GM初仕事でホーフォードを呼び戻したスティーブンス「アルには周囲の選手を引き上げる能力がある」<DUNKSHOOT>

GM初仕事でホーフォードを呼び戻したスティーブンス「アルには周囲の選手を引き上げる能力がある」<DUNKSHOOT>

スティーブンス(左)はGMとしての初仕事で、かつての教え子であるホーフォード(右)の獲得に成功した。(C)Getty Images

6月18日(日本時間19日、日付は以下同)。プレーオフの真っ只中に、ボストン・セルティックスは大型トレードを成立させた。

 チームは元オールスターポイントガードのケンバ・ウォーカーと2021年のドラフト1巡目指名権、25年のドラフト2巡目指名権を放出し、オクラホマシティ・サンダーからアル・ホーフォード、モーゼス・ブラウン、23年のドラフト2巡目指名権を獲得。

 NBA優勝17回という実績を持つセルティックスは、これまでにもバスケットボール運営部門代表兼ゼネラルマネージャー(GM)のダニー・エインジが大胆不敵なトレードを断行してきたのだが、今回はブラッド・スティーブンスが仕掛けた最初の動きだった。

 というのも、セルティックスはプレーオフ1回戦でブルックリン・ネッツに1勝4敗で敗退後にエインジが退任。その後任として、今季まで8シーズン指揮を執ったスティーブンスが昇格した。

 ウォーカーは2年前の夏にMAX契約と大金を叩いて獲得。2シーズンで平均19.9点、4.8アシストを残したとはいえ、ヒザのケガに悩まされ、最大限のパフォーマンスを発揮できなかった。
  今季開幕前、セルティックスはドリュー・ホリデー(現ミルウォーキー・バックス)を獲得すべく、ウォーカーをトレード要員にしたことを機に両者の関係に亀裂が。トレードされるのは時間の問題と噂されていたが、予想外の早さで放出することに。

 今回、セルティックスが獲得したホーフォードは、一昨季まで3年間チームに所属していた35歳のベテラン。ブラウンは伸び盛りの21歳で、経験と若さを誇るビッグマンを同時に手に入れたこととなる。

 21日、スティーブンスは「難しいことだった。ケンバのことを本当に気に入っていたからね」と語るも、ドラフト指名権を手放してまでこのトレードを成立させた背景には、財政面で柔軟性が生まれること、そしてホーフォードの存在があったという。

「アルの獲得は、サラリー総額が下がるだけでなく、このチームの環境を良く知る有能な選手を加えることを意味する。このチームの選手たちと上手くプレーできるだけでなく、彼らを成長させてくれる。彼の素晴らしい強みのひとつに、周囲の選手たちを引き上げる能力がある」
  ホーフォードは今季、サンダーが若手育成に切り替えたこともあり、28試合の出場に終わったものの、平均14.2点はここ5シーズンで最も高く、6.7リバウンド、3.4アシストは27.9分というプレータイムを考慮すればまずまずの数字。3ポイント平均2.0本成功は自己最多と、多才なプレーができる点が魅力だ。

「アルは際立った変化をもたらすことができる。多くの試合に出場したわけではないが、彼はオクラホマシティでいいシーズンを送った。スペースを作り出し、パスすることもできるし、様々な役割をこなすことができる。それに他のビッグマンたちと一緒にプレーが可能だ」(スティーブンス)
  ホーフォードを加えたことで、セルティックスはジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンという2人のウイングをさらに効果的に活かしていく狙いなのだろう。

 ただ、ウォーカーを放出したことで、ロースターにはバックコートが不足しているし、マーカス・スマート、ペイトン・プリチャード、ロメオ・ラングフォード、トレモント・ウォーターズと小粒感も否定できない。スティーブンスの次の仕事は、ガード陣の強化になるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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