「この経験をラプターズへ」渡邊雄太がNBA4年目へ意気込み!日本代表について「次はもっと戦える」 <DUNKSHOOT>

「この経験をラプターズへ」渡邊雄太がNBA4年目へ意気込み!日本代表について「次はもっと戦える」 <DUNKSHOOT>

東京五輪で日本のキャプテンとして牽引した渡邊。すでに渡米し、NBA4年目に向けて動き出している。(C)Getty Images

8月12日(日本時間13日)、東京オリンピックの戦いを終えた日本代表の渡邊雄太(トロント・ラプターズ)は、ラスベガスで行なわれているサマーリーグの会場にいた。

 ラプターズのサマーリーグのロースターに名を連ねている渡邊は、現時点で試合には出場していないものの、ベンチからチームメイトたちの戦いぶりを見て、NBA4年目に向けて闘志を燃やしていた。

 この日、『The Athletic』へ掲載された記事の中で、渡邊は東京オリンピックについて「素晴らしいことでした。間違いなく一生に一度の経験になりました」と語り、グループリーグ3試合をこのように振り返っていた。

「スペイン、アルゼンチン、スロベニアと戦うのはタフでした。相手には経験がものすごく備わっていました。僕らにとって、今回は初めてのオリンピック。僕はラプターズとは全く違う役割をこなしていました。ゴー・トゥ・ガイの1人で、相手のベストプレーヤーをガードし、リバウンドも奪いに行き、全てをやらなければなりませんでした。そのなかで、僕らがチームとしてオリンピックの期間に成長できたことは確かです」
  昨季ラプターズで本契約を勝ち取った日本代表のキャプテンは、NBA50試合(うち先発4試合)の出場で平均14.5分、4.4点、3.2リバウンドに3ポイント成功率40.0%(平均0.7本成功)と、軒並み自己最高の数字を残した。

 八村塁(ワシントン・ウィザーズ)とともにエース格として臨んだオリンピックでも、渡邊は平均35.5分、17.7点、8.0リバウンド、2.0アシスト、1.67スティール、1.00ブロックと、個人としては申し分のない成績でチームを牽引した。

 スペイン戦ではリッキー・ルビオ(現クリーブランド・キャバリアーズ)、スロベニア戦ではルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)というベストプレーヤーたちを徹底マーク。日本へ勝利をもたらすべく、コート内外で奮闘した姿は多くのファンの心を揺さぶったことだろう。

 東京オリンピックは無観客のなか行なわれたが、渡邊は「僕は特に変だなと感じることはありませんでした。僕はアメリカでずっとプレーしていたので、日本のファンの前でプレーする機会が(ほとんど)ありませんでした。できることなら、家族の目の前でプレーできればいいなとは思っていました」と話す。
  それでも、やはりオリンピックの舞台でプレーできたことは特別な瞬間だったようだ。「この機会をずっと待っていました。僕らは皆、ずっと待っていたんです。1時間くらい会場を歩いていた時、『もう最高だ』と感じながらスピーチなどを聞いていました。ファンはいませんでしたが、(会場の雰囲気は)素晴らしいものでした」と渡邊。

 東京オリンピックを終え、FIBA(国際バスケットボール連盟)は世界ランキングを更新。1位から3位は順にアメリカ、スペイン、オーストラリアが不動も、初出場ながら準決勝に進出したスロベニアは16位から4位、準優勝のフランスが7位から5位、そして日本は42位から35位へと順位を上げた。

 今後は23年のFIBAワールドカップ、24年のパリオリンピックが控えているが、渡邊は「もちろん、僕らはパリで行なわれる次のオリンピックに出られるようにトライします」と意気込む。

「今の僕らには経験があります。何を期待されているのかも分かっています。次のオリンピックに出られれば、このチームはもっと戦えると分かっています。いくつか勝利もできると思います。それをワールドカップとオリンピックで見せなければなりません」
  そして「僕は絶対、この経験をラプターズへ持ち込みます。ラプターズへ戻ったら、自分の役割が減るかもしれないということは分かっています。それでも、僕はあの大会で得た経験を生かしていきます」と、NBAの新シーズンへ向け気持ちを切り替えていた。

 ラプターズは今夏、チームの象徴的存在だったカイル・ラウリーがマイアミ・ヒートへ移籍。ドラフト全体4位の新人、スコッティ・バーンズをはじめ、ゴラン・ドラギッチやプレシャス・アチウワといった新戦力が加わった。渡邊にとっては昨季と同等の出場機会を得られる保障はどこにもないが、謙虚かつ力強くこう話していた。

「僕がやるべきことは変わりません。エナジー全開でプレーしなければいけませんし、オープンショットを決めて、ディフェンスをしっかりやること。僕は今、そういったことにフォーカスしています。それに(今季の)契約も保障されているわけではありません。トレーニングキャンプが始まる時にはしっかりと準備していなければならないですし、自分がやってきたこと、どこが向上したのかをしっかりと見せつけないといけません」

 渡邊がNBAという世界最高の舞台で経験を積むことは、そのまま日本代表にもプラスへ転じるだけに、今季もラプターズで出番を勝ち取り、さらなる進化を見せてほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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