全日本柔道連盟で“コロナクラスター”発生  五輪に向けた制度変更がアダに

全日本柔道連盟で“コロナクラスター”発生  五輪に向けた制度変更がアダに

山下泰裕・JOC会長

 全日本柔道連盟で“コロナクラスター”が発生した。“密閉・密集・密接”のいわゆる“3密”が揃った競技だけに“そりゃそうだよな”と思ったら、

「選手や指導者が感染したわけではありません。伝染(うつ)ったのは、事務局の職員たちです」

 とスポーツ紙デスクが明かす。

 職員は総勢38人。その3分の2にあたる25人が発熱等の症状を訴え、18人にPCR検査を実施。うち15人が陽性反応を示した。加えて、中里壮也専務理事も陽性と診断された。

「専務理事ら3名はマスコミ対応をしていたため、取材にあたった各社の記者も14日間の自宅待機を命じられてしまいました」

 コロナ禍で東京五輪が延期され、各競技団体とも対応に追われているが、とりわけ全柔連は気の毒といえた。というのも、

「陸上や水泳、体操は4〜6月にかけて行われる選考会で代表を決める予定だったので、内定者はほとんどいません。柔道も、リオ五輪までは4月の大会を終えてから代表を選んでいたのですが、国内選考会のレベルが高すぎて、ここにピークを合わせてしまうから、五輪本番までの疲労回復や準備が不十分になる、と弊害が指摘されていた。そのため、今回はもっと早く内定を出せるように制度を改めたのです」

 結果、延期決定時点で代表14枠のうち13人が内定していた。ゆえに、

「彼らの処遇をどうするか、再選考を行うのか、という懸案が生じていたのです。皮肉にも、こういった“コロナ対策”の会議によって感染爆発が起きてしまった。常務理事会も延期になり、課題はゴールデンウィーク明けまで棚上げです」

 命あってのオリンピック。お大事に。

「週刊新潮」2020年4月23日号 掲載

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