ゴルフ・日本オープン史上初快挙目前で大逆転負けした「限界選手」

ゴルフ・日本オープン史上初快挙目前で大逆転負けした「限界選手」

塩見好輝(公益財団法人 日本ゴルフ協会HPより)

 もしガラスの靴が割れていたらシンデレラにハッピーエンドはない。現実世界にはそんな“不幸なシンデレラ”が数多いるのだろう。

 ゴルフ記者でも聞かない名前だという塩見好輝(こうき)(29)は、プロ7年目。昨季の下部ツアー獲得賞金は243万円。シード権も夢また夢の“限界選手”である。

 そんな塩見が、ゴルファーの晴れ舞台「日本オープン」で、予選会から這い上がって本戦出場を果たした。

 まるでシンデレラボーイの舞踏会。しかも、塩見は3ラウンドを終え2位に4打差の単独首位に立ったのだ。“予選会から日本オープンV”なら史上初の快挙だ。優勝賞金は4200万円。彼がプロ6年間で稼いだ賞金総額3700万円を上回る。

 NHKが生中継する最終ラウンド。13番で塩見はバーディを奪って、2位に4打差の独走態勢に入る。

 ところが、14番パー4でダブルボギー。ただ、それでも2位とは2打差。塩見もまだ落ち着いていた。

 シンデレラボーイのガラスの靴にヒビが入ったのは15番パー4。第2打がグリーンをこぼれてバンカーに。そこから第3打をミスショットするなどしてトリプルボギーとしてしまったのだ。

 さすがに首位から落ちた塩見だが、優勝争いには踏み止まっていた。16番をパーとした塩見を含めて3人が首位に並んだ。

 しかし、17番パー3。ここでも塩見はミスを連発。再びトリプルボギーを叩き、首位に3打差の5位タイに転落。ガラスの靴は粉々になった。最終18番もボギーとし10位タイ。獲得賞金は383万円に終わった。

「15番から完全にキレていましたね。15番か17番の一方をボギーでしのいでいれば、4位タイで賞金966万円。今季の通算賞金総額が、昨季のシード権獲得ラインを突破し、待望のシード権をたぐり寄せられたのですが……」(ツアー記者)

 塩見が再び舞踏会で踊る日は来るのか。

「週刊新潮」2019年10月31日号 掲載

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