五輪4連覇を狙うアメリカ代表の“懸念材料” 。12人中11人がオールスター経験者も…<DUNKSHOOT>

五輪4連覇を狙うアメリカ代表の“懸念材料” 。12人中11人がオールスター経験者も…<DUNKSHOOT>

今回のメンバーで過去に五輪を経験しているのはデュラント(左)とグリーン(右)ら3人のみとなっている。(C)Getty Image。

現地時間6月28日、東京五輪に臨むアメリカ代表チームのメンバー12人が発表された。

 レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、カワイ・レナード、アンソニー・デイビス、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンなどは不参加で、“ドリームチーム”とまでは呼べないメンバー構成ではある。それでもNBAのスター級が揃い、豪華な陣容であることは間違いない。

「国際舞台の経験がある選手がフィーチャーされ、身体能力、多才さ、バランスも備えている。ケミストリー養成のために必要なリーダーシップも存在する。私たちの目の前には試練が立ちはだかるはずだが、アメリカ人たちが誇りに思えるチームになっていくと信じている」

 代表マネージング・ディレクターのジェリー・コランジェロのそんな言葉通り、東京五輪でも圧倒的な強さをみせて4連覇を飾っても不思議はないチームなのかもしれない。ただ、メンバーを見渡していくと、少なからずの“突っ込みどころ”が存在するのも事実だ。今回は具体的にふたつの懸念材料を指摘し、2021年版チームUSAの今後を占っていきたい。
 ■ガード
デイミアン・リラード(ブレイザーズ)
ブラッドリー・ビール(ウィザーズ)
デビン・ブッカー(サンズ)
ドリュー・ホリデー(バックス)
ザック・ラビーン(ブルズ)
 
■フォワード
ケビン・デュラント(ネッツ)
ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)
ジェレミー・グラント(ピストンズ)
クリス・ミドルトン(バックス)
ジェイソン・テイタム(セルティックス) 

■センター
バム・アデバヨ(ヒート)
ケビン・ラブ(キャブズ)

 ロースターを見てまず気になるのは、コランジェロの自信に反し、代表での実績が豊富なメンバーは限られていることだ。NBAのオールスター未経験者はグラントだけというスター軍団ではあっても、過去にオリンピックに出場経験があるのはデュラント、グリーン、ラブの3人のみ。7位と惨敗した2019年のワールドカップに出場したのはテイタムとミドルトンだけだった。

  よく言えばフレッシュ、別の言い方をすれば国際舞台では経験不足のチームではあるのだろう。FIBAとNBAではコートサイズ、3ポイントラインの長さ、ディフェンス時の3秒ルールの有無、トラベリングの厳しさなど、様々な点で違いがあるのはよく知られていること。東京での戦いでは、アメリカ代表の選手たちがFIBAルールにどれだけ適応できるかも鍵になってくるのかもしれない。
  また、ホリデー、ミドルトン、ブッカーの3人には今季のNBAファイナル進出の可能性があり、準備不足になりそうなのも気になるところではある。ファイナルがもつれた場合、第7戦が行われるのは7月22日。アメリカ代表の初戦が行われるのは25日であり、かなり厳しいスケジュールとなる。

『ESPN』によると、ファイナルが長引いた際、代表の選手たちは終了後にプライベートジェットで東京入りするのだとか。そのやり方で日程的には何とか間に合うとしても、長いプレーオフを終えた選手たちがどれほどの疲労を抱えているかを読むのは難しい。

 7月4日からラスベガスで行なわれるトレーニングキャンプ、スペイン、オーストラリア、ナイジェリア、アルゼンチンとのエキジビションゲームにも参加できないだけに、チーム内のケミストリー養成にも支障が出かねない。12人中、最大3人がギリギリまで不在となる可能性があることが、チームにどんな影響を及ぼすかにも注目が集まる。
  最後にスターターを予想しておくと、リラード、ビール、テイタム、デュラント、アデバヨの5人が適任か。これまで複数の心配点を挙げてきたが、NBA最高級の選手であるデュラント、リーダーシップにも定評があるリラード、グリーンといったベテランの存在はやはり大きいはずだ。戦力が噛み合えば、圧倒的な強さで金メダルまで突っ走っても驚くべきではないのだろう。

 NBAを代表するスーパースターたちとグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチが、これからどんなチームを作っていくのか。逆境を乗り越え、東京でどれだけのスーパープレーを見せてくれるのか。不安材料もあるがゆえに、今後が余計に興味深く、五輪での戦いが楽しみでもある。

文●杉浦大介

【PHOTO】”天才スコアラー”ケビン・デュラントの厳選ショット!
 

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