渉に出向いている。しかしながら先発投手が不足しているチーム事情があるにせよ、そこまで獲得に必死になる選手なのか、疑問の声が上がっていました。中には『どうせ、野上亮磨(32)の二の舞だよ』なんて揶揄する声もあるぐらいでしたから」

 毎年2ケタ勝利を見込めるエース級の派手さこそないが、美馬は投球回数140回を超えるシーズンが4度と、先発完投型の投手が絶滅危惧種と言われる中で貴重な「イニングイーター」としての地位を確立している。とはいえ、スターとは言い難いBランクの選手である。なぜ監督みずから交渉のテーブルについたのか。球界関係者が解説する。

「山口俊(32)のポスティングの影響でしょう。山口は、エース・菅野智之(30)が不調の中、リーグ最多の15勝を挙げ、今季リーグ優勝の立役者と言ってもいい。『調整のため』という口実で一足先にプレミア12の台湾でのオープニングラウンドから帰国しましたが、実は、ポスティングの慰留交渉のためだったようです。球団幹部も意図していないメジャー移籍を容認する契約の文言があったために、山口のメジャー行きを阻止できなかった。とにかく球団は先発の穴を埋めるために、美馬の獲得に躍起になっていました」

 そこまで追い込まれ、必死の対面を果たしながらソデにされたのだから、原監督の面目は丸潰れである。心中は穏やかではなかったようだ。

 一部報道によれば「監督としてきちんと伝えるほうが誤解なく、というか‥‥」と言って報道陣に怒りをあらわにしたという。この「誤解」の部分については、巨人に携わるスタッフの中に裏切り行為を働いた人間がいたとささやかれているのだ。

 その裏切り行為とは、はたして─。

「球団をサポートするスタッフの身内に楽天と近い関係者がいて、『巨人には絶対行かないほうがいい』と、知りうる内部情報を美馬に伝えさせたようなんです。それが原監督の耳に入ったため激高したといいます」(球界関係者)

 過去、FAで巨人に移籍しても伝統球団のプレッシャーや選手間の競争に負けてしまい、本来の力を発揮できずに球団を去るケースがままあった。近いところでは16年オフに移籍してきた森福允彦(33)が、目立った活躍もなく今シーズン限りで戦力外になっている。古くは清原和博、工藤公康、江藤智ら、最後はポイ捨てされることも多かった。

 こうした体質も含め、球団の懸念事項を口添えしたというのだ。

 球団内部に足を引っ張る人間がいるのであれば、編成のタクトを振っている原監督が激怒するのも当然であろう。しかし、球団にとって不利益な情報を流す意図がまるでわからない。

「球団外にも広く顔が利くスタッフなのですが、原監督が復帰して以降、重用されず、おもしろく思っていない反原派の一人だというのです」(球界関係者)

 ところが、裏切り行為の事実そのものが疑わしいとの情報が入ってきたのだ。

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