「こんなの不公平だ」ロバートソンが嘆き。昨季のウエストブルックは「MVPを勝ち取るべきだった」<DUNKSHOOT>

「こんなの不公平だ」ロバートソンが嘆き。昨季のウエストブルックは「MVPを勝ち取るべきだった」<DUNKSHOOT>

ロバートソン(左)は昨季のMVP投票に苦言。ウエストブルック(右)が取るべきだったと主張した。(C)Getty Images

2020-21レギュラーシーズンのMVPは、デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビード、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーが最終候補に入り、101の1位票のうち91票を獲得したヨキッチが初受賞となった。

 セルビア出身のヨキッチはキャリア6シーズン目となった昨季、72試合の出場で平均26.4点、10.8リバウンド、8.3アシスト、1.3スティールにフィールドゴール56.6%、フリースロー86.8%をマーク。いずれも自己最高の成績で、圧倒的な支持を集めた。

 だが、レジェンドのオスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズほか)は、通算4度目の平均トリプルダブル(22.2点、11.5リバウンド、11.7アシスト)を叩き出し、ワシントン・ウィザーズをプレーオフへと押し上げたラッセル・ウエストブルック(現ロサンゼルス・レイカーズ)を推していた。

「私はウエストブルックだと見ていた。彼はまたしても(平均で)トリプルダブルを残した。誰もこの事実に注目していないし、どれほど凄いことかを分かっていない。こんなの全くもって不公平だ。彼がまた(MVPを)勝ち取るべきだったと思う。もしまた彼が(平均で)トリプルダブルを残しても(MVPを)獲得できなかったら、スタッツを統計する意味があるか?」
  ロバートソンは8月25日(現地時間)にYouTubeへ公開された『The Players' Tribune』のポッドキャスト番組「The Knuckleheads podcast」へそう語り、昨季ウエストブルックが見せたパフォーマンスが正当に評価されていないことを嘆いていた。

 キャリア13シーズン目となった昨季、ウエストブルックは開幕直後に2連戦の2戦目を欠場したほか、大腿四頭筋を痛めたことで計7試合を欠場。だが、一時はリーグワーストに沈んでいたウィザーズで4月上旬からトリプルダブルを連発し、プレーオフ進出へと導いた立役者だったことは疑いようのない事実。

 また、ロバートソンが持つ不滅の記録とも言われた181回を抜き去り、昨季終了時点で184回と、通算トリプルダブル数でもNBA歴代トップに躍り出るなど、強烈なインパクトを残していた。

 だが昨季ウエストブルックは7年ぶりにオールスター入りを逃がし、オールNBAチームにも落選。MVP投票では5ポイントを獲得したものの、リバウンドとアシストでキャリアハイの成績を残した選手としては不当と言ってもいい結果に終わっていた。
 「私はウエストブルックのことを素晴らしい選手だと見ている。でもスポーツライターたちはおかしな理由をつけたがる。『おっ、彼はまたトリプルダブルしたのか。でも負けてしまったからな』とかね。だから何だというんだ?よく見てみろ。毎年勝利して終われるのは1チームしかないんだから」

 ウエストブルックが繰り出す圧巻のプレー、全身からみなぎる溢れんばかりのエナジー、負けず嫌いで闘争心旺盛な部分は現役選手で見ても随一のレベルにある。プレーオフでは1回戦でシクサーズに1勝4敗で敗れたとはいえ、もっと評価されてもいいパフォーマンスだったことは間違いない。
  32歳の万能型ポイントガードは、ウィザーズで嵐のような1シーズンを終え、新天地レイカーズではレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスと共にスーパースタートリオを形成する。この男なら、一昨季の覇者レイカーズへ新たなエナジーとインテンシティを持ち込み、一段階引き上げることができるのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

関連記事(外部サイト)