石川遼の「最速10億円突破」が目立たなかったワケ

石川遼

 国内ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で、石川遼がプレーオフを劇的に制し、ツアー史上最年少となる28歳82日で生涯獲得賞金が10億円を突破した。

 石川は「今シーズンが始まるときから狙っていた」と、以前から“10億円”を視野に入れる発言をしていた。しかし、シブコこと渋野日向子の賞金女王争いが盛り上がっていたため、あまり話題にされなかった。

「石川とプレーオフを戦ったブラッド・ケネディはパットの成功率が高く、強敵です。難しい18番で3度にわたった一騎打ちはじつに見応えがありました」(専門誌記者)

 かつての石川なら「最速10億円」の記録はもっと大きな話題になっていただろう。だが、さほど大きく取り上げられなかった理由は、同ツアーで別の記録も掛かっていたからだ。27歳の今平周吾が3位に入り、2年連続の賞金王に輝いた。27歳で2度目の戴冠は、ジャンボ尾崎以来の快挙。しかも、今平は27歳2カ月と6日で、27歳10カ月余の尾崎を上回った。尾崎という、ゴルフを知らない人でも分かりやすい比較対象がいたため、「今平ってスゴい」と伝わりやすかった。石川の最年少10億円も快挙だが、どれだけ凄いことなのか一般の人にはピンと来なかったのかもしれない。

「女子の賞金女王争いは、渋野が一度絶望的になったものの、ラスト2戦目のエリエールオープンを制し、そこからまた戴冠の可能性が復活した。そんなドラマもあって、最後まで盛り上がった。対して男子ツアーは脇役に回った感じ。最終戦では一気に注目が集まりましたが、そこで逆転優勝するのだから、石川はやはりもっていますね」(同前)
 
 石川は今季開幕戦を腰痛で欠場。日本プロ、セガサミーカップと8月に2勝したものの、ZOZOチャンピオンシップで51位に沈んだあと、3戦連続で予選落ち。どん底にあった調子を1カ月で戻しての復活Vだった。

「ツアーの選手会長としての多忙さなど、人には言えない苦労もあったはず」(同前)

 来季は是非、賞金王という“わかりやすい”タイトルで、マスコミを大いに賑わせてもらいたい。

(スポーツライター・飯山満)

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