バレー女子代表監督に復帰の眞鍋新監督が就任会見。「パリを逃せば、マイナー競技になってしまう」と強い危機感

バレー女子代表監督に復帰の眞鍋新監督が就任会見。「パリを逃せば、マイナー競技になってしまう」と強い危機感

5年ぶりに女子代表監督に就任した眞鍋政義氏。写真:日本バレーボール協会

日本バレーボール協会(JVA)は10月22日、眞鍋政義・女子代表新監督のオンライン記者会見を開いた。5年ぶりに女子代表監督に復帰の眞鍋新監督は「パリ五輪の出場を逃せば、女子バレーはマイナー競技になってしまう」と、現状に強い危機感を示し、「東京五輪をしっかりと反省するところから始め、過去をリセットし新しい女子バレーのスタイルを追求したい」と抱負を語った。

 嶋岡健治JVA会長は「監督候補者選考委員会で外国人を含む男女5人の推薦を受けて議論。いろんな経験を持つ真鍋さんに、(3年の)短期間でパリの出場権を確保してほしいとお願いした」と選考理由を説明し、「最低でも東京五輪で果たせなかった決勝トーナメントに進出し、女子の地位を高めてほしい。厳しい状況なので協会のすべての力を結集し、彼を支えたい」と期待を込めた。

 眞鍋新監督は、具体的なチーム作りについて、現時点で現東京五輪の分析が十分に出来ていないことから「チームがスタートする来年4月中旬以降に話したい」と説明を避け、「この難局をオールジャパンで乗り越え、最低条件としてパリ五輪出場権獲得」を目標に掲げた。
  目指すバレーのひとつとして、東京五輪の解説者としての経験を踏まえ「日本女子復活のヒントがたくさんあった」として、男子で金メダルを獲得したフランスと銅メダルのアルゼンチンの戦いぶりを挙げた。

「両チームとも平均身長は高くないが、失点が少なく結束力が高かった。『小よく大を制す』で日本のお手本になるチーム。アタックをシャットされる率も低く、サーブミスも少ない。ビッグサーバーもいるというストロングポイントがあれば、金メダルも取れる。身長の低い日本が世界と同じことをしていても勝てない。日本女子のオリジナルを求め、新しい女子バレーのスタイルを追求したい」

 また、解説席から見た日本女子代表について「スピードや横の変化は強みだが、世界と修羅場で戦う経験が少なく、世界の指導者とのネットワークも弱い。世界と比べて選手の想像力や工夫する力も弱い」とも指摘した。
  パリ五輪まで、あと3年。五輪出場権をかけた試合は、チームのスタートから1年数か月後に始まる。再建の時間は少なく火中の栗を拾った格好だが、眞鍋新監督は「難局で悩んだが(男子代表選手として)33歳でアトランタ五輪をかけた試合に負けた悔しさと、日の丸にかける思いは強い」と、引き受けた理由を説明した。関係者によると、「真鍋氏を推薦したのは、Vリーグチームの総意」といい、オールジャパンでの支援体制が望める点も、決断を後押ししたとみられる。

 10月14日の理事会で承認されたばかりの、JVAの男女強化を担当する矢島久徳・ハイパフォーマンス事業本部長は「より良い結果を出すためにより多くの努力が求められる。バレーにかかわるすべての方々に支援をいただけるよう、関係各所とコミュニケーションを取って物事を進めたい」と語り、十分な議論が少ないままに物事を進めてきたといわれる旧強化体制からの決別を強調した。
  また、同様に新任の中村貴司・女子強化委員長は「スタッフや選手が持てる力を発揮できるような環境づくりを行ない、パリ、ロサンゼルス以降につながる若手を、中学・高校・大学の関係者と連携を取って発掘・育成に努めたい」と、強化方針の一端を示した。

 眞鍋新監督は、大商大出身。Vリーグの新日鉄(現堺)などで選手として活躍。監督として男子の新日鉄、女子の久光製薬(現久光)の男女チームをリーグ優勝に導いた。2008年12月に女子代表監督就任が決まり、12年のロンドン五輪で銅メダル。リオデジャネイロ五輪後の16年10月に退任した。出身地の兵庫県姫路市で発足したVリーグ女子の「ヴィクトリーナ姫路」の球団オーナーを務めていたが、退任し代表監督に専念する。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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