【卓球】東京五輪団体戦シード争いの鍵 オリンピックランキングとは

写真:リオ五輪団体で銅メダルを獲得した福原愛さん、石川佳純、伊藤美誠/撮影:YUTAKA/アフロスポーツ

団体戦のシード権を決めるのは「オリンピックランキング」

東京五輪まで一年、卓球は個人戦と団体戦が開催される予定だ。

五輪で日本の最大の敵となるのは男女ともに中国であることは間違いない。

その中国と団体戦で対戦することを考えたときに、重要な要素がシード権だ。五輪団体戦のシード権はITTF(国際卓球連盟)が定める「オリンピックランキング(Olympic Rankings)」をもとに決定される。

日本は男女ともに現在2位(1位は中国)、このままいくと第2シードを獲得し、中国とは決勝まであたらない組み合わせで大会に臨むことができる

このオリンピックランキングは、やや特殊な方法で算出される。

団体スポーツの世界ランキングであるFIFAランキング(サッカー)やWBSCランキング(野球)などは、各国代表チーム同士の対戦結果をもとにポイントを付与する仕組みだ。ユース世代の代表戦にもポイントがついたり、試合の重要度に応じて獲得ポイントが変化するなどそれぞれ工夫がなされている。

対して、卓球の団体戦ランキングであるオリンピックランキングは、上記のように代表チームの対戦結果をもとにランキングづけされるものではない。

その集計方法を具体的に確認してみよう。

オリンピックランキングの算出方法

張本智和(木下グループ)
写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

オリンピックランキングの算出に使われるのは、個人の世界ランキングだ。

1. 各国の世界ランキング上位3選手を選出
2. 上位3選手でオリンピックを戦うこと仮定し、団体戦のシミュレーションを行う
3. 試合結果は、ランキング上位選手が勝利するものとする
4. 上記のシミュレーションの結果、勝利したチームがランキング上位となる

わかりやすく実際のランキングをもとに考えてみよう。

ティモ・ボル(ドイツ)
写真:ティモ・ボル(ドイツ)/撮影:ittfworld

仮に、男子日本代表とドイツ代表のランキング付けを行うとする。

まずはじめに、両チームの世界ランキング上位3選手を確認する。

日本は張本智和(8月世界ランキング5位)、丹羽孝希(同10位)、水谷隼(同14位)。ドイツはティモ・ボル(同8位)、ドミトリ・オフチャロフ(同11位)、パトリック・フランチスカ(同15位)。この6選手が五輪団体戦を戦うと仮定し、オーダーを組む。

オーダーの組み方は規定されており、以下のような試合オーダーとなる。

@丹羽・水谷ーオフチャロフ・フランチスカ
A張本ーボル
B水谷ーフランチスカ
C張本ーオフチャロフ
D丹羽ーボル

丹羽孝希(写真・左)と水谷隼
写真:丹羽孝希(写真・左)と水谷隼/撮影:ラリーズ編集部

この仮想オーダーで試合をシミュレーションする。全ての試合で世界ランキング上位者が勝利すると仮定するため、試合結果は日本4-1ドイツとなり、オリンピックランキングは日本がドイツより上位となる。

※ダブルスの勝敗は、2選手が個人で保有するオリンピックランキングのポイントを合算したものを使用して判定される。日本ペアは、丹羽:11,200、水谷:10,195の合計:21,395、ドイツペアは、オフチャロフ:10,763、フランチスカ:10,095の合計:20,858のため、日本ペアの勝利となる。(ポイントは2019年8月時点のもの)

この仮定を全ての国に対して適用し、勝利チーム順に並べたものがオリンピックランキングとなる。

男女ともに2位を守れるか

リオ五輪団体銀メダルを獲得した水谷隼、丹羽孝希、吉村真晴
写真:リオ五輪団体銀メダルを獲得した水谷隼、丹羽孝希、吉村真晴/撮影:ロイター/アフロ

このランキング決定方式では、3人目の選手のランキングも重要になってくる。日本は、男女ともに20位以内に3人以上がランクイン。国際大会に積極的に出場し結果を残していることも奏功し、やや優勢な状況だ。

1位中国を抜くことは厳しいが、ランキング2位で五輪本番を迎えることは十分に可能といえる

シングルス代表2枠を懸けた世界ランキング争いも熾烈を極めている。ハイレベルな代表争いが繰り広げられることで、団体戦のシード権もより盤石なものとなっていくはずだ。

文:石丸眼鏡

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