ブッカーの“NEXTコビー論”に現役選手が異議「今の段階で比較するのは不公平」<DUNKSHOOT>

ブッカーの“NEXTコビー論”に現役選手が異議「今の段階で比較するのは不公平」<DUNKSHOOT>

自身初のプレーオフで目覚ましい活躍を見せるブッカー。その姿にレジェンドとの比較論も上がっている。(C)Getty Images

キャリア6シーズン目の今季、フェニックス・サンズでエースを務めるデビン・ブッカーは自身初のプレーオフへと足を踏み入れ、見事なパフォーマンスを見せている。

 昨季覇者ロサンゼルス・レイカーズとの1回戦は平均29.7点、6.2リバウンド、5.0アシストをマークし、シリーズに決着をつけた第6戦では圧巻の47得点、11リバウンド。

 デンバー・ナゲッツとのカンファレンス・セミファイナルでもシリーズ平均25.3点、7.8リバウンド、4.5アシストと躍動。スウィープ決着となった第4戦は34得点、11リバウンドと再びダブルダブルの活躍で、勝利に大きく貢献した。

 そしてロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス・ファイナル初戦では、クリス・ポールを欠くなかで40得点、13リバウンド、11アシスト。キャリア初のトリプルダブルを達成してみせた。
  飛ぶ鳥を落とす勢いの24歳のオールスターガードに対して、『ESPN』の名物コメンテーターのスティーブン・A・スミス氏は、自身が出演した番組『First Take』にて「デビン・ブッカーは“NEXTコビー・ブライアント”だ」と太鼓判を押していた。

 レイカーズ一筋20シーズンで5度の優勝を勝ち取ったコビーは、バスケファンなら誰もが知るNBAのレジェンド。コート内外においてバスケットボールに全てを捧げたコビーをリスペクトするブッカーとしては、何よりも嬉しい褒め言葉だったに違いない。

 そんななか、ブッカーに対する“NEXTコビー論”について異議を唱える者もいる。ポートランド・トレイルブレイザーズのCJ・マッカラムは自身のポッドキャスト番組『The Pull Up podcast』でサンズ対クリッパーズの第2戦を振り返りつつ、「僕はデビン・ブッカーの大ファンだ。でも次代のコビーと呼ぶにはちょっと早すぎると思うね」と発言。

「彼がどんな選手なのか、その評価を固めていく必要があると思う。彼はスペシャルな選手ではあるけど、今の段階でコビーと比較するには不公平な状況にある」
  コビーはキャリア4年目にシャックことシャキール・オニールとのデュオで初のチャンピオンシップを勝ち取り、そのまま3連覇を達成。その後2009、10年には自身が中心となって2連覇を成し遂げた。

 マッカラムとしては、コビーは誰もが憧れを抱くスーパースターであり、プレーオフへ初出場したばかりのブッカーを比較対象に挙げるのは時期尚早ということなのだろう。もっとも、マッカラムから見ても、コビーとブッカーには多くの共通点があるようだ。

「あの2人のゲームは多くの点で似ているとは思う。ものすごくスムーズで、それぞれのスキルを磨き上げているし、ブックはどこからでも得点できる。それにコビーのシューズを履いてプレーしているし、コビーのことを見て育ってきた。彼にはコビーと同じような練習への取り組みが見て取れるし、同じような不屈の精神を感じる」
  そしてプレーオフに入ってからも得点を量産するブッカーについて、マッカラムは「暗殺者のようなメンタリティがあることを示している。サイレントキラーだ」、「彼は今、チャンピオンシップを勝ち取るポテンシャルを持つ位置にいる。彼のゲーム、あの積極果敢なアタックにはリスペクトしているよ」と称賛の言葉を送っている。

 もっとも、現時点ではチームをカンファレンス・ファイナルへと導いた段階であり、優勝を成し遂げたわけではない。「もし彼がキャリアの早いうちにチャンピオンシップを手に入れることができるなら、(コビーと)比較される位置に入り込むことができるだろう。それが適切なタイミングなんじゃないかな」と、マッカラムは付け加えた。

 6月24日(日本時間25日)に行なわれたシリーズ第3戦。サンズはポールが復帰したものの、ブッカーは前戦で鼻骨を骨折したことによりフェイスマスクを着用した影響もあったのか、フィールドゴール成功率23.8%(5/21)の15得点と沈黙し、チームも92−106で敗戦。プレーオフ最少得点に終わったブッカーが、今後のキャリアでレジェンドと並ぶ存在になるには、ここからの奮起が不可欠。26日(同27日)の第4戦で復調できるか、そのパフォーマンスに注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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