カナダ、ギリシャ、トルコ…東京オリンピック最後の出場枠を掴むのは?【最終予選プレビュー|PART. 1】<DUNKSHOOT>

カナダ、ギリシャ、トルコ…東京オリンピック最後の出場枠を掴むのは?【最終予選プレビュー|PART. 1】<DUNKSHOOT>

ウィギンズ(左)らNBA選手を多数擁するカナダは5大会ぶり、スパノーリス(右)が代表復帰したギリシャは3大会ぶりの五輪出場を狙う。(C)Getty Images

6月29日から7月4日にかけて、カナダのビクトリア、セルビアのベオグラード、クロアチアのスプリト、そしてリトアニアのカウナスの4都市で、東京オリンピックの男子バスケットボール最終予選が行なわれる。

 オリンピックの出場枠は全部で12。ホスト国の日本と、2019年のFIBAワールドカップ(W杯)から7か国がすでに自動的に出場権を得ていて、今回の最終予選で、ラスト4枠を決める。

 この最終予選に参加できるのは、ワールドカップで出場権を得た7か国(スペイン、アルゼンチン、フランス、オーストラリア、アメリカ、ナイジェリア、イラン)を除いた上位16か国と、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジア&オセアニアの各大陸からワイルドカード枠をゲットした2か国ずつの、計24か国。ただしワールドカップを19位で終えてこの最終予選に出場資格のあったニュージーランドは、連盟の方針で辞退したため、代わって次回のワールドカップ主催国でもあるフィリピンが選ばれた。

 それぞれの会場では、6チームが、グループAとBの2つに分かれて総当たり戦を行ない、各グループの上位2チームがセミファイナルに進出。勝者が東京行きを賭けた決勝戦に挑む。

 つまり、オリンピック出場権を得るのは、各会場から1チームのみだ。

 欧州でも特にバスケ熱が盛んなリトアニアとセルビアが自国で戦うという大きなアドバンテージはあるが、どのグループも「勝ち抜けは間違いなくここ」という一頭レースにはなりそうにない、混戦が予想される。

 ここでは、グループごとに最終予選の見どころをチェックする。まずはカナダ会場から。同グループにはNBA組が中心の地元カナダ、前回のW杯で日本と対戦したチェコやトルコが入っている。
 ■グループA 会場:ビクトリア(カナダ)
ギリシャ(W杯11位)
中国(アジア大陸ワイルドカード枠)
カナダ(21位)
※カッコ内は19年W杯での順位

 カナダ会場では、勝ち抜け候補と思しきギリシャとカナダがグループリーグ初戦で激突する。ギリシャは、15年のユーロバスケットを区切りに代表引退を表明していたレジェンド、ヴァシリス・スパノーリスが復帰を宣言。今予選と、本戦出場が決定した場合は、東京オリンピックでも指揮を執る、リック・ピティーノ・ヘッドコーチ(HC)からの熱いラブコールに応じた形だ。

 ユーロリーグで得点、アシスト、評価指数で歴代ナンバー1の38歳のスパノーリスの存在は、フロアの内外でチームに絶大な力となる。国際トーナメント慣れしているギリシャは、常に侮れない難敵だ。

 一方のカナダは、現在、フロリダにあるトロント・ラプターズの練習場を拠点にキャンプの真っ最中。メンバーはアンドリュー・ウィギンズ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ディロン・ブルックス(メンフィス・グリズリーズ)、ドワイト・パウエル(ダラス・マーベリックス)、コリー・ジョセフ(デトロイト・ピストンズ)らNBA組が中心となる。
  そのほか、八村塁も活躍した17年のU19世界選手権の優勝メンバーで、同大会のMVPにも選出された成長株のRJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)や、今年のNCAAトーナメントでゴンザガ大の決勝進出に貢献した21歳のアンドリュー・ネンバードら、将来有望な若手もいる。地元で戦う彼らには、時差や移動の面でもアドバンテージがありそうだ。

 その両者に絡む中国は、国内リーグに多くのNBA選手が参入して全体的なレベルは向上。19年のワールドカップでも、スピード感やアジリティに長けた印象はあったが、ヤオ・ミン(元ヒューストン・ロケッツ)の引退後は、こうした短期間のトーナメントで勝ち切るのに欠かせないタリスマン的な存在がいない。2年前のワールドカップでも得点、リバウンドでチームハイを記録したイー・ジャンリャン(元ミルウォーキー・バックスほか)が今回も若いチームを牽引する。

■グループB
ウルグアイ(アメリカ大陸ワイルドカード枠)
チェコ(6位)
トルコ(22位)
※カッコ内は19年W杯における順位

 グループBで注目は、19年のワールドカップで素晴らしいチームプレーを見せ、6位という好成績を残したチェコだ。ローネン・グンスバーグHCが選んだのは、ほぼ19年と同じメンバーで、そこにヒザの負傷で前回のW杯を欠場した欧州屈指のビッグマン、ヤン・ヴェセリーが加わる。

 チームにガッツをもたらすパワーフォワードのパトリック・アウダは、昨シーズンはBリーグの横浜ビー・コルセアーズでプレーしていた。チームは6月8日からトレーニングキャンプを敢行中だが、カナダでは、エースのトーマス・サトランスキー(シカゴ・ブルズ)も合流することになっている。
  しかし彼らが対戦するトルコとウルグアイは、いずれもトリッキーな相手だ。トルコは19年のW杯では22位と期待外れに終わったが、アメリカとは、オーバータイムの末1点差の惜敗という互角の勝負を演じるなど、順位が示す以上の力がある。

 フルカン・コルクマズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、シェディ・オスマン(クリーブランド・キャバリアーズ)、そして大黒柱のアーサン・イリャソワ(ユタ・ジャズ)らNBA組も参戦。そこにトルコ国籍を取得したシェーン・ラーキンも加わった。22年の欧州選手権予選でさっそくチームハイの15得点、7アシストと司令塔ぶりを発揮している28歳の加入によって、トルコの戦力は確実にアップしている。

 そしてアメリカ大陸でアメリカ、アルゼンチン、ブラジルらのトップグループに続く中堅集団に位置するウルグアイは、欧州勢にとって馴染みのない相手。今回のロースターには、国際トーナメントに強いアルバ・ベルリン所属のガード、ジェイソン・グランジャーや、05年から2年間アトランタ・ホークスでプレーした、同国初のNBA選手エステバン・バティスタらベテラン格が名を連ねている。

 開催地のビクトリアとの時差が少ないという地理的な利点に加え、中1日のオフがある試合スケジュールの恩恵が彼らのパフォーマンスにどう作用するか。

 この会場の勝者は五輪でアメリカ、フランス、イランが同居するグループAに加わる。(PART.2に続く)

文●小川由紀子

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