ディズニーとカジノ運営大手がしのぎを削るNBA誘致バトルの行方

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 日本のプロ野球やJリーグに限らず、世界中のプロ・スポーツがコロナ禍で試合開催の延期を余儀なくされる中、ラスベガスなどでのカジノ運営を行う大手MGMリゾーツ・インターナショナルが、やはり公式戦が中断しているアメリカ・プロバスケットボールのNBAに、カジノ・リゾートで試合を再開させる案を打診していることが5月2日に報じられた。

 選手や家族、スタッフ、メディアなどの関係者はラスベガスの目抜き通りにあるホテルに宿泊、コンベンションセンターで無観客の中で試合を行い、テレビ中継をする。確かにカジノはIR(統合型リゾート)と呼ばれるように、広い敷地内にホテルや国際会議場、商業・アミューズメント・スポーツ施設などの複合型施設なので設備は充分に整っていて、大型イベントを丸ごと世間と「社会的距離」を置いたまま開催するにはうってつけの場所と言える。そうすれば、感染拡大を抑えながらリーグの再開も可能だ。

 だが同じような情報はわずか数日前にも伝わっていたばかりだ。4月30日にはアメリカのスポーツ専門ニュースサイトが、3月中旬から無期限の臨時休園に入っているフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが同じ考え方から開催地候補として名前が上がっていると報じられた。ディズニー・リゾートならカジノと同じ理由でやはり開催は可能だ。

「試合が行えないNBA側と、休業を余儀なくされて広大な施設で閑古鳥が鳴いている両リゾート施設側の利害はウィンウィンの関係で一致しますからね。再開に当たっての話題性も事欠かない。実はディズニーの名前が上がったのはこれが最初ではなく、4月の上旬にNBAのチームオーナーらの電話会談が行われた際にディズニーのトップも参加していて、開催地の候補に上がっているという情報がもたらされています」(スポーツジャーナリスト)

 一極集中型の開催案はプロ野球のメジャーリーグでも検討された経緯がある。キャンプ地であるアリゾナかフロリダ州ならば野球施設もあって開催可能という案だ。ただ、全30チームが集まるリスクが懸念されており、実現化には至っていない。一方のバスケットボールであれば会場面の問題はクリアできそうだ。

「MGMが有するコンベンションセンターでは24面のバスケット・コートが敷設可能で、うち5つのコートではテレビの中継が可能だということです。一方のディズニーには既に複数のバスケット・コートがありますし、NBAの放映権を持つスポーツ専門チャンネルの『ESPN』のスタジオもあって、どちらにしてもいたれりつくせりの環境が整っています」(前出・スポーツジャーナリスト)

 図らずもNBA開催地をめぐって対立することになったアメリカを代表する両リゾート施設、後で自ら打診したMGMにしてみれば、誘致合戦の対抗意識が高いかもしれない。ただ、いずれの案もNBAチームのホームアリーナでの開催が見込めない場合の選択肢にすぎない。ただ、5月11日にも早々に全面再開する上海ディズニーの中国でもなし、アメリカにおけるコロナ禍の現状を考えれば有力な案とも言えるだろう。

 ちなみに、日本におけるカジノ予定地で、最有力候補の大阪で入札に参加したのもこのMGMとオリックスの共同チームだ。そのMGMは4月30日に「日本への投資を継続し、IR実現に注力する」との見解を示しており、やはり攻めの姿勢を崩していない。

(猫間滋)

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