ラグビー稲垣啓太、いっさい“笑わない男”が地元で「紳士に微笑みかけた」お相手

稲垣啓太

「笑ったことないですね」

 目標を達成したスコットランド戦直後のインタビューでも、その試合で勝ち越しのトライを決めたときも、その男は笑っていなかった。“笑わない男”ラグビー日本代表の稲垣啓太のポジションは『プロップ』。スクラムや密集でのプレーが主だ。常に仲間のトライを支え続けた男の代表初トライ。笑わない男の周りには、満面の笑みをたたえたチームメートが集った。ラグビーライターの向風見也さんは彼のプレーについて、

「■プロップというポジションは、スクラムをいちばん前で組むかなり重労働のポジションなので、身体の大きい頑健な選手が選ばれているのですが、稲垣選手はプロップの選手でありながら、それ以外のポジションの選手のような運動量を誇っている。

■ ボールを持ったら前に出られる。タックルでちゃんと相手をひっくり返せる。ひとつのプレーを終えた後、次のプレーに移るまでのスピードが速い。このあたりの部分が、プロップの選手として別格ですね」

■ご辞退させていただきます

 笑わないが、気遣いのある優しい男でもある。稲垣は母校である新潟工業高校のグラウンドを芝生にするため、300万円を寄付している。そんな彼の笑顔を知るのが、帰省の際に訪れる地元のお店。稲垣の出身中学校にほど近い『箕輪菓子店』は、地元では“みのぱん”という名称で愛され、少年のころから訪れている稲垣もSNSで、■《みのぱんが懐かしい。わかる人はわかるみのぱん》などと紹介している。

「■いつもたまごサンドを買われますね。子どものときはわからなかったのですが、帰省のときに来てくれて。テレビでは笑わないって言われてますけど、すごくいいお兄さんという感じです」(箕輪菓子店の店員)

 また、あんをくるんだ餅を笹で包んだ新潟名物『笹団子』が好きだという稲垣。

「■私たちにはいつも微笑んでくださって、優しく接してくれて、すごく紳士ですね」

 そう話すのは、笹団子で有名な新潟市の『田中屋本店』新潟ふるさと村店の高橋店長。こちらは、決勝トーナメント進出が決まったら、代表チームに差し入れを考えていた。

「■協会に申し入れさせていただいたんですけど、大会期間中は、きちんとカロリー計算して食事制限をされているということで“お気持ちは本当にありがたく全員喜んでいるんですが、ご辞退させていただきます”とのことでした。優勝して大会が終わったら、そのときに贈ろうかと考えています。もう優勝すると思っていますので!」(高橋店長)

 残念ながら優勝とはいかなかったものの、地元民たちはきっと彼の凱旋を心待ちにしているに違いない!

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