【八村塁2020-21シーズン総括】開幕から出遅れるも、復帰後は多彩な守備力で信頼を獲得|前編<DUNKSHOOT>

【八村塁2020-21シーズン総括】開幕から出遅れるも、復帰後は多彩な守備力で信頼を獲得|前編<DUNKSHOOT>

八村は流行性角結膜炎により開幕から4試合を欠場。12月31日に今季初出場を果たしたが、チームの調子は上がらずにいた。(C)Getty Images

ワシントン・ウィザーズに所属する八村塁は、6月2日にNBA2年目のシーズンを戦い終えた。そこで日本の至宝の2020-21シーズンをプレーバックする。前編はオフシーズンから3月のオールスターブレイクまでをお届けしたい。

 ルーキーシーズンに平均13.5点、6.1リバウンド、1.8アシストという成績を残し、オールルーキー2ndチーム入りを果たした八村は「ウエイトトレーニングのほか、3ポイントやボールハンドリングの練習をしました」と、NBAキャリア2年目に向けて着実にトレーニングへ取り組んでいた。

 そして今季の目標について「昨シーズン、プレーオフ出場を逃してしまいましたが、チームとしても絶対に逃したくないし、(今シーズンは)すごくチャンスがあると思うので、プレーオフを目指して頑張りたいです」と抱負を語っていた。

 ウィザーズは開幕を約3週間後に控えた昨年12月2日(日本時間3日、日付は以下同)にジョン・ウォールと2023年のドラフト1巡目指名権を放出し、ヒューストン・ロケッツからラッセル・ウエストブルックと23年のドラフト1巡目指名権(条件付き)を獲得。

 3年ぶりのプレーオフ返り咲きを狙うウィザーズにとって、生粋のリーダーとして知られるウエストブルックの加入は大きな補強になるかと思われた。

 しかし、八村はブルックリン・ネッツとのプレシーズン初戦で18得点、4リバウンドとまずまずのスタートを切りながら、翌第2、3戦を欠場。そして21日にウィザーズは八村が流行性角結膜炎のため、約3週間の欠場を発表した。
  チームはブラッドリー・ビールこそ健在も、ウエストブルックは2連戦の2試合目を欠場、さらに先発パワーフォワードも欠いたことで勝ち切れず。5戦目に八村が今季初出場を飾り、17得点、5リバウンド、3アシストを残すもシカゴ・ブルズに敗れて開幕5連敗を喫した。

 その後チームは1月1日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦、3日のネッツ戦を制して2連勝を飾り、八村もスターターとして着実に2桁得点を残したものの、ウィザーズはそこからイースタン・カンファレンスの強豪相手に3連敗。11日にフェニックス・サンズを下す大金星で調子を上げるかと思われた矢先、今度は今季特有の状況に陥る。

 3選手が新型コロナウイルスの検査結果で陽性反応が出たほか、八村ら複数の選手が安全衛生プロトコル入りしたことでリーグが規定する最低出場可能選手数の8人に達することができず、6試合連続の延期に。

 約2週間ぶりに試合が再開されたものの、チームは4連敗。さらに1月末には3勝12敗でリーグワーストに沈むなど低迷した。それでも、八村は2月2日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦で前半戦最多となる24得点、フィールドゴール83.3%(10/12)、3ポイント75.0%(3/4)と抜群のシュートタッチを見せていた。
  そしてウィザーズは2月14日からの8試合で5連勝を含む7勝1敗と復調。八村はそのうち7戦で2桁得点をマークし、5試合で36分以上に出場。ビール、ウエストブルックの獅子奮迅の活躍はもちろんだが、スコット・ブルックス・ヘッドコーチ(HC)は2年目のフォワードが見せたディフェンス面の踏ん張りを高評価。

「ルイはここ2週間におけるディファレンスメーカー(違いをもたらす存在)になっている。この10~12試合、チームのディフェンスが引き締まってきたが、それはルイの活躍が大きい。相手の1番(ポイントガード)から4番(パワーフォワード)を止めるだけでなく、5番(センター)を務める時はすべてのポジションを守らなければならない。それはすごく難しいことだ。自分のマッチアップ相手だけでなく、ほかの4選手の傾向も把握していないといけない。それを本番のスピードで見事にこなしている」

 期間中、八村はレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)といった超大物選手たちと対峙したほか、リーグ最高級のスコアリングガード、デイミアン・リラード(ブレイザーズ)をノーファウルでガードするなど奮戦。
 「(1番から5番までを)守ることは簡単ではないが、ルイはしっかり集中してディフェンス面でやるべきことをやっている。オフェンス面でもよくやっていると思う」とウエストブルックも八村の働きを称えていた。

 その反動からか、2月末から4試合連続で1桁得点に終わるも、前半戦のラストゲームとなったクリッパーズ戦で9得点、3リバウンドを残して金星に貢献。ウィザーズは14勝20敗(勝率41.2%)でオールスターブレイクを迎えた。

 八村は前半戦で平均30.1分、12.5点、5.4リバウンド、1,7アシスト。2年目の今季はオフェンス面だけでなく、ディフェンス面でもチームメイトたちから信頼を得ることに成功しており、チーム内における重要度が増すことに。

「だんだん相手の特徴とかパーソナルが分かってきて、(ディフェンスが)できてきているなという感じがあります」と、守備面でも手応えがあることを明かした八村。3月3日に発表されたキャリア1、2年目の選手たちによるライジングスターズでは、外国籍出身選手たちで構成されるWORLDチームのロースターに2年連続で選ばれたのだった。

※後編に続く

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】攻守でアグレッシブに躍動!NBA1年目から存在感を放った八村塁の厳選ショット!
 

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