【名作シューズ列伝】最大の売りは機能面より肖像入りのインソール?アマレ着用の「NIKE AIR MAX 360 BB」

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 アマレ・スタッダマイアーは1982年11月、フロリダ州レイクウェールズで生まれました。12歳の時に父は他界、母は犯罪に走るなど家庭環境は劣悪でしたが、バスケットボールの神様は彼に天賦の才を与えました。

 本格的にバスケを始めたのは15歳とやや遅かったものの、アマレはメキメキと頭角を表します。高校ではバスケ部在籍は2年にもかかわらず、ナイキ主催のサマーリーグでMVPに輝き、オールアメリカンにも選出。大学進学の道もありましたが、家計を助けるためプロの道へ進み、2002年のドラフトでは1巡目9位と高順位でフェニックス・サンズに指名されます。

 208p・111kgの立派な体格とビッグマン離れした身体能力を兼備したアマレは、ルーキーシーズンから全82試合(先発は71試合)に出場。平均13.5点、8.8リバウンド、1.06ブロックの堂々たるスタッツを残し、高卒選手として初の新人王に輝きました。
  さらに2年目には平均20.6点、3年目の05年にはリーグ5位の26.0点でオールスターデビューと、若くしてリーグを代表するインサイドプレーヤーに成長しました。



 しかし、翌年は右ヒザの手術により3試合しか出場できずシーズン終了。不本意な1年を過ごしたアマレにNIKEが用意したのが、今回紹介する「NIKE AIR MAX 360 BB」です。



 06年8月にリリースされたモデルは、NIKEのオリジナルの360度のビジブル(可視)化に成功した“MAX 360 AIR”を搭載。ミッドソールユニットを排除してペバックス素材(半透明のカゴ)で補強し、エアを可視化しながらも安定性と耐久性を保ち、軽量化も実現しました。“MAX 360 AIR”はアウトソールからも見ることができ、グリップ力も担保されている優れものです。



 アッパーはアマレのパワーを受け止めるため、プレミアムシンセティックスとフルレングスレザーで構成。ストラップは足首をしっかりとホールドします。

 最大の見どころはインソールにプリントされた 、アマレ、チャールズ・バークレー、モーゼス・マローンの肖像。バークレーはサンズのOB、マローンは同じ高卒選手だからか、詳しい経緯は分かりませんが、殿堂入りレジェンド2人とフィーチャリングされたアマレは23歳の若さで、NIKEの顔として認められたのです。
  BOXは“MAX 360 AIR”を想起させる、爽やかなブルーとホワイトのグラデーションで覆われ、上蓋には“MAX AIR”のロゴがプリントされています。シューズ包装紙は“360”のロゴパターンで装飾。リサイクル紙の紙マークがプリントされていることもチャームポイントです。



 これほど様々な機能を搭載したにもかかわらず、価格は1万8900円(税込)。NIKEの顔というべき“MAX 360 AIR”を搭載して2万円以下は破格だと思います。

 アマレはサンズ退団後はニューヨーク・ニックス、ダラス・マーベリックス、マイアミ・ヒートと渡り歩き、16年にイスラエルのハポエル・エルサレムBCとサイン。19年まで在籍し数々のタイトルを手にしました。



 その後、中国で1年プレーしたのち、20年に再びイスラエルへ。マッカビ・テルアビブのチャンピオンシップ獲得に貢献し、リーグ決勝のMVPに選ばれ、現役生活に別れを告げました。
  現在はサンズでコンビを組んだスティーブ・ナッシュ・ヘッドコーチの下、ブルックリン・ネッツでアシスタントコーチを務めているアマレ。ちなみに相棒ナッシュも現役時代はナイキのモデルを着用していました。



 2000年代中盤にリーグを席巻した名コンビは、ケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービングの“ビッグ3”を巧みに操り、頂点に立つことができるのか。両者ともプレーヤーとしてNBAでの優勝は叶わなかっただけに、チャンピオンへの想いは選手以上に強いかもしれません。

文●西塚克之


【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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