誰がとっても初の賞金女王! “黄金、狭間、プラチナ世代”が集結した上位4名の女子ゴルフのシーズン終盤戦を大予想

誰がとっても初の賞金女王! “黄金、狭間、プラチナ世代”が集結した上位4名の女子ゴルフのシーズン終盤戦を大予想

フレッシュな顔ぶれが揃っている今季の賞金女王争い。はたして誰が初の栄冠をつかみ取るのか。(C)Getty Images

国内女子ツアーも残すところ9試合となり、いよいよカウントダウンに入った。

 現在、賞金ランキングの首位を独走しているのが、今季8勝を挙げている稲見萌寧だ。得賞金額が唯一2億円を突破している彼女を約3000万円の差で追うのが小祝さくらで、開幕前から賞金女王を狙うと宣言しただけあり、今季5勝で順調に獲得賞金を積み重ねてきた。

 そして、その2人を追うのが、西村優菜(3位)と古江彩佳(4位)だ。前者は開幕当初こそ4戦して3戦が予選落ちとつまずいたものの、昨年の『樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメント』でツアー初優勝を飾ると、その後3勝を加えて着実に賞金ランキングを上げている。後者も昨年3勝を挙げ、今年も安定感のあるゴルフでレース上位をキープしている。

 勝負事は下駄を履くまでわからないと言われるが、残り試合数と現状を考えて、今季の賞金女王は上に挙げた4人に絞られると考えていいだろう。
  小祝が黄金世代で西村と古江がプラチナ世代、稲見がその間の狭間世代となり、誰が1位になっても初の賞金女王のタイトルを獲得する。過去の例を見ても、ここまでフレッシュな面々で争われた例はない。果たしてどのような賞金女王争いを終盤戦に繰り広げるのだろうか。

 順当に考えれば、今年に入ってから圧倒的な強さを見せ、現在トップに立っている稲見がそのまま逃げ切る可能性が大きい。現在ツアー通算9勝を挙げており、目標とする通算10勝まであと1勝というモチベーションもある。

 今季の戦い方や、銀メダルを獲得した東京五輪を見る限り、照準を合わせた試合にベストコンディションを持っていくのも巧みなだけに、終盤戦の賞金額が高い大会を制したりすると、その地位は盤石となりそうだ。

 2位の小祝は夏場に2週連続優勝しているものの、その2試合を除くと直近10試合で予選落ちが2回、トップテン入りが0回というのが気になるところ。全試合出場のアイアンレディだが、終盤戦にこれまでの疲労がどう影響するかがキーポイントになるだろう。
  今、最も勢いがあるのは西村だ。『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』では最終日に63をマークし、首位との5打差を逆転したかと思うと、翌週の『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』では初日から一度も首位を譲れない完全優勝で2週連続優勝を飾って見せた。

 その西村を逃がさまいと追いかけるのが古江。『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』では3位タイでフィニッシュし、8試合ぶりにトップテン入りを果たした。後半のハーフでスコアを3つ伸ばした姿は、同学年の西村に負けたくないという気持ちが伝わってくる。

 ちなみに、昨年の『日本女子オープン』から最終戦の『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』までに4人がいくら稼いだのか計算してみた。稲見は2315万7216円(1勝+トップテン2回)、小祝は2270万2208円(未勝利、トップテン3回)、西村は3622万円(1勝+トップテン3回)、古江は6647万992円(2勝+トップテン3回)となっている。

 比較的どの選手も終盤戦に強さを見せるが、古江の圧倒的な強さを感じる。細かい数字を出すと、稲見との差は、小祝が3346万3066円、西村が5344万7093円、古江が6828万4074円だ。数字的にはやはり稲見を逆転するのは難しいようにも見える。やはり、稲見が後方からの激しい追い上げをかわしつつ、ゴールテープを切るという流れになるのではないか。
  しかし、先に挙げた終盤戦での獲得賞金額は8試合での合計になる。今年は昨年中止された『NOBUTA GROUPマスターズGCレディス』が開催されるのだ。この試合は優勝賞金が3600万円と高額のため、成績次第では稲見との差をさらに縮めることができる。

 また、『TOTOジャパンクラシック』では賞金総額が1億6000万円から200万ドルにアップ。優勝賞金も2400万円から約3270万円になると予想されるため、この2試合での結果が賞金女王レースを左右するだろう。

 試合数が少なくなるほど、周囲から賞金女王についてのコメントを聞かれる機会も増える。4人とも今まで経験していないだけに、ナーバスになる部分もあるだろう。それを乗り越え、どれだけのパフォーマンスを見せられるか。どちらにせよ、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が参戦しているMLBのアメリカン・リーグのホームラン王争いに負けないぐらいの熱い戦いを期待したい。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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