古江彩佳が賞金女王トップに“約397万円差”で肉薄! ライバル稲見萌寧も称賛する「隙のないゴルフ」とは?

古江彩佳が賞金女王トップに“約397万円差”で肉薄! ライバル稲見萌寧も称賛する「隙のないゴルフ」とは?

直近4戦で3勝を挙げている古江。賞金女王争いも1位の稲見に急接近中だ。(C)Getty Images

国内女子ツアー単独の特別公認競技として開催された今年の『TOTOジャパンクラシック』。最終日(11月7日)は、賞金ランキング1位の稲見萌寧、2位につける古江彩佳の一騎打ちとなった。

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 ともにアンダーパーでフィニッシュしたものの、勝利を掴んだのは3バーディ・ノーボギーの「69」で回った古江。通算16アンダーにまでスコアを伸ばし、最終的に3打差をつける圧巻の逃げ切りで、今季6勝目&ツアー通算7勝目を飾った。

 優勝賞金3300万円を加えた古江の今季の獲得賞金額は、これで2億3059万7575円。稲見とは396万8474円差にまで縮まり、賞金女王争いはますます混沌としている。では、過去4戦で3勝と猛追を見せる古江の強さはどこにあるのだろうか。

 開催コースの瀬田ゴルフコース北コースは、グリーンの傾斜が緩やかではないうえに、スピードを速くしたため、ピンの位置によってはバーディ奪取が難しくなるセッティングだった。
  3日目を終えて13アンダーまでスコアを伸ばしていた古江だが、「何が起こるか分からない」と慎重な攻めをスタート前に考えていた。その一方で自分がアンダーパーで回れば、優勝のチャンスは十分あるという思いもあったという。

 アンダーパーで回るにはバーディが必須になると同時に、ボギーを叩かないことも大きなウエイトを占める。いくらバーディを取ろうとも、それ以上のボギーを叩けばオーバーパーになるからだ。

 ただ、古江の場合、戦略上でもボギーを叩くのは禁物だという。本人も「1つボギーを打つと相手に隙を見せることになりますからね」と語っており、とくに最終日を首位で迎えたときは“隙のないゴルフ”を心がけていた。

“隙のないゴルフ”――。この考え方が強まったのは、今年7月に出場した『アムンディエビアン選手権』で優勝したミンジー・リーと最終日に同組で回ったのがきっかけだった。

 この試合でリーは7バーディ・ノーボギーの「64」で回り、プレーオフに参戦して勝利を手にした。記録した7つのバーディのうち4つは終盤の5ホールで奪ったものであり、前半は必死にパーセーブをする我慢のゴルフを続けていた。
  この当時の心境を古江は「バーディを獲ることも大事ではあるんですけど、パーセーブは本当に大事だなと思わせてくれた1日でした」と振り返る。仮に1つでもボギーを叩いていれば、プレーオフには残れなかっただけに、その印象が強まったのかもしれない。

 確かに、たとえ1バーディでもノーボギーならアンダーパーで回ることができる。結果的に今大会で古江は決勝ラウンドの2日間をノーボギーでフィニッシュしているが、ボギーを打たないように心がけていることが3つあるという。

 1つがティーショットでフェアウェイを外さない。そして2つ目が長いクラブを持つときはとくに意識しているという上りのラインを残す。そして3つ目がファーストパットで確実にカップに寄せるという一連の作業だ。見ている分には不安は感じさせないが、本人のなかでは、たとえパーオンしてもファーストパットを打つまでは安心できないという。
  どれも当たり前の基礎動作だ。しかし、それを確実に行なえるところが古江の強さであり、今の好調を支える源になっているのではないだろうか。実際、最終日のフェアウェイキープ率は100%であり、グリーンを外したのもわずかに2回だけだった。

 その古江のプレーを目の当たりにした稲見も「ショットもすごいですけど、それ以上にパットとアプローチがめちゃくちゃ上手だなと感じます」と評する。まさにボギーを叩いて隙を全く見せないゴルフなのだ。

 もっとも稲見も腰痛で棄権と欠場を挟みながら、しっかり単独2位に入ったのはさすがのひと言に尽きる。しかも本来のスイングと比べて6割程度しかできないのにかかわらず、だ。

 女子ツアーも残り3試合となったが、古江にとって昨年優勝→優勝→2位と好結果を出した相性のいい大会が続く。また、それを黙って見ている稲見でもないだろう。賞金女王争いは、最終戦の最終日まで目が離せなくなったのは間違いない。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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