中上貴晶がMotoGP開幕戦へ向け“最新型バイク”に好感触「新フレームのほうが可能性がありそう」

中上貴晶がMotoGP開幕戦へ向け“最新型バイク”に好感触「新フレームのほうが可能性がありそう」

3月28日開幕戦、カタールGPに向け調整する中上貴晶。(C)Getty Images

3月10日から12日にかけてカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで行なわれた2回目のプレシーズンテストが終了し、MotoGPはいよいよ開幕を控えるのみとなった。

 今季、ついにファクトリー・スペックのマシンを手にし、さらなる飛躍が期待される中上貴晶(LCRホンダ・出光)も「全体的には良いフィードバックが得られ、開幕戦に向けて準備は整った」と一定の手応えを得たようだ。

 しかし、テスト最終日は強風が吹き荒れ、コースに砂が浮く悪コンディションだったため、予定していたロングランをこなせず、記録したタイムも総合12番手の1分54秒262とやや残念な部分もあった。

 ちなみに総合トップはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が記録した1分53秒183で、中上とはおよそ1秒の違いがある。

「テストでのパフォーマンスには満足していません。まだリズムがつかめないし、リアにも問題がある。最終日に新型フレームと旧型フレームをテストして、どちらで開幕戦に臨むかを決めたかったのですが、直接比較することはできませんでした。特にスピードとマシンへの信頼感という点では、新しいフレームのほうが可能性がありそうなので、そちらを使うことになると思います」
  昨季はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)のリアもハードに使うブレーキングを参考にしたライディングスタイルに変えたことでトップレベルのスピードを発揮したが、2021年型のRC213Vを乗りこなすにはまだ至っていないようだ。

 新型フレームは横剛性を意図的に落とすことでコーナリング時の路面への追従性及び旋回性を高め、限界域でのマシンの挙動をつかみやすくしてRCV特有の乗りにくさ解消を狙っていると見られるが、合わせて5日間のテストで4人のホンダライダーは合計10回の転倒。アレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)が右足を骨折するなど、その試みは道半ばだ。
 「(新型と旧型で)マシンに違うところがあったので、とりあえず昨シーズンのライディングスタイルで新しいマシンに乗ってみました。テストの間、様々なことを試しましたが、全てを理解することはできなかったので、何かを変更する必要がある。マシンだけでなく、乗り方もです。ポル(・エスパルガロ:レプソル・ホンダ・チーム)のテレメトリーをよく見ると、まだホンダのマシンを完全には乗りこなせていないことが分かりますが、いくつかのエリアでは彼のほうが圧倒的に速く、僕に改善の余地があることを意味しています。これから開幕戦に向けてテレメトリーを分析し、考えていかなければならない。2021年型のマシンに適応する必要がある」
  中上の開発における役割も大きくなっている。サイドカウルの大きな空力付加パーツの評価を行ない、テスト最終日には新しいホールショットデバイスを使って、スタート練習を繰り返した。タイヤについても気になる点があるようだ。

「昨季に比べ、グリップが少し減りました。タイヤは一段と硬くなっていますが、それでも一部のライダーは去年よりも速くなっている。僕らはジャック、モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGPのマーベリック(ビニャーレス)、ファビオ(・クアルタラロ)のレベルには達していない。でもレースでは状況が異なり、10周または15周走った後にタイムが大幅に低下することもある。宿題はありますが、強いメンタリティーで臨みます。レースが始まるのが待ち遠しい」

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 

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