「感謝している」ボッシュがヒート時代の恩師にメッセージ「僕のビジョンを広げてくれた」<DUNKSHOOT>

「感謝している」ボッシュがヒート時代の恩師にメッセージ「僕のビジョンを広げてくれた」<DUNKSHOOT>

今年殿堂入りを果たすボッシュはヒート時代にスポールストラ(左)の下でプレーし、2度の優勝を経験した。(C)Getty Images

今年のバスケットボール殿堂入り式典は、現地時間9月11日にマサチューセッツ州スプリングフィールドで開催される。

 元選手ではポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)やベン・ウォーレス(元デトロイト・ピストンズほか)、クリス・ウェバー(元サクラメント・キングスほか)、トニー・クーコッチ(元シカゴ・ブルズほか)が歴史に名を刻むが、近年のNBAファンにとって最も馴染みがあるのは、クリス・ボッシュ(元トロント・ラプターズほか)だろう。

 昨年ボッシュは殿堂入りの最終候補に入るも、コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)という3人のスーパースターの前に落選していた。

 2003年のドラフト1巡目全体4位でラプターズから指名されてNBA入りしたボッシュは、機動力とシュート力を兼備したビッグマンとして頭角を現し、オールスターの常連に成長。10年夏にはドラフト同期のレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)とともにマイアミ・ヒートへ移籍し、ドゥエイン・ウェイドとスリーキングスを形成。ファーストオプションだったラプターズ時代から一転して3番手となったものの、それでも貴重な戦力として12、13年の連覇に大きく貢献した。
  7日に米放送局『ESPN』へ掲載された記事のなかで、ボッシュはヒート時代のヘッドコーチ(HC)、エリック・スポールストラに感謝していた。

「スポーには感謝している。彼がオフェンス面で僕のビジョンを広げてくれたからね。彼は速く走りたがっていた。ミスマッチを作り出して、オフェンスとディフェンスでスピード面のアドバンテージを作りたかったんだ」

 スリーキングス結成1年目の10-11シーズン、ヒートはプレーオフでイースタン・カンファレンスを勝ち上がったものの、NBAファイナルでダーク・ノビツキー率いるダラス・マーベリックスに2勝4敗で敗れていた。

 そこでヒートのスポールストラHCはレブロン、ウェイド、ボッシュの力を最大限に引き出すべく、機動力優先のスモールボールに切り替えた。

「僕らは2011年のファイナルで学んだのさ。その後にスポーは『我々は(フロアを)広げてプレーして、速いペースでプレーしていく。クリス、君には5番(センター)を務めてほしい』と言ってきたんだ」

 ヒートはレブロン、ウェイドというプレーメーカー兼フィニッシャーの周囲にロールプレーヤーやシューターを配置し、ボッシュをセンターとして起用するスモールボールの戦術を遂行。
  米データサイト『Basketball Reference』によると、ボッシュはヒート移籍1年目の10-11シーズンに86%をパワーフォワード、14%をセンターでプレーしていた。しかし翌11-12シーズンは49%と51%へ、12-13シーズンには100%センター起用となり、チームは連覇を達成している。

 当時のヒートのロースターにはユドニス・ハズレムやクリス・アンダーセンといったビッグマンもいたのだが。試合終盤には211センチ・106キロのボッシュ、203センチ・99キロのシェーン・バティエがフロントラインを形成することが多々あった。

 ボッシュは「僕らは自分たちのディフェンスを信じた。タフになってやろうと戦ったんだ」と振り返り、さらにこう続けている。

「自分たちの持つスピードを生かし、レブロンやウェイドをパッシングレーンに置きたかった。そして長さを駆使して袋叩きにしたかったのさ。その当時はスクリーン&ロールが何度もあって、僕らはブリッツしたり、後から複数でダブルを仕掛けていたんだ」
  ヒートがこのディフェンスを遂行するうえで、高い身体能力に強靭な肉体も持ち合わせるレブロン、ウェイドの貢献はもちろんのこと、高さと長さ、さらにはクイックネスも兼備したボッシュの働きが大きな要素となっていたことは言うまでもない。

 14年にレブロンが退団したことで、ヒートはボッシュとウェイドの2枚看板体制となったが、15年に血栓が見つかったことでシーズン後半戦に離脱。17年にヒートから契約を解除されてユニフォームを脱いだ。

 レブロンやウェイドほどのインパクトはなかったが、ヒート2度の優勝はこの男抜きには達成できなかった。オールスター選出11度を誇るボッシュは、連覇を達成したヒートの主要人物として今後もファンの記憶に残り続けるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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