「カットは時速100マイルにもなる」指揮官から激賞された渡邊雄太。しかし、ふくらはぎの張りでプレシーズン全休の可能性が浮上<DUNKSHOOT>

「カットは時速100マイルにもなる」指揮官から激賞された渡邊雄太。しかし、ふくらはぎの張りでプレシーズン全休の可能性が浮上<DUNKSHOOT>

プレシーズン初戦で豪快なダンクを決める渡邊。10得点をあげてチームの勝利に貢献した。(C)Getty Images

「一年越しによーやくトロントのアリーナでプレーできて最高でした」

 10月4日(日本時間5日、日付は以下同)、トロント・ラプターズの渡邊雄太は、在籍2シーズン目にして初めて本拠地のスコシアバンク・アリーナでプレーできた喜びを自身のツイッターに記した。

 ホームでフィラデルフィア・セブンティシクサーズとのプレシーズン初戦に臨んだラプターズは、前半に2桁のリードを奪うと、後半もリズムを保って123−107で快勝。会場には8016人のファンが詰めかけ、久々に目の前で戦う地元チームに熱い声援を送ったことは言うまでもない。

 渡邊は第1クォーターにベンチから出場すると、早々にアンドレ・ドラモンドのショットを左腕1本でブロック。そのおよそ1分後にはシェイク・ミルトンのドライブもシャットアウトするなど、まずは得意の守備で存在感を示した。

 攻撃面でも、第1クォーター残り2分46秒にフレッド・ヴァンブリートのパスからボースハンドダンクで初得点。さらに同1分8秒にはシヴィ・ミハイルークのキックアウトから鮮やかな3ポイントを決めてみせた。
  その後も勢いは止まらず、注目ルーキーのスコッティ・バーンズのアシストからボースハンドダンク、第4クォーターには右ウイングから2本目の3ポイントを沈めるなど、約17分の出場で10得点、7リバウンド、2アシスト、1スティール、2ブロックをマーク。試合を通じてチーム3位の+17(出場時の得失点差)をあげて勝利に貢献した。

 今年4月にラプターズと本契約を結んだ渡邊は、現時点で今季の契約が保障されているわけではない。それでも、プレシーズン初戦で見せた攻守両面におけるパフォーマンスに、ニック・ナース・ヘッドコーチは「確かに彼は今、ローテーション入りしている」と口にしており、こうも話している。

「彼は極めて本能でプレーする選手。バックカットからレイアップを決める選手なんているか? ユウタがまさにそれなんだ。(今後は)味方へパスするという選択肢を加えてくれるといいね。彼は常にフルスピードでプレーする。彼がカットしていく時は時速100マイルにもなるのさ」

 これは指揮官が渡邊のハードワークを称えていると同時に、今後に向けてさらにプレーの幅を広げてほしいという要望だと受け取っていいだろう。
 「僕の契約はまだ保障されていません。だから常に競争していますが、僕はその環境を気に入っています。ここ数年やってきましたし、その競争が僕を成長させてくれました。なので止まることなく、これからも戦い続けますし、競い合いを続けていきます」

 プレシーズン前の会見でそう語った渡邊は、開幕ロースター入りに向けて熾烈な競争の渦中にいる。そしてプレシーズン初戦では、チームに不可欠なピースであると、確実にアピールに成功したと言っていい。
  もっとも、7日に敵地で開催されるシクサーズ戦は、左ふくらはぎの張りのためチームに帯同しないことが明らかとなった。通常、ふくらはぎの張りが出た場合、2〜3週間の離脱となることが多く、レギュラーシーズン開幕前であればなおさらだと米メディア『The Athletic』は報じている。

 そのため、渡邊はプレシーズン残り4試合を全休する可能性もある。はたして、日本代表のキャプテンのNBAキャリア4シーズン目はどのような幕開けとなるのだろうか。今後の展開から目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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