W杯で増加「にわかラグビーファン」を定着させるには “企業の部活”からの脱却が課題

ラグビーW杯で増えた"にわかファン"定着させるには“企業の部活”からの脱却が課題

記事まとめ

  • ラグビーW杯で増えた"にわかファン"の定着には、日本がより強くならなければならない
  • 日本ラグビー協会副会長の清宮克幸氏が陣頭指揮を執るプロリーグ設立はその一環だそう
  • プロリーグ成功のために必要なのはレベルの高い外国人をもっと連れてくることだという

W杯で増加「にわかラグビーファン」を定着させるには “企業の部活”からの脱却が課題

W杯で増加「にわかラグビーファン」を定着させるには “企業の部活”からの脱却が課題

ラグビー日本代表を応援するファンたち

 瞬間最高視聴率は今年最高の50%超え。ブームによって増えた「にわかファン」を定着させるには、日本がより強くなければならない。日本ラグビー協会副会長の清宮克幸氏が陣頭指揮を執るプロリーグ設立はその一環だ。要諦は「今年11月に参加チームを募集、目指すのは21年秋の開幕、W杯日本大会の開催12都市を本拠地とし、放映権料を収益の柱とする」といったものだ。担当記者の分析。

「これまでのトップリーグは、有名企業のお偉方らが、“ウチの社が良い結果を残して、日経新聞に載ったぞ!”“トヨタに勝ったぞ。社員みんなの勝利?”と喜ぶ類のものでした。つまり、企業の部活の延長、という位置づけです。プロリーグ成功のために必要なのは、レベルの高い外国人をもっと多く連れてくること。現在、各チームに所属する選手が50人なら外国人は10人程度で、皆が良い選手とは限りません。それでは日本の選手の強化にならないし、放映権だって海外に売れず、儲かりません。プロスポーツの収入の主な柱は、チケットと放映権の売り上げですから」


■スターが所属しやすい日本


 Jリーグを成功させた元チェアマンの川淵三郎氏もこれに同調し、

「ラグビーはサッカーやバスケットと比べて、日本のチームに世界的なスターが所属しやすい条件が整っている。南半球など、シーズンがズレている地域だったら、日本のリーグとの掛け持ちができますから。世界のトップクラスでも、1億円くらいの年俸で来てもらえる。むしろ、向こうから来たがっている。世界的なスターを呼ぶためのスポンサーも、ラグビーのOBには経営者が多いし、今回の活躍もあるから期待できる」

 目下トップリーグの各チームは年間15億円ほどで運営されている。一部はチケット代で賄えるものの、その多くはオーナー企業からの“ヘルプ”だ。

「ラグビーがプロ化して運営予算が増えたとして、20億円規模のスポンサーを集められるか否かがポイントでしょう。サッカーはJリーグが始まる前は、1チームあたり5億円程度の運営予算しかなかった。それがJリーグが始まると、様々な収益が膨らんだこともあって、一気に25億円くらいの規模になりました」(同)

 成功の秘訣については、

「プロ化は、各地にホームスタジアムを準備して、ホームタウン制度をどう根付かせるかにかかっています。世界の全てのプロスポーツは地域に根付いているから。それで観客が入って、チームが発展するのです」(同)

 折しも、ニュージーランド、南ア、オーストラリア、アルゼンチンの間で行なわれる「南半球4カ国対抗」に日本が加わる可能性も報じられた。他方、日本協会と現監督との契約延長交渉は決裂したとも伝えられている。いずれにせよ、にわかやバブルの熱は冷めやすいものだ。

「週刊新潮」2019年10月31日号 掲載

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