【名作シューズ列伝】アメリカ代表の“最終兵器”コビーが着用。人気モデル「HYPERDUNK」は北京五輪でデビュー!

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 今から約20年前の2000年のシドニー五輪、アメリカ代表は苦しみながらも金メダルを手にしました(奇しくも決勝の相手は東京五輪と同じフランス)。しかし、アメリカと他国との差は着実に縮まっており、02年の世界選手権(現ワールドカップ)では6位に沈み、04年のアテネオリンピックでは銅メダル、そして06年に日本で開催された世界選手権でも3位と、そこに“バスケ最強国”の姿はありませんでした。

 なお、04年の代表は、カレッジ界の名将“コーチK”ことマイク・シャシェフスキーの下、チームの将来を見据えて当時NBA1年目を終えたばかりのレブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、カーメロ・アンソニーなど若手のスター選手を招集しました。

 ただ前述のように頂点に立つことはできず、彼らが参加した06年の世界選手権も敗退。そこでチームは08年の北京五輪に向けてコビー・ブライアントを代表に招集。当時リーグを支配していた名スコアラーの加入で、アメリカに対する期待度と注目度は一気に高まりました。
 “最終兵器”のコビーが加わったアメリカは前年のアメリカチャンピオンシップで優勝を飾ります。そして北京五輪では予選ラウンドで中国、アンゴラ、ギリシャ、スペインを20点以上の大差で圧倒。

 決勝ラウンドもオーストラリア、アルゼンチンと今までの苦戦が嘘のように勝ち進みます。決勝のスペイン戦は苦戦を強いられましたが、コビーが20得点、6アシスト、試合終盤にはクラッチプレーを見せて相手を振り切り、アメリカに2大会ぶりの金メダルをもたらしました。


 
 この大会でコビーが着用したのは、前年のレギュラーシーズンで着用した「KOBE 3」ではなく、のちにNIKEの看板モデルとなる「HYPERDUNK」(今回紹介するモデルの正式名は「NIKE HYPERDUNK-UNITED WE RISE」)でした。



 コビーの意見を反映させて開発された1足は、13オンス(約370g)という超軽量シューズで、最新テクノロジー「フライワイヤー」(強化ナイロン製のワイヤー)で踵から足首、甲、つま先と足全体を覆うようにシューズの骨格を形成されたプロダクトを作り出しています。



 足の形に沿って細かく配置された「フライワイヤー」は、テーピングのような機能で軽量化とサポート力を生み出しプレーヤーの素早い動きに対応します。
  クッショニングシステムは、今やお馴染みとなったズームエア。大型のヒールカウンターは、独立して宙に浮く形で配置。アウトソールは、耐摩耗性に優れたラバーに選手の動きに合わせた「ナチュラルモーションシステム」というNIKEフリーの技術を応用したパターンが施されています。



 カラーウェイは、チームカラーとUSAのテーマ「トライバルパターン」で、シュータンにはシューズ名にもなっている「UNITED WE RISE」のエンブレムが鎮座しています。



 BOXは、USAナショナルカラーの紺地に黄金の「UNITED WE RISE」のエンブレム。引き出し式の内箱は赤にトライバルパターン」が刷り込まれ、オリンピックモデルであることをより一層引き立たせます。内箱の中には、コビーロゴが入った金の布製のシューケースが入っています。
  北京大会では、コビーのほかにも中国のイ・ジャンリャンやアルゼンチンのマヌ・ジノビリ、ドイツのダーク・ノビツキーなど多くの選手たちが「HYPERDUNK」の代表カラーを着用し話題になりました。



 五輪やワールドカップといった国際舞台はシューズメーカーにとって最高のプロモーションの機会です。その結果「HYPERDUNK」は“五輪効果”でナイキの主要モデルとなりました。

 東京五輪はコロナの影響もあって既存のバッシュを履いている選手が多かったですが、23年のパリ五輪では、主要ブランドの最新昨からマニアックなメーカーの1足まで、様々なバッシュがコートを彩っていることを期待しています。

文●西塚克之
【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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