アデトクンボ弟、メッリ、ダニエルズ…NBAからユーロリーグへ旅立った選手たち&新シーズンの注目チームを紹介<DUNKSHOOT>

アデトクンボ弟、メッリ、ダニエルズ…NBAからユーロリーグへ旅立った選手たち&新シーズンの注目チームを紹介<DUNKSHOOT>

アデトクンボ(左)、メッリ(右)といった元NBAプレーヤーたちが来季、ユーロリーグに舞台を移してプレーする。(C)Getty Images

東京オリンピックも終わり、9月30日のユーロリーグ開幕に向けて、ヨーロッパのクラブもトレーニングキャンプを開始した。

 各チームともロースターも整いつつあるところで、この夏の目立った補強をピックアップしていこう。

 まず、積極補強を敢行したのがオリンピア・ミラノだ。

 昨季、現行のリーグの形になって以降初のファイナル4進出を果たしたイタリアの強豪は、セミファイナルでバルセロナに惜敗したものの、3位決定戦でCSKAモスクワを下してシーズンを終えた。

 ヘッドコーチのエットーレ・メッシーナは、「ここからさらに前進していく」と、将来へ向けての布石であることをアピール。昨季のスターターから、アメリカ人ビッグマンのザック・レデイ(→パルチザン)とセルビア人フォワードのウラジミール・ミコフ(ブドゥチノスト・ボリ)、アメリカ人ガードのケビン・パンター(パルチザン)が移籍したが、オリンピックでイタリア代表の準々決勝進出に貢献したニコロ・メッリ(元ダラス・マーベリックス)が7年ぶりにカムバック。同じくNBAからは、シューターのトロイ・ダニエルズ(元フェニックス・サンズほか)も迎え入れた。
  バージニア・コモンウェルス大に所属したNCAA時代には3ポイント11本を決めた試合もあるなど、若い頃からロングシューターとして鳴らした彼は、339試合出場したNBAでも通算3ポイント成功率39.5%を誇る。同じくNBA経験者の司令塔マルコム・デラニーとのハイテンポなコンビプレーも期待できそうだ。

 NBAからはほかに、トニー・パーカーがオーナーを務めるアスベルへ、ロサンゼルス・レイカーズからヤニスの弟、コスタス・アテトクンボが入団。アスベルからはこの夏、オリンピックで活躍したフランス代表のビッグマン2人が退団した。センターのムスタファ・フォールはオリンピアコス、ガーション・ヤブセレはレアル・マドリーと、それぞれビッグクラブにステップアップした形だ。

 さらにNBAで優勝経験のあるノリス・コールもスペインのウニカハへと移籍。スターターは大きく入れ替わることになるが、欧州リーグ初参戦のコスタスについては未知数な部分も多く、シーズン序盤は様子見といったところか。
  イスラエルのマッカビ・テルアビブは、昨季終盤の5月13日にミルウォーキー・バックスに加入して即NBAチャンピオンになったイライジャ・ブライアントの後釜として、9年間のプロキャリアで15チームを渡り歩いてきたジャーニーマンのジェームズ・ナナリー(元ニューオーリンズ・ペリカンズほか)を獲得した。フェネルバフチェとミラノでユーロリーグを経験しているベテランは、即戦力として期待されている。

 そして昨季、ユーロリーグ参戦2年目にしてプレーオフに進出し、バルセロナと5戦に及ぶ死闘を演じたロシアのゼニト・サンクトペテルブルクには、2019−20シーズンにワシントン・ウィザーズで八村塁と共闘しているポイントガードのシャバズ・ネイピアーが加わった。

 コネティカット時代にはNCAAで2度の優勝しているネイピアーも、6年間のNBAキャリアで6球団を経験。昨季に司令塔を務めたケビン・パンゴスに代わり、リーダー役を求めているチームの救世主になれるか。
  同じく成長著しいバイエルン・ミュンヘンでは、ジェイレン・レイノルズ、ウェイド・ボールドウィン四世、ジャジュアン・ジョンソンのアメリカ人トリオが解散。レイノルズはマッカビ、ボールドウィン四世はバスコニア、ジョンソンはトルコのトゥルク・テレコムと、それぞれ別のチームで新たなキャリアを築く。

 昨プレーオフでミラノと最終戦まで熾烈な戦いを演じた彼らに代わるスターターには若手を昇格させることになりそうだが、昨季Bリーグのアルバルク東京でプレーしたデション・トーマスも、ベテランの経験値を加味してくれそうだ。

 欧州選手の注目移籍では、2018年と昨季にユーロリーグ得点王に輝いたロシア代表のアレクセイ・シュベドが、17歳でプロデビューした古巣CSKAに復帰。昨季まで6年間在籍していたヒムキではタイトルと無縁だったが、今季は彼の姿をファイナル4で見られるかもしれない。

 CSKAは昨季終盤にマイク・ジェームズがNBAのブルックリン・ネッツに移籍したあと、チームケミストリーは深まったが、爆発的な得点力が失われた感は否めなかった。シュベドの獲得は、ジグソーパズルのピースを埋めた感じだ。さらに、昨季3ポイント成功率45.6%を記録したリトアニア代表のシューター、マリウス・グリゴニスもジャルギリス・カウナスから補強している。
  もう1人、ブレイクが期待されるのが、スペインのバスコニアからトルコのフェネルバフチェに移籍したアメリカ人ガードのピエリア・ヘンリーだ。彼が加入した2019−20シーズン、バスコニアは10年ぶりの国内タイトルを獲得。2年連続でユーロリーグのスティール王に輝き、アシスト力も高いヘンリーと、フランス代表の頭脳派ナンド・デ・コロ、タイプの違う2人のガードは面白いコンビになりそうだ。

 最後に昨季のトップ2チーム、アナドル・エフェスとバルセロナは主力に手を加えず熟成路線だ。
  そのなかでも準優勝のバルセロナは、ライバルのレアルから、オリンピックでも活躍したアルゼンチン代表のPGニコラス・ラプロビットラを獲得。今年のNBAドラフトでオクラホマシティー・サンダーから全体34位で指名(その後ニューヨーク・ニックスにトレード)された、リトアニア期待のPGロカス・ヨクバイティスも、師匠のサルーナス・ヤシケビシャスHCに引き抜かれた。NBA 行きに備えて磨きをかけるシーズンとなる。

 ディフェンディング・チャンピオンのエフェスも、シェーン・ラーキンと昨季のMVPヴァシリエ・ミチッチの両エースが残留。さらにケミストリーを向上させてタイトル防衛に挑む。

文●小川由紀子

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