【宝塚記念展望】牝馬の黄金時代到来か?上位人気を占めるクロノジェネシスら3頭の“強み”を徹底分析!

【宝塚記念展望】牝馬の黄金時代到来か?上位人気を占めるクロノジェネシスら3頭の“強み”を徹底分析!

牝馬初のグランプリ3連覇が懸かるクロノジェネシス。今回のレースへ万全の仕上がりを見せている。写真:産経新聞社

6月27日、第62回を迎える上半期の総決算、宝塚記念(G1、阪神・芝2200メートル)が阪神競馬場で行なわれる。

 ゼンノロブロイ、ハーツクライ、タップダンスシチーらの強豪をなで斬りにして、スイープトウショウが豪快な追い込み勝ちを決めたのが、2005年のこと。39年ぶりレース史上2頭目の牝馬による勝利は大いにファンを驚かせた。だが、これはのちにやってくる”牝馬の時代”の序章にすぎなかった。

 2016年にマリアライトがキタサンブラックやドゥラメンテを倒して優勝すると、19年にはリスグラシューがレイデオロやマカヒキらを寄せ付けずに快勝。そして昨年、クロノジェネシス(当時4歳)が2着を6馬身も突き放す衝撃的な圧勝劇を演じたのは、まだ記憶に新しい。

 そして今年、ついに1〜3番人気を牝馬が占めるであろう時代がやってきた。レースの結果以前に、そのこと自体が時代を象徴する出来事として記憶されるはずだ。

 1番人気は、もちろん昨年の覇者であるクロノジェネシス(牝5歳/栗東・斉藤崇史厩舎)である。
  宝塚記念を制したあとは、天皇賞・秋(G1、東京・芝2000メートル)こそスタートでの不利が響いて2着に敗れたが、続く有馬記念(G1、中山・芝2500メートル)は第3コーナーからの”マクリ”を決めて優勝を果たした。

 そして今春は、3月末にUAEのドバイへ遠征し、ドバイシーマクラシック(G1、メイダン・芝2410メートル)で、仏ダービー馬のミシュリフ(牡4歳)と接戦を演じてクビ差の2着に惜敗。帰国後はじっくり休養とトレーニングに時間を費やしてきた。

 気になる体調だが、追い切りは折り合い重視の良好な動きを披露。その後に発表された馬体重は482キロと、有馬記念の474キロからさらに成長。斉藤調教師は、「帰国後の回復力が凄い」と目を細める。

 当日は雨の影響で馬場の悪化が予想されるが、昨年の本レースを見てのとおり、クロノジェネシスが名うての道悪巧者なのは既知の事実。手綱は、落馬負傷で戦線離脱している北村友一騎手から乗り替わるが、名手クリストフ・ルメール騎手であれば、本命の座は揺るがない。
  クロノジェネシスにとって最大のライバルとなるのが、2番人気が予想されるレイパパレ(牝4歳/栗東・高野友和厩舎)だ。

 デビューから無敗の6連勝で大阪杯(G1、阪神・芝2000メートル)を圧勝。コントレイルやグランアレグリアを千切って捨てた圧巻の走りは衝撃的であり、底なしのポテンシャルを感じさせるものだった。

 その大阪杯の勝利は「道悪適性でまさったから」という声も聞かれたが、レース当日に予想されるのは道悪での競馬で、彼女にも追い風が吹いている感がある。

 小柄な馬ゆえに心配された馬体重も、追い切り後で442キロと、大阪杯当日よりも20キロ増え、成長を見せているのは好材料。今回が初の2000メートル超のレースとなることは課題だが、それを軽く克服して見せてところで何の不思議もない。

 3番手のカレンブーケドール(牝5歳/美浦・国枝栄厩舎)は、”最強の2勝馬”という不名誉な呼び名を払拭したいところ。決め手不足な面は否めないが、19年のジャパンカップ(G1、東京・芝2400メートル)を含め、G1レースで三度も2着に食い込んだしぶとさはなお侮れない。
  これまで上記のジャパンカップのように重馬場での好走歴はあるが、国枝調教師は「道悪が上手い馬がいるから、良馬場でやれるに越したことはない」と、馬場適性に関しては上位2頭に譲るとみている様子。これをどう評価するかが難しい点となるだろう。

 上位3頭のほかでは、昨年の菊花賞(G1、京都・芝3000メートル)で無敗の三冠を狙うコントレイルをクビ差まで追い詰めた素質馬、アリストテレス(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)に注目。今年1月、不良馬場で行われたアメリカジョッキークラブカップ(G2、中山・芝2200メートル)を勝利しているのは大きな強調材料だ。

 また2017年の菊花賞を制し、その後もG1で2着3回・3着1回を記録している古豪、キセキ(牡7歳/栗東・辻野泰之厩舎)もマークしておきたい1頭。この馬も道悪が得意で、前崩れの展開になれば一気に浮上する可能性を残している。

 さて、最後に記しておきたいのは、こういう上位人気の馬の力が”抜けている”レースは、馬券の買い方が難しいということだ。筆者は”観戦料”として少額を投資するにとどめて、もっぱら”見(けん)”(馬券投票を控えて感染すること)に徹したいと考えている。それでも十分に楽しめるのが、今年の宝塚記念だと思うからだ。

文●三好達彦

関連記事(外部サイト)