【東京五輪】序盤戦の金メダル候補を一挙紹介 第一号は誰か?

【東京五輪】序盤戦の金メダル候補を一挙紹介 第一号は誰か?

誰が金メダル第一号に?

 いよいよ始まった東京五輪。大半の試合は無観客で行われる、前代未聞の大会を如何に楽しむべきか。スポーツライターの小林信也氏が競技の見どころや試合結果を踏まえ、随時レポートする。

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 東京オリンピック開幕。今回は異例の無観客。「人流」を心配する声が大きかったが、国民すべてが「テレビ観戦」以外に競技を見る方法はない。17日間、多くの国民が東京オリンピックをテレビで楽しめば、人流も抑制され、効果的なコロナウイルス感染対策になるだろう。というわけで、これからどんな競技、どんな選手に金メダル獲得の期待があるのか。まずは一挙に「金メダル候補」たちを紹介しよう。

 開会式前から競技が始まっている、女子ソフトボール、男女のサッカーはもちろん、金メダルを目指して戦う。その確率は、高いとはいえない。女子ソフトボール、女子サッカーはいずれもアメリカが圧倒的に強い。この難敵をどう倒すか。男子サッカーはスペイン、ブラジル、フランス、アルゼンチンなど強豪ぞろい。フランス、メキシコ、南アフリカとグループリーグを戦う日本は、最初から厳しい戦いに挑むことになる。

 金メダル第一号は誰になるのか?

 24日、柔道女子48キロ級に出場する渡名喜風南がその最右翼か。これまで日本は夏冬のオリンピックで計499個のメダルを獲得している。もし渡名喜が最初にメダルを獲れば、これが500個目となる。

 23日から競技が始まるアーチェリー。中でも今大会から採用される「アーチェリー混合団体」は、「最も金メダル獲得の可能性が高い」と、メダリストの山本博さんも言う。混合団体は、あらかじめ選手が決まっていない。最初に行われる個人のランキング・ラウンドで各国男女で1位になった選手が代表になる。しかも、国別に集計したスコアが上位16位の国だけが出場できる。日本は男子・古川高晴(ロンドン五輪銀)、女子・早川漣(ロンドン五輪団体銅)らに期待。

 柔道男子60キロ級の高藤直寿はもちろん金メダルを狙っている。世界選手権では3回の優勝を重ねている。リオ五輪で銅メダルに終わった悔しさを抱えて5年間過ごしただけに、今大会にかける思いは強いだろう。

 24日から競技が始まるバドミントンは、今大会でメダルラッシュを期待される注目の競技のひとつだ。

 男子シングルスは桃田賢斗。世界ランキング1位で臨むオリンピック。前回も金メダルを期待されながら不祥事で出場できなかった。復活後も海外での交通事故といったアクシデントがあり、厳しい試練が続いた。待ちに待ったオリンピックの舞台で輝く姿を多くのファンが待ち望んでいる。


■柔道は「続々」と予想


 女子シングルスは世界ランキング3位の奥原希望と同5位の山口茜がいずれも金メダル候補と言っていいだろう。リオ五輪で銅、2016全英オープンで優勝している奥原への期待が高いが、私は山口茜の飄々とした闘いぶり、相手の動きや攻撃を予め読んでいるプレースタイルに心を惹かれる。両者の対戦成績は奥原11勝、山口8勝。どちらが金メダルを獲っても不思議ではない。リオ五輪では準々決勝でふたりが対決、奥原が勝ってメダルを手にした。東京大会も組み合わせが発表され、二人は順当なら準々決勝で対戦する。本当は決勝での対決を期待したが、いずれかが準決勝に進出するということは、日本のメダルひとつ獲得の可能性が高くなったともいえる。

 リオ五輪でタカマツペアが金メダルを獲得して話題となった女子ダブルスは、日本勢同士の決勝対決の金メダル争いが期待されている。6月時点の世界ランキングで、福島由紀・廣田彩花のフクヒロペアが1位、松本麻佑・永原和可那のナガマツペアが2位。世界選手権ではナガマツペアが2018、2019と連覇を飾っているが、昨年12月の全日本総合選手権ではフクヒロペアがナガマツペアを破って優勝している。オリンピックの金メダルを日本人ペア同士が争う姿を見たい。

 柔道は、続々と金メダル候補が登場する。

 25日は、注目の阿部兄妹が登場。男子66キロ級の阿部一二三、女子52キロ級の阿部詩(うた)。兄妹同日金メダルが実現するか。阿部は丸山城志郎との緊迫した代表決定戦に勝ってのオリンピック出場。ライバルの思いも携え、負けられない。

 さらに、男子73キロ級はリオ五輪の覇者・大野将平、男子81キロ級は永瀬貴規、男子90キロ級は向翔一郎、男子100キロ級のウルフ・アロン、男子100キロ超級の原沢久喜まで、すべてメダルそして金メダルを期待されての出場だ。女子は57キロ級の芳田司、63キロ級の田代未来、70キロ級の新井千鶴、78キロ級の浜田尚里、78キロ超級の素根輝。そしてもうひとつ、今大会から採用された柔道混合団体での金メダルは確実と見られている。今年6月に開催された世界選手権の混合団体で日本は4連覇を果たした。五輪代表を温存しての優勝。全種目を通じて、最も金メダル確率の高い種目といってもいいだろう。混合団体は柔道競技の最後を飾る7月31日に予定されている。この種目で優勝し、柔道だけで7個の金メダルは獲れるだろうと期待されている。

 25日には新種目のサーフィンが始まる。男子はカリフォルニア生まれの五十嵐カノア、女子はハワイ生まれの前田マヒナに期待。五十嵐カノアは2018ワールドゲームズ準優勝のほか、カリフォルニアのプロ大会で数々の優勝を果たしている。今大会でも金メダル候補のひとりだ。

 競泳も24日夜には予選が始まり、25日の午前には最初の金メダルが決まる。

 日本最初の期待は男子400メートル個人メドレー。リオ五輪で金メダルを獲得した萩野公介が連覇を狙って登場する。リオ五輪の後、一時競技を離れるなど苦しい時期を越えて、萩野がどんな泳ぎを見せるのか、注目したい。

小林信也(こばやし・のぶや)
1956年新潟県長岡市生まれ。高校まで野球部で投手。慶應大学法学部卒。「ナンバー」編集部等を経て独立。『長島茂雄 夢をかなえたホームラン』『高校野球が危ない!』など著書多数。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月23日 掲載

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