伊藤美誠を中国卓球協会会長が称賛!「彼女の台頭で日本女子史上最強のチームが出来上がった」【東京五輪】

伊藤美誠を中国卓球協会会長が称賛!「彼女の台頭で日本女子史上最強のチームが出来上がった」【東京五輪】

仮想選手を作ってまで中国が警戒した伊藤。そんな彼女を劉氏が称賛した。(C)Getty Images

東京オリンピックでも、卓球競技ではやはり中国人選手の活躍が目立った。団体戦とシングルスは、男女とも中国勢が金、銀を独占。この大会だけで計7個ものメダルを持ち帰り、“卓球王国”の実力を改めて世界中に示してみせた。

 そんななかで唯一、中国勢の牙城を崩したのが、混合ダブルスにおける日本の水谷隼/伊藤美誠ペアだ。2人は同種目決勝で許昕/劉詩雯ペアをゲームカウント4-3の死闘の末に破り、見事に金メダルを獲得。しかしその伊藤も、シングルス準決勝(ゲームカウント0-4)、そして団体戦(同1-3)と、2度も孫穎莎の前に敗北を喫した。

 なぜ伊藤は孫に完敗を喫してしまったのか。その理由を、中国卓球協会の会長を務める劉国梁氏が、8月7日に放送された中国の番組『冠军之家(チャンピオンの家)』で明かしている。
 「伊藤に勝つことができたのは、しっかりと“伊藤対策”を立てたからだ。オリンピックが始まる前、私たちはいくつかの強化試合を行なった。そこで(孫が)張瑞に負けてしまったが、もう一度戦ったなかで、私たちは新たな発見や突破口を見出した。これらが(孫の)新しい戦術となり、システムに新たな試みと大きな変化が生まれたんだ。それが最大の収穫だよ」

 この劉氏の発言に出てくる張瑞という選手は、中国が“仮想・伊藤美誠”として立てたプレーヤーだ。張に対し、孫は強化試合で1度敗れてしまうのだが、その後も戦うなかで打開策を見出し、それが今大会の勝利につながったというわけだ。
  また、番組内でインタビュアーを務めた中国の著名な卓球解説者、蔡猛氏が「今後も伊藤美誠が中国卓球界の主なライバルとなるのか」と質問すると、劉氏は「もちろん」と頷き、こう答えた。

「今回のオリンピックでは中国の強さを証明することができたが、同時に世界の卓球のレベルが上がっていることも示された。女子卓球では、特に日本代表。そのなかでも、とりわけ伊藤美誠の台頭が著しい。

 彼女は日本代表を団体戦の決勝まで導き、シングルスでは3位になった。彼女は中国の選手には負けたが、それ以外の国の選手は一切寄せ付けなかった。このことは、彼女が中国のトップ選手と同レベルであることを示している。そして伊藤の台頭により、史上最強の日本女子チームが出来上がったんだ」

 伊藤を擁する現在の日本女子チームを“史上最強”と評した劉氏。その理由として、世代交代が進んだことを挙げている。
 「我々が以前知っていた日本女子最強チームは、福原愛と石川(佳純)がトップ2だった。その石川が3番手となった現状が、今の日本チームが歴代最強であることを物語っている」

 東京五輪開幕前から中国に“要注意選手”として警戒されていた伊藤は、今大会を終えてその地位を確固たるものとした。次の主要大会で中国選手と当たる際には、対策を上回るほどのパフォーマンスで勝利を掴み取ってほしい。

構成●THE DIGEST編集部

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