【名作シューズ列伝】東京五輪でデュラントが着用予定も、延期で“幻のモデル”になった「KD13 EP」

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 2020年2月、東京五輪に向けたアメリカ代表候補44人が発表。そのなかにはレブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、アンソニー・デイビス、ポール・ジョージ、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービング、カワイ・レナード、クリス・ポール、ラッセル・ウエストブルックなど多くのビッグネームが名を連ねていました。

 ところがその1か月後に新型コロナウイルスの影響でNBAの2019-20シーズンは中断し、リーグはスケジュールやフォーマットの変更を余儀なくされます。

 結局シーズンが幕を閉じたのは10月(通常は6月)。1年先延ばしになった五輪において、上記の選手たちは休暇や個人的な理由で出場を辞退しました。

 そんななか、ケビン・デュラントは早い段階でチームUSAの参加を決意し、東京に乗り込みます。ただチームは予選ラウンド初戦で、フランスにまさかの敗北。大会前のメンバー離脱、準備期間の短さゆえのケミストリー不足、そして他国のレベルアップもあり、大会4連覇に暗雲が立ち込めました。
  しかし、アメリカはこの敗戦を機に一致団結。続くイランとチェコに快勝すると、決勝ラウンドではデュラントが躍動します。

 12年のロンドン、16年のリオ大会でも見事なパフォーマンスを披露した万能スコアラーは、スペインとの準決勝で29得点、4アシストをあげ、準決勝ではオーストラリア相手に23得点、9リバウンドで勝利の立役者に。

 決勝で激突したのは初戦で苦杯を舐めたフランス。バスケ大国のプライドをかけた大一番で、デュラントはチームトップの29得点に6リバウンド、3アシストをあげて母国に金メダルをもたらし、大会のオールスターチームとMVPに選出されました。



 今回紹介する「KD13 EP」は、20年8月に五輪モデルとしてリリースされました。紺、赤、白のアメリカ代表カラーに彩られた1足は、シュータンとインソールに「KEVIN DURANT No.7」、ヒールに「kd」マーク、アウトソールのパーツにオートグラフがシンプルかつセンス良く配置されています。
  機能面はフルレングスのNike Air Zoom、フロント部分に搭載された第2のZoom Airユニットがエネルギーリターンを実現。アッパーは4方向の動きに高い伸縮性を発揮する「QUAD AXIAL FLYWIRE」を採用しています。



 BOXは非常に上品な仕上がりで、全体がホワイトに近いグレー、上蓋にはシルバーで「KEVIN DURANT No.7」がプリントされています。側面のオートグラフと「kd」ロゴも必要最低限で、五輪モデル特有の押しの強さはありません。
  ただご存知の通り、20年の五輪は新型コロナによって延期になり、「KD13 EP」は“幻のモデル”になってしまいました…。



 ちなみに今夏にデュラントは、通常の「KD14」を着用しました。直前まで開催が不透明で、昨年の二の足を踏みたくなかったというブランドの意図は理解できます。



 それでもスペシャルモデルが少なかった今大会は、コレクターとして一抹の寂しさを感じました。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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