ポール、ウエストブルックらを輩出!NBAの歴代ベスト“ドラフト4位チーム”を選定<DUNKSHOOT>

ポール、ウエストブルックらを輩出!NBAの歴代ベスト“ドラフト4位チーム”を選定<DUNKSHOOT>

ドラフト4位指名の代表格は現役のポール(左)。ほかにもウエストブルック(右上)、ボッシュ(右下)らが名を連ねている。(C)Getty Images

1946年に創設されたNBAは、翌47年からドラフト制度を開始させ、時代によってルールを変えながら現在に至っている。

 昨年7月までに計75回のドラフトが行なわれてきたが、年代関係なく指名順位に限定してチームを結成した場合、その顔ぶれはどうなるのか。今回は過去3回に続き、「ドラフト4位指名」の最強チームを、アメリカンスポーツに精通する識者に選んでもらった。

【ポイントガード】
クリス・ポール

1985年5月6日生。183cm・79kg
2005年ドラフト4位
キャリアスタッツ:1151試合、平均18.2点、4.5リバウンド、9.5アシスト

 史上最高の4位指名選手はポールで間違いない。

 ウェイクフォレスト大から2005年の4位でニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)に入団。直前の3位ではユタ・ジャズがデロン・ウィリアムズを指名しており、同じPGとしてライバル視され、キャリア中盤までは成績も拮抗していたが、年を追ってその差は開いていった。

 4度のアシスト王に輝いた名プレーメーカーで、2020-21シーズンに移籍したフェニックス・サンズを生まれ変わらせたように、味方を生かす才能、試合をコントロールする技術が並外れて高い。スティール王6回、オールディフェンシブチーム選出9回と守備面で極めて優秀な点も見逃せない。

 他の4位選手では08年シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)に指名されたラッセル・ウエストブルック(ロサンゼルス・レイカーズ)、マイク・コンリー(07年メンフィス・グリズリーズ/現ジャズ)ら、ポールと同じ世代の優れたPGが多数指名されている。
 【シューティングガード】
ルー・ハドソン

1944年7月11日生(2014年4月11日没)。196cm・95kg
1966年ドラフト4位
キャリアスタッツ:890試合、平均20.2点、4.4リバウンド、2.7アシスト

 PGが人材豊富なのに比べ、SGの顔ぶれはいささか寂しい。ショータイム・レイカーズの主力だったバイロン・スコット(83年)が知名度では一番かもしれないが、オールスター出場経験はなく、1969年から6年連続で選出された“スウィート・ルー”ことハドソンを選ぶべきだろう。

 本企画はテリトリアル・ピック(地域優先指名)が廃止された66年以降の選手を対象としているが、ハドソンはその66年の4位指名。オールスターに複数回選ばれた選手が4人しかいなかった不作年にあって、ハドソンの出場6回は2位指名だったデイブ・ビングの7回に次ぐ。

 ミネソタ大からセントルイス・ホークスに入団し、アトランタへ本拠地を移した68-69シーズンから7年続けて平均20点以上。派手なプレーは好まなかったが「目隠しされ、足枷をかけられても15フィートのシュートを決められる」と『ロサンゼルス・タイムズ』紙に書かれたシュート力で、72-73シーズンにはリーグ4位&自己ベストの平均27.1点を記録した。
 【スモールフォワード】
グレン・ライス

1967年5月28日生。203cm・98kg
1989年ドラフト4位
キャリアスタッツ:1000試合、平均18.3点、4.4リバウンド、2.1アシスト

 アントワン・ジェイミソン(98年)、ラマー・オドム(99年)など、SFポジションの4位指名は“オールスター以上スーパースター未満”の選手たちが多い。ライスもそのカテゴリーに入るが、ジェイミソンやオドムが経験していないオールNBAチームに2回入った点を評価した。

 ミシガン大のエースとして89年のNCAAトーナメントで優勝、同年のドラフト4位でマイアミ・ヒートに入団した。シャーロット・ホーネッツへ移籍した95-96シーズンから3年連続でオールスター出場を果たし、97年の大会では26得点をあげてMVPを受賞。同年はレギュラーシーズンでも自己ベストの平均26.8点(リーグ3位)、3ポイント成功率47.0%は1位だったようにロングシュートが売り物で、成功数はリーグ6位以内に5度入った。

『CBSスポーツ』のコリン・ウォード・ヘニンガーは「過去の選手で、現代のプレースタイルに一番合うのはライス」と述べている。レイカーズ時代の2000年はシャキール・オニール、コビー・ブライアントに次ぐ得点源として優勝の一翼を担った。
 【パワーフォワード】
クリス・ボッシュ

1984年3月24日生。211cm・107kg
2003年ドラフト4位
キャリアスタッツ:893試合、平均19.2点、8.5リバウンド、2.0アシスト

 1位でレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ/現レイカーズ)、3位でカーメロ・アンソニー(デンバー・ナゲッツ/現レイカーズ)、5位ではドウェイン・ウェイド(ヒート)と数多くの名選手が名前を呼ばれた03年ドラフトの4位指名で、トロント・ラプターズに入団。

 センター兼PFとしてすぐに頭角を現わし、06年から11年連続でオールスターに選出。10-11シーズンからはヒートでレブロン、ウェイドと同期生ビッグ3を形成した。エース格ではなくなったために個人成績はラプターズ時代より下がったが、第三の矢として12、13年の連覇に貢献。2人とは08年の北京五輪でも共闘して金メダルを獲得している。

 まだまだ第一線にあった15-16シーズンを最後に、血栓症のため31歳で事実上の引退に追い込まれたのは残念だった(正式な引退発表は19年)。他の4位指名ではいずれもノースカロライナ大出身であるサム・パーキンス(84年)、ラシード・ウォーレス(95年)らが挙げられる。
 【センター】
ディケンベ・ムトンボ

1966年6月25日生。218cm・111kg
1991年ドラフト4位
キャリアスタッツ:1196試合、平均9.8点、10.3リバウンド、1.0アシスト

 73年のMVPで、リーグの最も偉大な75人にも選ばれたデイブ・コーウェンス(70年)もいるが、キャリアの長さなどを考慮して、90年代最強のディフェンダーだったムトンボがよりふさわしいと判断した。

 ザイール(現コンゴ民主共和国)生まれでジョージタウン大で活躍後、91年のドラフト4位でナゲッツに入団。218cmの長身を武器にリバウンドとブロックを量産し、93-94シーズンから3年連続でブロック王を獲得。相手のシュートを叩き落とした後、自慢げに指を振る“フィンガー・ワグ”でホームの観客を沸かせ、相手チームを苛立たせた。

 通算3289ブロックはリーグ歴代2位。最初の11年間は得点とリバウンドで平均ダブルダブルを続け、アトランタ・ホークス移籍後の99-2000シーズンは平均14.1リバウンドで1位、翌年も2年連続でタイトルを獲得した。最優秀守備選手賞には最多タイ記録の4回輝き、42歳で現役引退。人道・慈善活動にも熱心に取り組み、シチズンシップ賞を2度受賞した唯一の選手でもある。
 【シックスマン】
ラッセル・ウエストブルック

1988年11月12日生。191cm・91kg
2008年ドラフト4位
キャリアスタッツ:1017試合、平均22.8点、7.4リバウンド、8.4アシスト

「バスケットボールでなくとも、他の種目でオリンピックに出られた」と評される身体能力の持ち主。UCLAで活躍し、08年のドラフト4位でソニックスが指名、同年に球団がオクラホマシティへ移転したためサンダーの1期生となる。

 ちなみに、直後の5位ではUCLAのチームメイトで同級生のケビン・ラブがグリズリーズに指名されている(直後にミネソタ・ティンバーウルブズへトレード/現キャバリアーズ)。

 得点、パス、リバウンドと何でもこなし、16-17シーズンには平均31.6点で2度目の得点王を獲得。さらに10.7リバウンド、10.4アシストも記録して史上2人目の年間トリプルダブルを成し遂げ、MVPに輝いた。その後も18、19、21年と合計4回この大記録を達成し、アシストでも3回リーグ1位になっている。

 しかしながら、先述のポールとは対照的に司令塔としての力量は評価が分かれるところ。守備でもスティールこそ多いものの、トータルでは上手いとは言い難く、数字が示すほど貢献度が高くない……との評価が定着してしまっている。

文●出野哲也

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