ピストンズの「歴代ベスト5」ガード&ビッグマンは“バッドボーイズ”が独占!残る1人は?〈DUNKSHOOT〉

ピストンズの「歴代ベスト5」ガード&ビッグマンは“バッドボーイズ”が独占!残る1人は?〈DUNKSHOOT〉

名司令塔のトーマス(右)やリバウンダーのロッドマン(左)など、多くの名選手を輩出してきたピストンズのベスト5は?(C)Getty Images

1946年の創設から75年。その長い歴史の中でNBAは何人ものスーパースターを輩出し、ファンを楽しませてきた。では、各チームの「歴代ベスト5」を選出したら、一体どんな選手が並ぶのか。『THE DIGEST』では、NBAに精通する識者に依頼し、全30チームのベストメンバーを選んでもらった。

 今回は「デトロイト・ピストンズ」編をお届け。48年に創設されたチームは、近年は低迷期を迎えているが、これまで3度のリーグ制覇を経験。プレーオフ出場42回、ファイナル出場6回を誇り、永久欠番は11人、殿堂入りプレーヤーは19人と、多くの名選手を輩出してきた。そんなピストンズの歴代ベスト5には、どのようなメンバーが名を連ねたのか。
 【ポイントガード】
アイザイア・トーマス
1961年4月30日生。185cm・82kg
在籍期間:13シーズン(1981〜94)
成績:979試合、平均19.2点、3.6リバウンド、9.3アシスト

 名門ピストンズの歴代ベスト5は各ポジションに多くの候補が挙げられるが、その中でもPGは鉄板だろう。1980年代後半のNBAを席巻した“バッドボーイズ”の司令塔だったトーマスは、1989、90年の2度の優勝に大きく貢献した。キャリア最終年を除き、ルーキーイヤーから12年連続でオールスター選出(84、86年には大会MVP)という文句なしの殿堂入り選手であり、90年のファイナルMVPという実績も燦然と輝く。また、惜しくも優勝はならなかったものの、88年のファイナル第6戦で足首を痛めながら、最終クォーターだけで25得点、計46得点を叩き出し、前年王者のレイカーズを追い詰めた鬼気迫るパフォーマンスも語り草だ。

 通算アシストはジョン・ストックトン、マーク・ジャクソン、マジック・ジョンソン、オスカー・ロバートソンに次いで歴代5位。マイケル・ジョーダンとの確執、ドリームチーム落選、ニックスのヘッドコーチ&ゼネラルマネージャーとしての失敗などでヒールのイメージも強くなったが、最盛期のトーマスはリーグ屈指のPGだったことに疑問の余地はない。近年のファンは04年のファイナルMVPチャンシー・ビラップスも推したいかもしれないが、やはり通称“ジーク”の方が格上である。
 【シューティングガード】
ジョー・デュマース
1963年5月24日生。191cm・86kg
在籍期間:14シーズン(1985〜99)
成績:1018試合、平均16.1点、2.2リバウンド、4.5アシスト

 トーマスと名デュオを形成した好シューターであり、マイケル・ジョーダンをも苦しめた名ディフェンダー。オールスター6度、オールディフェンシブチーム選出4度と実績は輝かしいものがあり、特に89年のファイナルでは平均27.3点をあげてMVPにも選ばれた。気性の激しい選手が多かった“バッドボーイズ”の中では毛色の違う好漢であり、リーグ全体からリスペクトを勝ち得たことでも知られる。また、引退後はフロントでも辣腕を振るい、2000年代の黄金期の影の立役者になった。ピストンズでの9年間で平均18.4点を残したリチャード・“リップ”・ハミルトンも忘れられない役者だが、やはりここではデュマースを推したい。
 【スモールフォワード】
グラント・ヒル
1972年10月5日生。203cm・102kg
在籍期間:6シーズン(1994〜2000)
成績:435試合、平均21.6点、7.9リバウンド、6.3アシスト

 2度の黄金期(80年代後半、00年代中期)に挟まれた時代のピストンズに属したことで印象はやや薄くなったが、それでもデトロイトでプレーしていた頃のヒルは正真正銘のスーパースターだった。94年ドラフト1巡目3位で入団すると、1年目にいきなり平均19.9点、6.4リバウンド、5.0アシストを残してジェイソン・キッドとともに新人王を獲得。その年はオールスターのファン投票でもトップの票数を集めており、当時の人気と勢いが窺い知れる。2年目以降も順調に成長を続け、95〜98年に4年連続でオールスターに選ばれた頃には“ネクスト・ジョーダン”とも称された。00年にマジックに移籍以降はケガに苦しみ、結果的にピークは長いとは言えなかった。だからこそ、ヒルが最も輝いていたピストンズ時代のオールラウンドなプレー(トリプルダブル29回はフランチャイズ最多記録)を懐かしく思い出すというファンは多いのではないか。
 【パワーフォワード】
デニス・ロッドマン
1961年5月13日生。201cm・95kg
在籍期間:7シーズン(2005〜11)
成績:549試合、平均8.8点、11.5リバウンド、1.3アシスト

 ビッグマンの選出は極めて難しく、PF、センターではベン・ウォーレス、ラシード・ウォーレスという00年代の黄金期を支えた勇者たちや、リバウンド王を3度獲得した現役のアンドレ・ドラモンドも候補となるのだろう。在籍期間は短かったが、近年ではブレイク・グリフィンのダイナミックなプレーもインパクトがあった。そんな中で、選者の好みにもよるのかもしれないが、ここでは90、91年に2年連続で最優秀守備選手賞を獲得したロッドマンを選びたい。91-92シーズンは18.7リバウンド、翌シーズンは18.3リバウンドでスタッツ王にも輝いた。得点力こそ他のレジェンドたちに劣っても、ディフェンスとリバウンド力は最高級。“バッドボーイズ”の中でも一部から「トーマスに次いで2番目に重要かもしれない」と称されたほど不可欠な選手だった。
 【センター】
ビル・レインビア
1957年5月19日生。211cm・111kg
在籍期間:13シーズン(1982〜94)
成績:937試合、平均13.5点、10.1リバウンド、2.1アシスト

“バッドボーイズ”に偏重しすぎだという批判を受けてしまうかもしれない。ただ、上記したベン・ウォーレスやドラモンド、あるいはオールスター8度のボブ・レイニアーと比べても、どうしてもレインビアの方に魅力があるように思えてしまうのだから仕方ない。運動能力には恵まれていなくても、判断力とポジション取りのうまさでコンスタントにリバウンドを稼ぎ、守備で貢献するセンターだった。さらに83年〜91年まで毎年平均2桁得点を残したことが示す通り、オフェンス力も備え、当時としては数少なかったロングジャンパーが得意なビッグマンだったことも特筆されるべきだろう。ロッドマン同様、ラフプレーが多く、味方に愛され、相手チームには嫌われた典型的なヒール。絵に書いたような悪役だったが、リーグ史を彩る名物プレーヤーだったことは誰も否定できないはずだ。

文●杉浦大介

【PHOTO】ロッドマン、ジョーダン、アイバーソン、シャック…NBA史に残る偉大なレジェンドたち!
 

関連記事(外部サイト)