江本孟紀が明かす野村克也の「遺言」(終)「次は俺の番か」「そうです」

江本

 共著「超一流」では、歴代と平成のベストナイン選出や、12球団の監督評にチームの将来像、球界への提言、「ベンチがアホやから野球がでけへん」発言の真相まで多岐にわたり語り尽くされた。今季展望を江本氏に聞いてみると‥‥。

 ノムさんとも話しましたが、突出したスターが生まれてこないといけないなと思いますね。それから、12球団ある中でもやはり「あの強いチームを倒すのがウチだ!」とファンの方が思えないとおもしろくない。そういう意味では、やっぱり巨人が強くないと。

 この間、宮崎キャンプでも原監督に言ったんですよ。「頼むから強くなってくれ。俺たち評論家が叩きがいがないから」って。最近は選手がFAを利用して巨人に来ても働かないのも多いでしょ? 金をもらいすぎてね。年俸に応じて働かんと。

 原がいみじくも言いましたよ。「菅野は今年どうなの?」って聞いたら、「いや、あれが働かないと優勝できませんよ。だから、あいつにはいちばん期待してますよ。去年みたいに働かなかったら、あいつの年俸半分にして、それを私と江本さんで山分けすることにしましょう」ってね。菅野の年俸が6億5000万円でしょ。その半分の半分で‥‥「あ、ええなあ」って一瞬思ったんですけど、一応、「待て待て、俺はその10分の1でええよ」と言っときました。

 菅野だけじゃなく、やっぱりピッチャーに期待したい。佐々木朗希もプロ入りしたからには、1年目からバンバン投げてほしいね。ヤクルトの奥川恭伸なんかは、新監督の高津が投手出身だから「早く投げさせたい」と言ってました。それが当たり前なんですよ。

 江本氏は18年に自身の「スキルス性胃ガン」を公表。野村氏亡きあと、球界のご意見番として忖度のない野球評論を続けてほしい旨を伝えると、こんな答えが返ってきた。

 まあ僕はピッチャーなんでね。常に「9回ツーアウト満塁のツースリー」の心境で生きてます。対談の際にノムさんと話したんです。「カネさん、ついに逝ったか。次は俺か」僕もいつもの調子で、「そうですよ、次です」と返した。こんなにすぐとは思ってなかったですけどね。僕は、同じ「育ちの悪い野球人」として「ノムさん、金田さんより先に死ぬのは嫌だな」と思っていたけど、こっちも病気したもんだから、ノムさんも生前は「お前のほうが先だろ」という目で僕を見てましたわ。

 僕のこの願いをかなえてくれて、おふたりとも、すばらしい後輩思いの先輩ですよ(笑)。ゆっくり休んでいただければと思います。

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