デイビス、ウォール、ブッカー…“大学バスケ界のローマ帝国”ケンタッキー大の歴代ベストメンバーを選定!<DUNKSHOOT>

デイビス、ウォール、ブッカー…“大学バスケ界のローマ帝国”ケンタッキー大の歴代ベストメンバーを選定!<DUNKSHOOT>

大学、NBAの両方で優勝したデイビス(左)を筆頭に、ウォール&カズンズ(右上)、ブッカー(右下)らケンタッキー大出身者には多くの現役スターが名を連ねる。(C)Getty Images

1910年に創設され、NBA(1946年)より古い歴史を持つNCAA(全米大学体育協会)。プロを目指す若手選手たちにとってNCAAでプレーすることがNBA入りの“王道ルート”であり、時代を問わず何人ものスーパースターをNBAに送り出してきた。では、カレッジとNBAで実績を残した選手を対象に、大学別に最強メンバーを選出した場合、どんな顔ぶれになるのか。『THE DIGEST』では、NCAAとNBAに精通する識者に依頼し、各大学のベストメンバーを選んでもらった。

 第4回はUCLAに次ぐ歴代2位、8度の全米制覇を誇るケンタッキー大編をお届け。長年スター選手を輩出し続け、特に近年は有望なプレーヤーを量産する“大学バスケ界のローマ帝国”の歴代ベスト5とは——。
 【ポイントガード】
ジョン・ウォール

1990年9月6日生。191cm・95kg
カレッジ成績:37試合、平均16.6点、4.3リバウンド、6.5アシスト
NBA成績:612試合、平均19.1点、4.3リバウンド、9.1アシスト

 ケンタッキー大に入学した2009-10シーズンにアシストでカンファレンス1位、得点とスティールは2位と攻守で大活躍を見せ、10年のドラフトでは同大初となる全体1位指名でワシントン・ウィザーズに入団。「コート上を瞬間移動しているよう」と言われたほどのスピードを武器に、14年にはオールスターのスラムダンク・コンテストで優勝、本戦にも同年から5年連続で選ばれるなど、リーグを代表するPGとなった。

 タイトルにこそ手が届いていないものの、14、15、17年は平均アシストでリーグ2位、キャリア平均9.1本も現役ではクリス・ポールに次いで2位という好成績だ。16-17シーズンはスティールも2位につけ、ウィザーズ時代の通算5282アシストと976スティールはいずれも球団記録となっている。こうした華々しい活躍の一方で故障も多く、持病となっているヒザの痛みのほか、19-20シーズンは左足踵の負傷に加えてアキレス腱も断裂して全休した。ケガが癒えた今季は開幕前にヒューストン・ロケッツへトレードされ、復活を果たしている。
 【シューティングガード】
デビン・ブッカー

1996年10月30日生。196cm・93kg
カレッジ成績:38試合、平均10.0点、2.0リバウンド、1.1アシスト
NBA成績:396試合、平均22.9点、3.7リバウンド、4.7アシスト

 多士済々なケンタッキー出身者たちだが、SGはNBAで成功した選手があまりいない。大学時代は華々しい活躍を見せたレックス・チャップマンやロン・マーサーも、スター級には届かなかった。しかしブッカーは、2015年のドラフト13位でフェニックス・サンズに入団すると、レブロン・ジェームズ、コビー・ブライアント、ケビン・デュラントに次ぐ史上4番目の若さで通算1000点を突破。さらに2年目の17年3月24日には、ボストン・セルティックス相手に70得点を奪う大爆発。史上6人目、そして最年少(20歳145日)での70点台という大偉業で、一気に知名度を上げた。

 同年からは5年連続で平均22点以上、キャリア平均22.9点はデイビスに次いでケンタッキーОBで2番目。強気にシュートを打ちまくるスタイルでブザービーターも何度となく決め、ここ2年はオールスターにも選ばれた。18-19シーズンには平均6.8アシストを繰り出すなど、単なる点取り屋にとどまらないオールラウンダーとして成長を続けている。
 【スモールフォワード】
クリフ・ヘイガン

1931年12月9日生。193cm・95kg
カレッジ成績:77試合、平均19.2点、13.4リバウンド
NBA成績:745試合、平均18.0点、6.9リバウンド、3.0アシスト

 1951年に3度目のNCAAトーナメント優勝を飾った際のメンバーで、53年には当時の学校記録となる51得点をあげた。同年のドラフト13位でボストン・セルティックスに指名され、兵役を経て56年にセントルイス(現アトランタ)・ホークスへトレード。伝説の名センター、ビル・ラッセルのドラフト指名権との交換だった。

 名人芸の域に達したフックシュートを駆使し、2年目の57-58シーズンは平均19.9点でオールスターに選出。ファイナルでもセルティックス相手に平均25.2点を稼ぎ、ホークス球団史上唯一の優勝に大きく貢献した。オールスターには62年まで5年連続で選ばれ、66年に一旦引退したが、ABAでヘッドコーチ兼任として復帰しさらに3年現役を続けた。

 SFではほかにも、往年のヒット曲に因む“モンスター・マッシュ”のニックネームで知られたジャマル・マッシュバーンや、2000年代のデトロイト・ピストンズで守備を売り物としたテイショーン・プリンスなども好選手として鳴らした。
 【パワーフォワード】
アンソニー・デイビス

1993年3月11日生。208cm・115kg
カレッジ成績:40試合、平均14.2点、10.4リバウンド、1.3アシスト
NBA成績:551試合、平均23.9点、10.3リバウンド、2.3アシスト

 NBAの門を叩いた122人のケンタッキー大出身選手の中で、デイビスの平均23.9点は堂々のトップ。在学したのは1年だけだったが、その2011-12シーズンはNCAAトーナメントを制覇した。なおこの時のチームには、デイビスの同級生であるマイケル・キッド・ギルクリストら計7人が、のちにNBAでプレーしている。

 デイビスは個人としてもあらゆる賞を総なめにし、同年のドラフト1位でニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)に入団。プロ入り後も並外れた身体能力を生かし、2年目から6年連続で平均20点&10リバウンド&2ブロック以上を記録したほか、14、15、18年の3回ブロック王に輝いている。オールスターには今季まで8年連続で選ばれ、17年には大会新記録の52得点を叩き出しMVPを受賞。ロサンゼルス・レイカーズへ移籍した19-20シーズンに悲願の初優勝を遂げ、NCAAトーナメント(12年)・オリンピック(12年)・NBAファイナル(20年)のすべてを制した史上8人目のバスケットボール選手になった。
 【センター】
ダン・イッセル

1948年10月25日生。206m・107kg
カレッジ成績:83試合、平均25.8点、13.0リバウンド
NBA成績:718試合、平均20.4点、7.9リバウンド、2.5アシスト

 NCAAトーナメント優勝8回の超名門校において、史上最高の選手と見なされているのがこの男。年間948得点、通算2138得点はいずれも学校記録で、4年生のシーズンは驚異の平均33.9点。ケンタッキーでは今なおイッセル以外に平均25点を超えた選手がいないくらい、飛びぬけた数字だった。

 1970-71シーズンにはNBAからの誘いを断り、本人曰く「大学生活の延長のような形で」ABAのケンタッキー・カーネルズに入団。平均29.9点を叩き出して得点王と新人王に輝いた。身体能力は高くない“跳べない白人”ではあったが、全力プレーを怠らず、75年にはカーネルズを優勝へ導いている。76-77シーズンにデンバー・ナゲッツの一員としてNBAへ移ってからも、正確なミドルシュートで毎年安定して20点以上を稼ぎ、また滅多なことでは試合を休まない(プロ15年で欠場24試合のみ)鉄人としても知られた。

 現役のセンターではカール・アンソニー・タウンズやバム・アデバヨらが活躍を続けており、将来的にイッセルを超える可能性もありそうだ。
 【シックスマン】
デマーカス・カズンズ

1990年8月13日生。208cm・122kg
カレッジ成績:38試合、平均15.1点、9.8リバウンド、1.0アシスト
NBA成績:597試合、平均20.6点、10.6リバウンド、3.2アシスト

 ケンタッキー大出身者は現役だけでも20人以上を数える一大勢力とあって、先発の5人から漏れた選手といえども錚々たる顔触れ。ジャマル・マレー、ジュリアス・ランドル、ラジョン・ロンド、ディアロン・フォックスにタウンズ、アデバヨとシックスマン候補には事欠かないが、実績的に最もふさわしいのはカズンズだろう。
  ケンタッキーから5人が1巡目で指名された2010年のドラフト5位でサクラメント・キングスに入団。キレやすい性格で素行には問題が多々あったけれども、実力は折り紙付きで、力強さとテクニックを兼備したビッグマンとして台頭。15年からは4年連続で平均24点&11リバウンド以上を記録し、毎年オールスターに選ばれた。名選手への道を順調に歩んでいるかと思われたが、19-20シーズンは同級生で親友のウォールにお付き合いするかのように、前十字靭帯断裂でシーズン全休。今季はロケッツでチームメイトになったが、25試合出ただけで退団し、現在はロサンゼルス・クリッパーズに移っている。

文●出野哲也

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