プロ野球優勝予想「同一カード6連戦」でDeNAとソフトバンクが優利なワケ

写真はイメーシ?

 巨人の坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)の「新型コロナウイルス陽性」という衝撃のニュースが報じられたのは6月3日のことだった。プロ野球シーズンが到来しようとしているが、選手の調整不足、過密日程、コロナ対策など問題は山積み。身をもって今季の混乱ぶりを知る事情通たちが匿名を条件にリモート集結し、今シーズンの展望を語り尽くした。

─いよいよ延期されていたプロ野球の開幕日が6月19日と発表されました。

A(スポーツ紙デスク) 正直、6月に多少の練習試合があるとはいえ、投手も野手もみんな「ぶっつけ本番」で開幕だよな。

B(スポーツ紙ベテラン記者) リーグは違うけど、緊急事態宣言ギリギリまで全体練習してた広島と5月の連休明けにようやく自主トレ用に球場を開放した楽天とじゃ、調整の出来に雲泥の差が出るはずだよ。

C(テレビ中継スタッフ) 結局、NPBが球団ごとの練習格差にメスを入れることはありませんでした。たった2週間の練習試合でどこまで差を埋められるか。

A まぁ、報道陣もコロナで球場から締め出されていたから、練習の様子を自分の目で確かめることはできなかった。もしかしたら、個別練習と偽って紅白戦なんかの全体練習をやったチームもあったかも‥‥。

B そうそう、取材も苦労したな。選手と接触できないし、オンライン取材に応じてもらっても各社横並びだから独自ネタにはならない。おまけにテレワークになったりで、しかたがないから選手に直電で話を聞くんだけど、球団から取材に応じないよう言われてるから、紙面には載せられなかった。

A そうした話であれば、世間と同様に野球マスコミも仕事が冷え込んだな。結果、カメラマンをリストラ対象にする新聞社が増えたって。

B 話を開幕に戻すけど、真剣勝負から遠のいたせいで、選手の実戦感覚はないも同然。特に野手は、打撃の感覚を取り戻すのにひと苦労するよ。しばらくは、今の気候さながらの湿っぽい打線になりそうだね。

C そんな中、コロナ対策として移動を減らし、短い期間での消化を目的に、同一カード6連戦という変則日程が検討されています(5月29日現在、以下同)。そうなれば打者は出遅れるし、6勤1休がマストになれば投手の酷使は避けられない。スタートダッシュは比較的安定した先発投手が6枚用意できて、しっかりした中継ぎと抑えの枚数を持つチームが圧倒的に有利でしょう。

A セは昨年の覇者・巨人が菅野智之(30)以外に先発のメドが立っていない。一方で、左腕を中心に5番手、6番手まで用意できるDeNA、そして外国人も含め救援陣に厚みのある広島が抜け出しそうだな。

D(パ・リーグ関係者) パはソフトバンクがダントツでしょう。千賀滉大(27)が開幕に間に合わなくても、先発は有り余っています。後ろも甲斐野央(23)がキャンプ中に離脱しましたが、モイネロ(24)と森唯斗(28)に加えてサファテ(39)も戻ってくるので万全の態勢です。

A 3連覇を狙う西武はどうだ?

D 開幕をニール(31)で落としたら、他に計算できる先発ピッチャーがいません。ヘタしたら松坂大輔(39)が3番手とも言われています。

E(スポーツライター) 先発のコマでいえば、則本昂大(29)、岸孝之(35)、そして今年から先発に転向する松井裕樹(24)と3本柱をそろえている楽天も侮れません。昨年はロッテで井口資仁監督(45)、鳥越裕介ヘッド(48)とソリが合わず移籍してきた涌井秀章(33)は未知数ですが、本来の力を発揮できれば大きな力となるでしょう。

D ダークホースはロッテですね。通常のシーズン開幕であれば5〜6月の交流戦でデビューさせようとしていた佐々木朗希(18)が開幕に間に合います。ブルペン投球を見て、すでにパの投手陣の中でもトップ級の実力という評価も出ている。相手の5〜6番手と投げ合っていれば勝ち星を拾っていくでしょう。

F(スポーツ紙遊軍記者) シート打撃でも160キロ投げていたもんな。でも、佐々木は動作解析で自身の体を知り尽くす筑波大教授の進言で入団時に「イニング制限」の契約をしている。井口監督も明言していたけど、1年目は50イニング程度しか投げないのならば、活躍しても途中で離脱じゃないのかな。

D もちろん、懸案事項です。でも、チームが優勝争いするような燃える展開になれば話は別でしょう。何より今、佐々木本人が投げたがっているんですよ。中6日を中10日にしたり、無理はしない程度に登板させるんじゃないでしょうか。

A ところで、王者・西武が苦しそうだな。

B 例年は暑くなって疲れもたまってきている6月頃から調子を崩す選手が出てくる。夏場にサウナと化す西武ドームを本拠地とする西武は、その「耐性」が対戦相手に対するホームアドバンテージだった。それが今年は開幕して5週間ですぐに8月。相手にもまだ余力があって、勝手が違ってくるだろう。

─では、開幕遅れの一番の被害者は西武になりそうですか?

B いや、一番は阪神だな。セは3チームが密集している関東圏での開幕が濃厚。阪神は、開幕しても2週間ほどビジターが続くと言われている。

E 自宅から通える関東の球団が有利なのは否定できない。遠征が続くとなかなか疲労も抜けず、調子も上向かないですから。

A それにしても、4カ月強で120試合の消化はハードだな。交流戦や球宴での休暇すらない。

E 選手会からの反発が予想されますが、シーズン後半戦にはダブルヘッダーも辞さないほどの状況で、カツカツの日程です。でも、シーズンを成立させるには、120試合消化がマスト。でないと、成績は公式記録ではなく参考記録に格落ちしちゃいます。

A 記録には注釈が付くとも言われているけど。いずれにせよ、強行日程の今季は1〜2軍の戦力をフルに使った総力戦になる。新人監督よりも経験値の高い監督に分がありそうだ。

F ただ、それだけ無理して戦っても無観客でスタートして、7月10日から上限5000人の観客を入れるといっても明らかに収入は大幅減。8月には球場の収容人数の半分まで入れていいことになっているけど、チケット収入がその程度では球団の赤字は確定。活躍しても年俸が上がる保障はない。選手のやる気にも直結するし、メジャーみたいに年俸闘争が起こるか。

B 各チームの収益が何%減か算出して、NPBから選手サイドに泣いてもらうよう要請するしかないだろう。

A 実入りがなければ出せるものもない。

C 新たに年俸固定型の複数年契約を結ぶことはなくなるかもしれません。あまりにもデメリットが大きいと、今回判明しましたからね。

B 大打撃を受けるのは、今オフにメジャー挑戦を目指す選手たちも同様だよ。菅野とか千賀とか別格の評価を受けていればまだしも、例えば日本ハムの西川遥輝(28)や有原航平(27)など、前評判でもとりわけ注目されているわけではない選手にまで目が向く状況じゃないからね。

A メジャー自体が、減額する「年俸問題」で1カ月近くモメている。減額を拒否している選手もいるぐらいだから、海外から来るやつに金を払っている場合じゃない。たとえ別格の評価を受けている選手でも、大型契約は難しいだろうね。

─日米関係なく、球界の懐事情はお寒いかぎりですね。さらに、ゾクッとするのが秋口に懸念される新型コロナウイルスの第2波、第3波ですが‥‥。

C 順調に規制が緩和されれば、9月頃に入場制限が解除されて、球場は満員御礼を迎えるでしょう。ただし、同じタイミングでコロナが再流行する可能性は否定できません。球場内で未曾有の感染クラスターを形成するおそれがあります。

B 潜伏期間もあるから、感染で騒がしくなる頃には打つ手なしで手遅れだろうな。延期した東京五輪への影響も避けられない。

A ソフトバンクが12球団に先立って抗体検査を実施した。続いて巨人が抗体検査の実施を発表したように、コロナ対策は球団ごとの裁量に委ねているのが現状だ。

B 命に関わる問題だけに、NPBが音頭を取って球界のコロナ対策に取り組んでもらいたいけど、動きが鈍いよな。

F コロナの影響は、スカウトマンにも及んでいるよ。みんな「仕事にならない」と嘆いている。学校に連絡しても「来ないでください」って。全国のどこを飛び回ってきたかもわからない人間を校内に入れるのはリスクが大きいってわけだ。

A そうなると、ドラフト上位はある程度、しぼり込みができているとしても、3位以降はスカウト個人の思い入れで獲るしかないのでは。肝心の試合も行われていないんだから、複数のスカウトによるクロスチェックができない。だから、スカウトの腕の見せどころではあるね。

F 通常、スカウトがこれはと思う選手に張りついたら、練習以外にも率先して道具の片づけをするなど性格面なんかも見て「チームにフィットすると思います」と球団に報告。さらには、不調時にリカバリーしようとする姿勢などもチェック項目になる。今季は細かいチェックができていない分、スカウトの技術に関して、3〜5年後に答えが出てしまうだろう。

A 近年、ドラフトの結果が出ている広島、DeNA、西武などは今季も将来のレギュラーを捕まえてくるかもしれないけど、他球団が動いているからという理由で獲りにいってはクジを外す阪神や中日は厳しいかもな。

─原辰徳監督(61)が提言していた、プロ、大学、社会人が視察する高校生のトライアウトはドラフトに影響しそうですか。

B 巨人の球団内で実現に向けて動き出しているらしいな。だけど、期待しすぎちゃいけないよ。参加を考えている高校生は特にね。

F すでにドラフトに指名予定の高校生はリストアップされている。加えて、有名私立大学も甲子園常連校とのコネクションがあるから、選手集めに苦労していない。コネのない高校生には絶好のチャンスかもしれないけど、その受け皿になるのは、推薦枠が無限にある地方の私立大学や、よくて独立リーグだろうな。

A 上のカテゴリーで野球を続けたい高校生は、ドラフト上位候補でないかぎり、受験勉強や就職活動にシフトしたほうがよさそうってか。学校休校中は外出を自粛させられて、ろくな練習もできていないだろうし、かわいそうな年だな。

B 外出自粛といえば、阪神の藤浪晋太郎(26)のコロナ騒動のせいで、プロ野球選手たちも寮や自宅に缶詰めだったようだな。感染発覚の当初、「よくぞ名乗り出させた」という流れを作って乗り切ろうとした阪神も、感染源が複数選手に及ぶ男女の濃厚接触パーティーだとバレ、11球団から猛バッシングだった。その後、練習に遅刻して2軍落ちした藤浪は自業自得だな。

F 外出ではないとはいえ、自宅待機が通告されている中、西武の森友哉(24)が一般女性を自宅に連れ込んでマッサージをさせたことも発覚。濃厚接触した醜聞が写真週刊誌「FLASH」に報じられた。

D 森は結婚願望が強くて、昨年には彼女ができたとの噂もありました。それだけに、本命ではないと思われる女性を連れ込んで密告されるとは‥‥。

C 時期が時期だけに、球団には厳重注意を受けたみたい。それでも、発売日には「森友哉を慰める会」と称してチームメイトからイジられていましたよ。「家まで連れ込みながらヤレない詰めの甘さは森らしい」とか「用心深くないところがリードにも出るんだ」とチームの娯楽になっていたともっぱらです。

D 幸いにして森は自粛期間中も練習はきちんとこなしていた。私生活でも仲がよく「お前の嫁は俺が見極める」と話している山川穂高(28)とはマンションも一緒で、合同トレをしていたようです。

A おっとどっこい、選手同士の濃厚接触はおとがめなしなんだな。

C 無事、シーズンも始まるようですし、そこは大目に見ましょうよ(笑)。前代未聞のシーズンが始まります。

A(スポーツ紙デスク)/B(スポーツ紙ベテラン記者)/C(テレビ中継スタッフ)/D(パ・リーグ関係者)/E(スポーツライター)/F(スポーツ紙遊軍記者)

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