【はじめて卓球部顧問になったあなたに】保護者への対応で困ることってありますか?

石川県金沢市で、卓球専門店の腕利きスタッフとして働く西東輝(さいとうあきら)さんの元には、日々、北信越一帯の卓球部顧問の先生からの相談が舞い込んできます。

西東さん自身、大学時代に全日本学生選手権ダブルス3位に入るほどのプレーヤーでしたが、それ以上に、実に幅広い層への技術指導が深いことが特徴の指導者です。

今日もお願いします。(編集:槌谷昭人)

西東輝さん
写真:金沢市の卓球専門店で接客する西東輝さん/提供:本人

質問

質問「保護者への対応で困ることってありますか?」
写真:質問「保護者への対応で困ることってありますか?」/作成:ラリーズ編集部

保護者への対応で困ることってありますか?

回答

西東さんの回答「大会の申し込みなど伝達事項の不備です」
写真:西東さんの回答「大会の申し込みなど伝達事項の不備です」/作成:ラリーズ編集部

大会の多い競技、卓球

卓球は大会が多い競技です。
私自身も60名ほどの選手がいるチームの運営をしていますが、例えばこの4月は、8つのイベントの申し込みがありました。

卓球連盟への登録、ゼッケンプリント関連、大会申し込み、講習会申し込みなども含めてです。

全国百万石オープン卓球大会
写真:石川県金沢市で開催された「全国百万石オープン卓球大会」の会場/提供:本人

提出しない生徒、そもそも忘れている生徒、保護者に伝えていない生徒などは確実にいるので、それを計算して早め早めに伝達しますが、それでも提出物が揃うのはぎりぎりになるものです。

早く提出している生徒の保護者の方からは「まだ連絡が来ない」と申し込み期限前に連絡が来て、対応に追われる先生方がいらっしゃいます。

申し込みに伴う提出物には、口を酸っぱくして生徒たちに伝えていくほうが良いと思います。

「大会スケジュールを事前に把握したい」

年間スケジュールを把握したいという保護者の方のご要望もよく頂きます。

公式大会は予定が出ていますが、練習試合はなかなか事前に確定させることが厳しいのも実情です。

「うちの顧問は予定を出すのが遅い」という不満をよく耳にしますが、難しい面があることを保護者の方にもご理解頂きたいなと思います。

中学部活あるある「顧問ではなく担任に渡してしまう」

「先生に発注書は渡してね」と生徒に伝えると、顧問の先生ではなく、担任の先生に渡してしまうケースもありました。

担任と顧問の連携がうまく取れず、一人だけ発注が来ずに「発注したのに商品が来ない」というクレームが、保護者の方から私のところに来ました。
私たちとしては、まさか担任の先生が持っているとは思わないので「こちらにはまだ発注書が届いていない」と言うしかありませんでしたが「納品管理がずさんだ」と電話越しに怒鳴られました。

「今日、息子が部活動でおたくの西東さんという方に玉突きや握り方などを教えてもらい、卓球が好きになった、頑張ると喜んでいる。そういう良いスタッフさんもいるのに、なぜあなたはそんな雑な仕事なんですか!」と言われたので「実は私が西東です、納品業務も練習相手も全て私が担当しました」と伝えたら、先方が逆に謝ってくれて、お礼を言われました。

その後、担任の先生が持っていたということがわかったのです。

それ以降、私は必ず生徒に「顧問の先生に渡してね」と言うようにしています。

一年後のサイズ交換依頼

卓球専門ショップの店員としては、驚いた事例を2つご紹介します。

「シューズのサイズが合わなかったのでサイズ交換していただけませんか」と言われて対応してみると「一年前に購入されてボロボロになるまで使用し、成長して小さくなっただけ」でした。

私たちは“サイズ交換できます!”というのが売りだったので、その点を逆手に取ったケースでした。
一般常識ではなかなか考えられない話ですが、現実にあった話です。

採寸後「ネットで買います」

二つ目は「チームでウェアを揃えて購入したいからカタログを持ってきてほしい」と依頼を受けたときの話です。
無料サービスで練習も行いました。
商品が決まり、実際にサイズ見本を用意して採寸を行い、価格を提示したところ「ネットのほうが安いのでネットで買います」となりました。

私たちが甘いと言えばそれまでなのです。
ですが、地域密着の商売では、練習相手の無料サービス、サイズ採寸、納品、集金、サイズ交換と、販売してから集金までに、多いときで5回訪問します。

非効率かもしれませんが、それが地域密着のショップの販売方法であり、インターネット販売という価格競争に対抗しながら生き残るスタイルです。
しかしながら、そこまでの過程を鑑みずに「販売価格」ということだけ見られてしまうと、3割引きでも驚かないインターネット販売に勝てる方法はありません。

顧問の先生に迷惑はかけられない

上記2つの事例については、ご要望通り対応しました。
なぜか。
間に、顧問の先生が入っていたからです。
保護者→顧問→私、という順番で来た依頼の場合、顧問の先生にご迷惑をかけるわけにはいかないのです。

顧問の先生も、言ってみれば被害者であり、普段なんのうまみもないのに僕らの代わりに集金をしてくださったり、説明をしてくれています。

そのような事例のたびに、書類やチラシ、仕事の詰めの甘さに気づきをもらって、改良してきました。
今では、顧問の先生から「仕事が減って、少し楽になった」と、お褒めの言葉も頂くようになりました。

“年間100回の練習無料訪問”で対抗

現在は、自分の足と無料指導でネット販売に対抗するため、「年間100回の練習無料訪問」を行っています。
ただ、中学生は私のことなど知りませんし、正直部活動レベルだと、男子では水谷隼さんと張本智和選手しか知らない生徒が大半です。

“僕が練習相手するよ”と子供たちに声をかけると「偶数なので結構です」「僕たち本気で卓球してるから、スポーツショップのお兄さんの練習相手している暇ない」と断られるケースも、年2、3回はあります(笑)。

西東輝
写真:指導を行う西東輝さん/提供:本人

文:西東輝

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