武藤敬司のグランドスラム達成、IWGP統一に困惑、ジュリア、衝撃の丸坊主――2021年プロレス5大ニュース

武藤敬司のグランドスラム達成、IWGP統一に困惑、ジュリア、衝撃の丸坊主――2021年プロレス5大ニュース

今年もさまざまなニュースが飛び交ったプロレス界。そのなかから5つのトピックを取り上げる。写真:塚本凜平、(C)プロレスリング・ノア

世界がコロナ禍から脱しようと動いた2021年も間もなく終わる。プロレス界は会場によって収容人数の上限が緩和されるようになっている。2022年に“日常”の風景が戻って来ることを期待しつつ、今年の5大トピックスを振り返りたい。

◆武藤敬司GHC初戴冠でグランドスラム達成!プロレスリング・ノア電撃入団!

 昨年からふたたびプロレスリング・ノアに参戦していた“プロレスリング・マスター”武藤敬司は、丸藤正道の呼びかけにより、イニシャルMのユニット「M'sアライアンス」を結成。「俺も老ぼれだけど、俺の夢に付き合ってくれよ」と潮崎豪が保持しているGHCヘビー級王座への挑戦を表明した。

 そして2月12日にノアが11年ぶりに進出した日本武道館大会『DESTINATION 2021〜BACK TO BUDOKAN〜』で、潮崎のムーンサルトを被弾しながらもカウント2で返した武藤はカウンターでフランケンシュタイナーを決めて王座奪取。新日本プロレスのIWGPヘビー級、全日本プロレスの三冠ヘビー級に続いて、ノアのGHCヘビー級王座を戴冠するグランドスラムを達成したのは佐々木健介、高山善廣に続く3人目の快挙となった。

 この試合でノアの創設者である故・三沢光晴さんのエメラルドフロージョンを繰り出した武藤は、「三沢光晴は潮崎じゃなくてやっぱり俺の応援してたんだよ。俺が強くないと永遠の恋人と言われた三沢社長も弱くなるからな。やっぱり三沢は俺を応援してたんだよ」というメッセージを永遠のライバルに捧げた。

 武道館大会直後にはノアとの2年契約締結を発表。6月に丸藤に敗れてベルトを失ってしまったが、この試合で禁断のムーンサルトプレスを放つなど、まだまだ存在感は大きい。
◆IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座が統一! IWGP世界ヘビー級王座新設もベルト乱立にファン困惑

 昨年の1.5新日本プロレス東京ドーム大会で、オカダ・カズチカを破り、史上初のIWGP二冠王座(IWGPヘビー級とIWGPインターコンチネンタル)になった内藤哲也を今年の1.4東京ドーム大会で撃破した飯伏は、翌1.5東京ドーム大会でジェイ・ホワイトを相手に初防衛を成功。かねてから提唱してきた両王座の統一を訴えた。

 これに異を唱えた内藤が、2.28大阪城ホール大会で、インターコンチ王座封印を掲げて、インターコンチ王座のみ挑戦するも、これを飯伏が退け、3月1日の会見で両王座が統一とともに、「IWGP世界ヘビー級王座」が新設された。

 新調されたベルトを手にした飯伏は、3.4大田区総合体育館大会でエル・デスペラードを相手に最後の二冠戦で防衛に成功。破竹の勢いで勝ち進めていたが、4.4両国国技館大会で行なわれたIWGP世界ヘビー級選手権でウィル・オスプレイにまさかの初防衛に失敗した。

 しかし、王座を手にしたオスプレイが首の負傷によって王座を返上したため、新日本は6.7大阪城大会で新王者決定戦を実施。ここでオカダを撃破した鷹木信悟がベルトを守り抜いている。

 ただ、アメリカで戦線復帰を果たしたオスプレイがレプリカベルトを持ち歩き、「俺がチャンピオンだ」と名乗れば、『G1クライマックス』で優勝したオカダが、4代目のIWGPヘビー級王座のベルトを“挑戦権利証”として持ち続けるなど、そもそも世界中のタイトルを統一するためのIWGP構想が乱立している。

 こうしたカオスな現状にはファンのみならずレスラーからも批判の声が噴出。そのため来年1.4東京ドーム大会での鷹木対オカダ、1.5東京ドーム大会での1.4の勝者とオスプレイの間で行なわれるIWGP世界ヘビー級選手権の結果に注目が集まりそうだ。◆スターダムが日本武道館に初進出!メインイベントではジュリアが衝撃の丸坊主に…

 新日本と同じくブシロード傘下の女子プロレス団体「スターダム」は3月3日、日本武道館に初進出を果たした。

 この歴史的な大会には、女子プロレス界のレジェンドである長与千種をはじめ、愛川ゆず季らスターダムOG、スターダムからシードリングに移籍した高橋奈七永、世志琥なども参戦。さらにテレビのゲスト解説で現在はタレントとして活躍中の元女子プロレスラー北斗晶が見守り、小さくない話題となった。

 大注目のメインイベントでは、ジュリアが保持していた白いベルトことワンダー・オブ・スターダム王座に中野たむが挑戦。敗者髪切りマッチとして完全決着ルールで行なわれた決戦は、文字通りの死闘となった。そんな試合はふたりの重たい張り手の音だけが響き渡るなか、垂直落下式ブレーンバスターからトワイライトドリームで畳み掛けたたむがカウント3を奪取した。

 試合後、たむは髪切りを断ろうとしたが、ジュリアは「これ以上、恥をかかせるな!」と潔く頭にバリカンを入れた。なお、この大会でコロナ禍ながら3381人(満員)をマークしたスターダムは、大阪城ホールなどビッグマッチを連発。12.29には両国国技館にも進出するなど、勢いが止まらない。

◆スターライト・キッド、SHO…闇堕ちレスラーにブレイクの兆し!

 全てはスターダムの2.25新木場1stRING大会で、STARSのルアカ(琉悪夏)が味方である岩谷麻優にイス攻撃をした時から始まった。

 琉悪夏はこれで闇堕ちをしてヒールユニット大江戸隊入り。大江戸隊のリーダー刀羅ナツコはSTARSからさらなる引き抜きを宣言。両ユニットは敗者ユニット脱退マッチを繰り広げ、ゴキゲンです☆(フキゲンです★)、スターライト・キッドが続けて大江戸隊に闇堕ちしてしまった。

 琉悪夏が大江戸隊に寝返った際に、かなり怒りを露わにしていたキッドだが、闇堕ち後に黒い虎に変貌すると、ハイスピード王座を獲得するなど大躍進。ナツコが怪我で長期欠場になると大江戸隊の中心人物として画策し、クイーンズクエストからリーダーの渡辺桃を引き抜いてみせた。

 新日本マットでもCHAOSのロッポンギ3KとしてYOHとヤングライオン時代から行動をともにしていたSHOが、9.4メットライフドーム大会でYOHとの試合後、EVILらとバレットクラブ内ユニットHOUSE OF TORTURE結成を表明した。

 SHOは7月に旗揚げした新団体GLEATに単身で乗り込みUWFルールで快勝を収めるなど、今後が期待されていた矢先の闇堕ちだっただけに惜しむ声も多いが、レスラーとしてステータスは確実に上がったと言える。今後も躍進を狙ったヒールターンをする選手は出て来るだろう。◆SKE48荒井優希が東京女子プロレスでプロレス本格デビュー!

 5月4日、「東京女子プロレス」は、後楽園ホールで「YES! WONDERLAND 2021〜僕らはまだ夢の途中〜」を無観客で開催。ここで人気アイドルグループ・SKE48荒井優希が本格的なプロレスデビューを飾った。

 荒井は18年2月23日、愛知県体育館で行なわれた豆腐プロレスのリアルプロレスイベントにバブリー荒井のリングネームで出場。同10月にはDDTプロレスが管理するアイアンマンヘビーメタル級王座を奪取し、同28日に開催された同団体の後楽園大会では「女子時間差バトルロイヤル」に参戦。2人残りで最後は伊藤麻希に敗れた。

 しかし、その素質にほれ込んだCyberFight高木三四郎社長がラブコールを送り続けた結果、本格的なプロレス参戦を決断。練習に励んだ荒井は、ついに今年デビューを果たしたのである。

 アイドルとプロレスラーを兼務する「アップアップガールズ(プロレス)」の渡辺未詩とタッグを組んだ荒井は、九州発のアイドルグループ「LinQ」元メンバーの伊藤麻希と、WRESTLE-1公式サポーター「Cheer1」の遠藤有栖とのコンビと激突した。アイドル4人のそろい踏みとなった一戦で先発した荒井は遠藤と腕の取り合い、グラウンドでの攻防では互角に渡り合い、渡辺と連係のダブルエルボーを決めるなど成長ぶりをアピールした。

 試合は伊藤にヘッドバットからDDT、倒れ込み式ヘッドバット、伊藤デラックスとたたみかけられてギブアップ負けを喫したものの、荒井は「今日は負けちゃったけど絶対強くなるので見ててください。応援よろしくお願いします」と宣言。いまもプロレスラーとして成長をし続けている。

 2022年は新日本とノアの対抗戦(1.8横浜アリーナ)がチケット全席完売というニュースが話題を呼んでいる。さらにスターダムの快進撃が続くのは言うまでもなく、プロレス界は明るい話題が多いだけに、来年も期待できそうだ。

取材・文●どら増田

【動画】プロレス界に衝撃! ジュリアが見せた決意の断髪シーンをチェック

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