セルティックス新HCユドカが語る“指揮官就任の理由、コーチを志すきっかけ、レナードへの助言”<DUNKSHOOT>

セルティックス新HCユドカが語る“指揮官就任の理由、コーチを志すきっかけ、レナードへの助言”<DUNKSHOOT>

セルティックスの新指揮官に就任したユドカ(中央)。2012〜19年にはスパーズでポポビッチHC(右)に師事していた。(C)Getty Images

現地時間6月28日(日本時間29日、日付は以下同)、ボストン・セルティックスは新たにヘッドコーチ(HC)に就任したイーメイ・ユドカの入団会見を行なった。

 ユドカは2012年から今季までの9シーズン、サンアントニオ・スパーズやフィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ブルックリン・ネッツでアシスタントコーチ(AC)を歴任。近年はオフシーズンになるたびに、様々なチームの新HC候補に浮上していた人物でもあった。

 セルティックスはプレーオフ敗退から一夜明けた6月2日、ダニー・エインジがゼネラルマネージャー(GM)職を辞任。ブラッド・スティーブンスHCが後任としてバスケットボール運営部門代表兼GMに昇格しており、来季から新体制を組むこととなっていた。

 ロサンゼルス・レイカーズと並び、歴代最多タイとなる17度の優勝回数を誇る名門球団セルティックスは、直近5年間でも3度のカンファレンス・ファイナル進出を果たすなど、リーグ屈指の強豪として君臨。現在のロースターにはジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンのヤングデュオを中心に、マーカス・スマート、トリスタン・トンプソン、アル・ホーフォードといった選手たちがいる。
  ユドカが新指揮官となる決め手となったのは、2019年のFIBAワールドカップ。コーチングスタッフとして参加したユドカの指導を受けたテイタム、ブラウン、スマートが、チームの新たなHCに猛プッシュしたからだという。

「彼らが私にコーチすることを許可し、後押ししてくれたんだよ。私が口うるさく言うことを彼らは知っている。そしてそのことを気に入ってくれているんだ。彼らは背中を押してもらいたがっており、勝利へと導いてほしいと望んでいるのさ」

 セルティックスは先日、元オールスターガードのケンバ・ウォーカーを放出し、オクラホマシティ・サンダーからホーフォードとモーゼス・ブラウンという2人のビッグマンを獲得。ただ、エバン・フォーニエやシェミ・オジェレイといった選手たちがフリーエージェント(FA)となるため、今後は来季に向けてバックコートを強化していくことがマストとなる。
 「大事なのは、このチームが勝ちたがっているということ。そして18度目(の優勝)を助けることなんだ。それが魅力的だった。このチームにはフィジカルなタレントが間違いなく揃っている。今は彼らがより良いリーダーとなり、もっと声を出し、素晴らしい選手へと成長していくのを見ることができるチャンスなんだ」と、ユドカは新たなチャレンジに向けて意気込んでいた。

 そんなユドカは現役時代、2000年代序盤から計7シーズンにわたりNBAでプレー。スパーズに3シーズン所属したほか、レイカーズやニューヨーク・ニックスなど計5チームを渡り歩き、主にロールプレーヤーとしてキャリア平均5.2点、2.9リバウンド、1.0アシストをマークしている。

「私は現役時代、それぞれのチームでロールプレーヤーとして、いつも周囲の選手たちと上手くやってきた」と話すユドカに、コーチを目指すきっかけを与えたのはレジェンドのアイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)だったという。
 「『君ならいつかコーチになれるだろう』と私に初めて言ってくれたコーチが、私がニックスにいた時、たぶんアイザイア・トーマスだったと思う。彼は私が若手たちとも上手くやっていると言ってくれてね。『君は25得点を稼ぐスコアラーではないが、彼らは君と上手く付き合えているし、君は彼らを正しい道へとプッシュしてくれている』と言ってくれたんだ。そこから、私はコーチングキャリアについて考えるようになった。選手としてだけでなく、コーチとしても選手たちと上手くやっていこうと思ったんだ」

 スパーズのACを務めていた時には「当時若手だったカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)へよく言っていたんだ。『どうして待っているんだ?』『彼らをリスペクトしすぎるんじゃない』とね」と明かした。この“彼ら”とは、当時スパーズに所属していたティム・ダンカン、マヌ・ジノビリ、トニー・パーカーのこと。偉大なるビッグ3に対し、遠慮せずに堂々とプレーするようにプッシュしていたという。
  そしてセルティックスでは、テイタム&ブラウンというオールスターデュオを指導することとなるのだが、ユドカはこう意気込んでいた。

「私は(レナードと)同じようにジェイソンとジェイレンへ言っていくつもりだ。あの2人には限界なんてないからね。彼らは(今シーズン)オールNBAチームに選ばれなかったのだから、大きな不満を感じるべきだ。その気持ちをぶつけてプレーすべきだし、人々が間違っていたんだと証明してほしいね。でも、彼らへのメッセージとしては『どうして待っているんだ?君たちには才能があるじゃないか。ワードワークもしている。有能なリーダーとなって、もっと声を出していくチャンスだ。何も待つことなんてない。今からやってやるんだ』と言うだろうね」
  セルティックスがウォーカーの代役に誰をロースターへ加えるかは不透明だが、来季はテイタムとブラウンが今まで以上にリーダー役をこなす場面が増えるに違いない。そしてその役割は、彼らの成長を大きく後押しすることが期待できるだけに、モチベーターとしてのユドカにも注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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